じじぃの「免疫チェックポイント阻害剤(ニボルマブ)は難病の特効薬か?がん免疫薬」

Discovering the PD-1 Checkpoint: Winners of the 2014 William B. Coley Award for Tumor Immunology 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=B532URzuJOU
がん治療が変わる「日本発新免疫法」 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=yH2qV4BjMv0
オプジーボニボルマブ (nippon.com HPより)

ひるおび! (追加) 2017年2月1日 TBS
【司会】恵俊彰 【ゲスト】上昌広医師(医療ガバナンス研究所理事長)、牧嶋博子(TBS解説者)
●高額がん治療薬・半額に・「オプジーボ」 どんな薬?
オプジーボは外科手術、放射線抗がん剤治療と並んで第4のがん治療法と言われている。
点滴タイプで国内で1万人以上が使用している。
従来の抗がん剤が効かなかった患者のがんが小さくなるケースもあり、専門家は今後期待が寄せられる画期的な薬である。
オプジーボ」・・・1人当たり年間約3500万円の医療費。
今日から価格が半額に引き下げられる。
昨日まで、1回の使用量180ミリグラム使うと133万円で2週間に1回×年26回で3458万円。今日からは半額になったので1729万円に。
自己負担額は、70歳未満で年収370万円〜770万円の人の場合 高額療養費制度適用で年間71万1960円に。
http://www.tbs.co.jp/hiru-obi/
NHKスペシャル 「“がん治療革命”が始まった〜プレシジョン・メディシンの衝撃」 2016年11月20日
日本人の2人に1人がかかる病、がん。その治療が根底から変わろうとしている。
進行した大腸がんを患う48歳の男性。再発を繰り返し手術不能だったが、ある薬の投与で腫瘍が大きく縮小。その薬とはなんと皮膚がんの治療薬だ。劇的な効果をあげたのは、がん細胞の遺伝子を解析し適切な薬を投与するプレシジョン・メディシン(精密医療)だ。今、7千人近くの患者が治験に参加。先進地のアメリカの事情とともに可能性と課題を追う。
大腸がんの男性が使っている薬は、免疫チェックポイント阻害剤と分子標的薬。この2つを投与しています。臨床試験を始めて2ヵ月後に検査を受け結果を聞くと、がん細胞の大きさがなんと43%も減っていたのです。
http://www.nhk.or.jp/docudocu/program/46/2586864/index.html
MEMO:がんの薬、認知症に効果か 2016年1月28日 毎日新聞
がん治療薬にも応用されている抗体をアルツハイマー病に似た症状を示すマウスに注射すると、脳神経に有害なたんぱく質の蓄積や学習・記憶能力の低下が抑えられたとの実験結果を、イスラエルのワイツマン科学研究所のチームが米医学誌ネイチャーメディシンに発表した。
この抗体は「抗PD1抗体」。白血球によるがん細胞への攻撃を促進する新薬「ニボルマブ」として実用化され、皮膚がんや肺がんに効果が示されている。
http://mainichi.jp/articles/20160128/ddm/016/040/037000c
脚光を浴びる新たな「がん免疫療法」:小野薬品のオプジーボ 2015.04.22 nippon.com
2014年、新しいコンセプトの抗がん剤小野薬品工業(本社・大阪市中央区)のニボルマブ(商品名オプジーボR点滴静注)が登場、画期的な「がん免疫療法」として大きな期待を集めている。
この創薬をけん引したのは、世界の免疫学研究を長年リードしてきた京都大学本庶佑(ほんじょ・たすく)氏(現・客員教授静岡県公立大学法人理事長)だ。ニボルマブには従来の抗がん剤と比べ、①がん種を問わない、②副作用が少ない、③末期でも効き始めたらずっと効き、再投与もできる、という大きな特徴がある。特定のがん種の増殖にかかわる分子をピンポイントで狙う分子標的薬とは逆で、免疫チェックポイント阻害薬は幅広いがんの治療薬となる。本庶氏は、「今の抗がん剤は、やがてほとんど使われなくなり、すべて PD-1抗体で治療することになるだろう」と予測する。
http://www.nippon.com/ja/column/g00268/
プライムニュース 「最先端医療のジレンマ 薬剤費高騰の背景は? 皆保険制度は守れるか」  2016年5月19日 BSフジ
【キャスター】秋元優里、反町理 【ゲスト】鴨下一郎(元厚生労働副大臣 自由民主党衆議院議員)、國頭英夫(日本赤十字社医療センター化学療法科部長)、西沢和彦(日本総研調査部上席主任研究員)
「この1剤を契機にして、国が亡びかねない」。
ことし4月、日本赤十字社医療センターの國頭(くにとう)医師が、財務省の財政制度分科会でこのように問題提起したのは、がん治療薬「オプジーボ」。
患者の免疫に働きかけ、がんを抑え込む画期的な薬とされる一方、体重60キロの患者が1年間使用すると、費用は約3500万円にものぼり、その大部分を国の高額療養費制度でまかなうことになっているという。
