じじぃの「ピック病・高齢者の万引き・認知症に人格が変わってしまう病気がある!脳科学」

Phineas P. Gage

ピック病

主な認知症 (tokyo.med.or.jp HPより)

ピック病型認知症(こころの病気のはなし/専門編)
前頭側頭型認知症は、脳の前の部分と横の部分が萎縮したり、機能が低下したりする認知症です。
現段階では根治する治療法はありませんが、行動障害を改善するために「選択的セロトニン再取り込み阻害薬」(SSRI)の使用が推奨されています。有効ではないとする医学論文もありますが、日本では脱抑制や不適切な性的行動等には、まずSSRIが使われます。
http://www.e-heartclinic.com/kokoro/senmon/picks_disease01.html
総合診療医 ドクターG 「自殺するかもしれない」 (追加) 2016年6月8日 NHK
【司会】浅草キッド 【専門家】池田正行(法務省 矯正医官) 【ゲスト】濱田マリロバート・キャンベル
拘置所や刑務所にいる被収容者の健康を守る医師が解説。
診断 前頭側頭型認知症(ピック病)
2年前に妻を亡くしたクリーニング店の店主が、コンビニでお酒を万引して捕まった。
拘置所内の独房の中で、新聞の記事に赤線を引いたり、同じ時間に散歩を要求したりした。
これは常同行動といって、決まったコースを散歩する、途中で万引きをするなどを行う。万引きでも店頭に並んだ品物を堂々と万引きする。
拘置所を出た後にどういう行動を起こすのか。家族は決まった散歩の時間に、花に水やりを行うように誘導することで万引きを防ぐことができるという。
http://www4.nhk.or.jp/doctorg/x/2016-06-11/21/20544/2279097/
世界仰天ニュース  2016年6月1日 日本テレビ
【MC】福亭鶴瓶中居正広 【ゲスト】樹木希林阿部寛、その他
●人格が変わった夫のナゼ
認知症を発症する人の数は世界で毎年770万人ずつ増加し続けていると言われ、2030年には、その数が現在の2倍になると予想されている。
そんな認知症に30年もの間、闘い続けた夫婦 新井広美さんと雅江さん。
発症したのは夫の広美さん。40代前半という若さで「認知症」の兆候が出た。
家の中で「イライラ」することも多くなった。ついに事件が起こった。
ある日、自宅の電話が鳴った。近所の派出所からだった。
広美が将棋道場で対戦相手に襲いかかり、その興奮が収まらず店主が通報したという。
その数日後、広美は上機嫌だった。久々に見る満面の笑み。
何かいい事があったのか、と雅江が聞くとスーパーから乾電池とボールペンを盗んできたという。
雅江は何を言っているのかわからなかった。
雅江は専門医に、夫のこれまでの行動を説明。
専門医はひととおり話を聞くと、「ピック病」という病名を口にした。
http://www.ntv.co.jp/gyoten/
ピック病 コトバンク
退行変性疾患の一。前頭葉,側頭葉,頭頂など,脳葉が限局的に萎縮する。人格障害認知障害言語障害,感情障害,行動異常,判断力障害などがみられる。50歳代に好発し,若年性認知症の原因疾患のひとつとされる。
チェコ精神科医ピック(Arnold P. Pick 1851〜1924)が 1898年に初めて症例を報告したことからこの病名のもとになった。

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臨床医が語る認知症脳科学 岩田誠/著 日本評論社 2009年発行
認知症のいろいろ ピック病 より
アルツハイマー病と違ってピック病では、前頭葉と側頭葉の先端部が萎縮してしまいます。神経細胞がだんだんなくなってしまうのです。すると、ふつうの人ならしないような行動、場合によっては犯罪になるような行動が出てきます。たとえば他人のものを勝手に持ち去るか、不適切な言動をしてけんかになるとか、抑制が利かなくなって性的な異常行動をする等々です。こういうことが起こるのは、前頭葉が働かないために、自分が見たり聞いたりした目の前の現実世界の情報に対して反射的な反応をしてしまうためです。ピック病の場合には、こういうことがすごく多く起こります。だからピック病の人の場合には人間の社会的倫理に反するような行動が起こることが多い、と以前からいわれていました。
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もう150年以上前の1840年代にアメリカで起こったフィネアス・ゲージという有名な患者さんの話があります。彼はある鉄道会社の鉄道建設工事の監督として働いていた人で、頭も腕もよくて部下の面倒もよくみる情に厚い親分肌の男でした。ところが、あるとき岩盤を爆破するための作業で事故にあい、鉄棒が顎の下から入って頭の上へ突き抜けた。ふつうは助からないような重傷でしたが、彼は奇跡的に生き延び、2ヵ月たらずで一見ふつうに働けるかのように回復しました。ところが人格が一変してしまい、まともな仕事ができず放浪生活をして大ぼらを吹いたり、自分をサーカスの見せ物にしたり、他人とやたらとけんかしたりするようになった。こうして以前の彼とはまったく別人のようになったが、そのまま十数年も生きていたそうです。
当時は脳の各部分の働きの検査法などはなかったのですが、ゲージさんの場合、鉄棒が左の顎下から貫入して右の前頭葉の上部へ突き抜けたことはわかりました。そこで、脳のそういう部分を損傷すると、基本的な知能や言語活動は保たれても、倫理的な善悪や人情に関する判断をして社会生活を円滑に維持する能力は失われる場合があるということが、それ以来、いわれだしました。
それから今日まで長い年月がたっています。現在では、そういう主張がある程度正しいことが、ピック病や前頭葉の外傷の場合の研究や、健常者の機能画像法(ファンクショナルMRIやPETスキャンを使う観察法)によって裏づけられています。このような善悪や人情に関する判断は、前頭葉を中心にしたワーキングメモリーの働きがないとできないという研究が、アメリカではおおいに進んでいます。

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どうでもいい、じじぃの日記。
6/1、日本テレビ 『世界仰天ニュース』を観た。
【人格が変わった夫のナゼ】
認知症の一つに人格が変わってしまう「ピック病(前頭側頭型認知症)」というのがあるのだそうだ。
『臨床医が語る認知症脳科学』という本に、ピック病のことが載っていた。
「あるとき岩盤を爆破するための作業で事故にあい、鉄棒が顎の下から入って頭の上へ突き抜けた」
男は奇跡的に生き延びたが、この事故以来、人格が変ってしまったのだという。
脳の中に、善悪など倫理的な判断を下す部位があるのだろうか。
高齢者の万引き。これもピック病が関係しているらしい。
じじぃは万引きの覚えはないが、ピック病の症状がないわけではない。