じじぃの「チンパンジーの赤ん坊はどこまで人間に似ているか?進化の存在証明」

誕生直前のチンパンジー

ラングが撮影したチンパンジーの赤ん坊と大人の写真

NHKドキュメンタリー 時空を超えて 「“私”は何者なのか?」  2016年7月8日 NHK Eテレ
【語り】モーガン・フリーマン
カリフォルニア大学 児童心理学者のアリソン・ゴプニックは、人間が初めて自分を認識するのはいつなのかを解明しようとしています。
自分が何者であるのか。最も重要な部分は人生のかなり初期の段階で学びます。
人間の場合、鏡に映った自分を自分と認識するのは生後6ヵ月経ってからです。
ゴプニックはクッキーのラベルが付いた箱で、3歳のジェニーヴァがどこまで認識しているかテストをします。
ゴプニック、「箱の中には何が入ってると思う?」
ジェニーヴァ、「クッキー」
中身を取り出し、それがマーカーペンだと知ったジェニーヴァはクッキーが入っていると思ったこととうまく折り合いがつけられません。
4歳のジムにも同じテストをしてみました。
ゴプニック、「箱の中には何が入ってると思う?」
ジム、「クッキー」
中身を取り出し、それがマーカーペンだと知ったジム。
ゴプニック、「最初は箱が閉まってたよね? 開ける前は何が入っていると思った?」
ジム、「クッキー」
ゴプニック、「本当は何が入ってた?」
ジム、「マーカー」
自分を自分と認識するのは生後6ヵ月ごろからなのに対して、他人の心を読み取り始めるのは、4歳児ごろからなのです。
http://www4.nhk.or.jp/P3452/
『進化の存在証明』 リチャード・ドーキンス/著、垂水雄二/訳 早川書房 2009年発行
失われた人だって? もはや失われてなどいない (一部抜粋しています)
古生物学は、他の科学分野よりもはるかに、ライバル争いに悩まされている――あるいは活気づけられているのか?――ことで悪名高い。直立して歩く類人猿アウストラロピテクスと、人類とチンパンジーが共有する(おそらくは)四足歩行をしていた祖先とをつなぐ化石記録が、依然として乏しいことは認めなければならない。人類の祖先がどのようにして後ろ脚で立ち上がったのかわかっていない。もっと化石が必要である。しかし、少なくとも、私たちには――ダーウインとちがって――チンパンジー大の脳をもつアウストラロピテクスから、風船のように丸い頭骨と大きな脳をもつ私たち現代型ホモ・サピエンスに至る進化的な移行を示してくれている、りっぱな化石記録があることを、すなおに喜ぶことにしよう。
本節を通じて、私は頭骨の図番を転載し、読者がそれを比較できるようにした。ひょっとしたらあなたは、たとえばある化石における鼻口部突出、あるいは眼窩上隆起に気づいたかもしれない。ときにはその違いはきわめて微妙で、そのことが、一つの化石から後代の化石への漸進的な移行を正しく認識する助けとなる。しかしここで私は、一つ厄介な問題を紹介したいと思うが、それは独自の興味深い論点へと発展していくものである。一個体の生涯において、成長にともなって起こる変化は、一つ一つ世代を重ねていく大人を比較していくときに見える変化に比べて、いずれにせよ、はるかに劇的である。
上図(画像参照)に示した頭骨は誕生直前のチンパンジーのものである。明らかにこれは、大人のチンパンジーの頭骨とは完璧に異なっていて、はるかに人間(大人の人間だけでなく赤ん坊にも)に近い。あちこちに転載されているチンパンジーの赤ん坊と大人の写真があり、これは人類進化では幼形形質が大人まで待ちこされる(あるいは――かならずしもまったく同じことではないかもしれないが――体がまだ幼いときに性的に成熟してしまう)という興味深い考えを例証するためによく用いられるこの写真(画像参照)が本物であるにはあまりにもよくできすぎていると思い、同僚のデズモンド・モリスに専門家としての意見を聞くために送った。そして、これがインチキということはありうるかと、彼に尋ねてみた。あなたはこれほど人間によく似たチンパンジーの子供を見たことがあるか? とも。モリス博士は、背中と肩については疑わしいが、頭骨そのものについては納得している。「チンパンジーは特徴的な背を丸める姿勢をとるが、この写真はみごとな直立姿勢の人間の頸をもっている。しかし頭部だけをとりあげるなら、写真は信頼できる」。本書の図版担当者であるシェラー・リーは、この有名な写真のもとの出所が、アメリカ自然史博物館が実地した1909〜1915年にかけてのコンゴでの探検調査にあることを突き止めた。この動物は撮影されたときには死んでいたそうであり、彼女によれば、カメラマンであるハーバート・ラングは剥製師でもあったとのことだった。こうなると、赤ん坊のチンパンジーの奇妙に人間じみた姿勢は、剥製の詰め方が悪かったせいだと推測したくなる。

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どうでもいい、じじぃの日記。
リチャード・ドーキンス著 『進化の存在証明』という本を読んでいたら、チンパンジーの赤ん坊の絵が出てきた。
誕生直前のチンパンジーの頭蓋骨と、コンゴでの探検調査に参加したというカメラマンが撮影したというチンパンジーの赤ん坊の写真だ。
どちらも、人間の赤ん坊によく似ている。
「この写真が本物であるにはあまりにもよくできすぎていると思い、同僚のデズモンド・モリスに専門家としての意見を聞くために送った」
背中が直立している写真は、死んだ赤ん坊を撮影したものだそうだ。背中に金属の心棒でも差し込んで撮影したのだろうか。
チンパンジーの赤ん坊と人間の赤ん坊の違いは背中が丸まっているかどうかのように見える。
やはり、樹上から降りて草原のサバンナで生活するようになったため、背中が真っ直ぐになったのだろうか。