じじぃの「人の死にざま_1676_レオノール・ミカエリス(生化学者・酵素反応)」

【高校生物】 細胞21 酵素反応調節(14分) 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=v9x2acy5HMU
ミカエリス定数の意味 (sc.fukuoka-u.ac.jp HPより)

酵素の化学
生体内のほとんどの化学変化は酵素(enzyme)というタンパク質によって触媒される。酵素と結びつき変化を受ける物質を基質(substrate)という。基質は酵素分子の表面の特定の部位(活性部位, active site)に結合し,酵素タンパク質が作りだす特殊な環境により,いったんエネルギーの高い状態の(ただし,触媒がない場合よりは低いエネルギーで済む)酵素-基質複合体を形成する。この状態から,基質は生成物(Product)へと化学形を変え,酵素から離れる。それと同時に,酵素は元の分子状態に戻り,再び次の基質と結合する。
http://www.sc.fukuoka-u.ac.jp/~bc1/Biochem/biochem5.htm
酵素のちから―生命を支える』 左右田健次/著 岩波ジュニア新書 2005年発行
基質や補酵素の濃度の影響 (一部抜粋しています)
20世紀の初頭、L・ミカエリスとM・L・メンテンは酵素反応進み方を研究しました。そして酵素反応において、まず酵素(E)は基質(S)と結合して、複合体(ES)を形成してから触媒反応が起こり、生成物(P)が生成すると考えました。これは、下の式のように表されます。
  E + S ⇔ ES → E + P
酵素の反応速度 Vは基質の濃度[S]によって影響を受けます。その影響の受け方は酵素の種類によってちがいます。化学反応においても、反応物の濃度が高い方が反応速度は高くなりますが、酵素反応における[S]と v(活性といいかえることもできます)の関係は図(画像参照)のようになります。(2種類の酵素についてしめします)。低い基質濃度の範囲では、基質濃度が大きくなるにしたがって、反応速度も直線的に大きくなります。しかしその後、少しずつ直線から離れ、曲線となって増加し、水平に近づく、つまり最大反応速度 Vに近づきます。
この Vは、基質の濃度が無限大になったときの反応速度です。この状態に達すると、反応速度は一定です。つまり、酵素は周りの気質で飽和され、それ以上に基質濃度を増やしても、酵素反応の速度は大きくなりません。
(コラム) ミカエリス
酵素反応の解析法をはじめて考えた中心人物は、レオノール・ミカエリス(Leonor Michaelis)です。1875年(明治8)年に、ドイツのベルリンに生まれました。ベルリン大学医学部で基礎医学などを勉強したあと、動物学、細菌学、免疫学や酵素化学を研究し、ベルリンの病院で酵素の物理化学的研究をはじめ、1913年、メンテン(Menten)とともに、下にしめすミカエリス・メンテンの式を考え、酵素化学の基礎を築きました。
  v = V[S] / (Km + [S])
1922(大正11)年、ドイツを去り日本に来て、創設間もない愛知医科大学(現在の名古屋大学医学部)の生化学教授になりました。そして1926年、アメリカにおもむくまで、名古屋で生化学の研究と教育に従事しました。その間、研究とともに日本語や中国語も習得したそうです。