じじぃの「人の死にざま_1689_アーノルド・ピック(精神科医・ピック病)」

ピック病

世界仰天ニュース  2016年6月1日 日本テレビ
【MC】福亭鶴瓶中居正広 【ゲスト】樹木希林阿部寛、その他
●人格が変わった夫のナゼ
認知症を発症する人の数は世界で毎年770万人ずつ増加し続けていると言われ、2030年には、その数が現在の2倍になると予想されている。
そんな認知症に30年もの間、闘い続けた夫婦 新井広美さんと雅江さん。
発症したのは夫の広美さん。40代前半という若さで「認知症」の兆候が出た。
家の中で「イライラ」することも多くなった。ついに事件が起こった。
ある日、自宅の電話が鳴った。近所の派出所からだった。
広美が将棋道場で対戦相手に襲いかかり、その興奮が収まらず店主が通報したという。
その数日後、広美は上機嫌だった。久々に見る満面の笑み。
何かいい事があったのか、と雅江が聞くとスーパーから乾電池とボールペンを盗んできたという。
雅江は何を言っているのかわからなかった。
雅江は専門医に、夫のこれまでの行動を説明。
専門医はひととおり話を聞くと、「ピック病」という病名を口にした。
http://www.ntv.co.jp/gyoten/
ピック病 コトバンク
退行変性疾患の一。前頭葉,側頭葉,頭頂など,脳葉が限局的に萎縮する。人格障害認知障害言語障害,感情障害,行動異常,判断力障害などがみられる。50歳代に好発し,若年性認知症の原因疾患のひとつとされる。
チェコ精神科医ピック(Arnold P. Pick 1851〜1924)が 1898年に初めて症例を報告したことからこの病名のもとになった。

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臨床医が語る認知症脳科学 岩田誠/著 日本評論社 2009年発行
認知症のいろいろ ピック病 より
アルツハイマー病と違ってピック病では、前頭葉と側頭葉の先端部が萎縮してしまいます。神経細胞がだんだんなくなってしまうのです。すると、ふつうの人ならしないような行動、場合によっては犯罪になるような行動が出てきます。たとえば他人のものを勝手に持ち去るか、不適切な言動をしてけんかになるとか、抑制が利かなくなって性的な異常行動をする等々です。こういうことが起こるのは、前頭葉が働かないために、自分が見たり聞いたりした目の前の現実世界の情報に対して反射的な反応をしてしまうためです。ピック病の場合には、こういうことがすごく多く起こります。だからピック病の人の場合には人間の社会的倫理に反するような行動が起こることが多い、と以前からいわれていました。
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ただし、ピック病という病名のもとになった19世紀末から20世紀初頭の時代のプラハ精神科医ピックさんが記載した患者の主症状は、進行性の失語症でした。その病気は今日でいうピック病ではなく、アルツハイマー病の一種だったかもしれません。アルツハイマー病にも進行性の失語症が出ることはあります。