新薬開発が進み、「効果も高いが、費用も高い薬」が続々と登場し、国の保険制度を揺るがしかねない中、高額医療と今後の医療制度はどうあるべきかを考える。
高額療養・医薬品の解決策
●支出を減らす
・薬剤費の引き下げ
・何らかの使用制限を設ける
・無駄な投与を減らす
●原資を増やす
・保険料増加
・自己負担増加
・民間の医療保険活用
反町理、「国民皆保険で日本は医療大国であり、皆が公平にサービスを受けられ幸せだと思っているが、その行き着く先が75、80歳で薬を止めろというのは医療大国である日本の悲劇ではないか」
國頭英夫、「75歳になったから放っておけということではない。例えば、大腸がんの場合、薬で治すことはしなくても、バイパス手術をするようなことはやっていくべきだ」
前編:http://www.bsfuji.tv/primenews/movie/index.html?d160519_0
後編:http://www.bsfuji.tv/primenews/movie/index.html?d160519_1
文藝春秋 2016年5月号
がんを消す免疫薬の真実 立花隆×本庶佑京都大学名誉教授) より
立花 しかしニボルマブのほうも副作用の報告はありますね。
本庶 ヤーボイに比べれば少ないのですが、もちろんゼロではありません。自己免疫疾患は、人によって糖尿病や大腸炎間質性肺炎などどこに出るか想定できないところがやっかいです。重症筋無力症で亡くなった方もおられますので、普及にあたっては、臨床家がきちんと診ていく態勢を整えておく必要があります。 薬を日本で販売している小野薬品工業には、注意書きはかなり厳重に書いてくれと言いましたけれど、そもそもがんの専門家の大半は免疫系にあまり詳しくないですから、現在は、免疫系の専門家がいる大きな病院でしか、この薬は使えないことになっているはずです。
立花 ニボルマブについて指摘されている、もう1つの問題は薬価が、高いということですね。1回の投与に約73万円かかる。保険適用外のがんに使った場合は、年間1500万円という試算もあります。
本庶 日赤医療センター化学療法科部長の里見清一さんが、「医学の勝利が国家を滅ぼす」(『新潮45』2015年11月号)という文章で批判しているのは読みました。この薬の値段が高いと言う意見には、僕も賛成です。 新薬の薬価は保険支払者と医師と公益代表で決めるもので、独立行政法人のPMDA(医療品医療機器総合機構)が権限を持っているのは確か。僕も高いとは感じましたから、PMDAの人に「なんで高くしたの?」と聞いたら、「日本発の薬だから応援したい」と言っていました。その気持ちはわかるけれど、もう少し下げられたのではないかという気はしますね。 しかし、里見さんの医療費全体を押し上げるという議論は乱暴だと思いましたよ。既にある抗がん剤、なかでも分子標的薬と言われるものだってかなり高い。1回、100万円程度のものもある。
立花 もっと高いものもありますね。
本庶 最先端の分子標的薬といえども、一時的にしか効きません。しかし、ニボルマブは半年程度の投与で済む。ずっと続ける必要はない薬です。その後もし何年も効果が持続して、他に利用の必要がなければ、結果的に医療費を押し上げない。それにニボルマブが普及して適用が広がれば、薬価も下がるでしょう。新たに開発された高価な薬が医療費を押し上げるかどうかについては、治療期間の短縮効果や薬価の下落効果を踏まえて、もっと緻密な計算が必要だと思います。
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立花 PD-1研究を端緒とした免疫系の研究は今後どう展開していくとみていますか。
本庶 実は1月中旬、「ネイチャーメディスン」という雑誌に、PD-1抗体をネズミのアルツハイマーモデルに投与すると症状が改善したという論文が出たんです。僕は本当かなと思って、半分以上は信じていませんけれどね。 ただ、最近の研究で、免疫系と神経系、あるいは免疫系と代謝系というこれまでの別の制御システムと捉えられてきたものが実はつながっていることがわかってきたのは事実です。 免疫系とか神経系というのは、生物学者が勝手に分けたもので、これまでは専門化することで深めてきたんですけど、もっと生命体系全体を見る本来の生物学の方向にもう一度立ち返ることで、面白い研究が出て来るような気がしています。実際に、循環器で使われていた薬が神経系の病気に効いたとか、そういう例がけっこうあるんですよ。
立花 我々はPD-1の発見から見えて来た新しい生物学の世界の、まだとば口に建っているに過ぎないのかもしれませんね。研究が進めば、がんだけでなく他の病気の治療にも応用される可能性はありますか。
本庶 例えば、現在、移植手術しかないと考えられている拡張型心筋症は、僕は自己免疫病だと考えていて、循環器内科の先生に自己免疫病として治療すべきだと提言しています。 免疫性の糖尿病や大腸炎、リウマチなど、原因がわからず治療法の見つからなかった難病には、実は自己免疫疾患が多いことがわかって来ました。現在、自己免疫病を治療する手段は、副作用の強いステロイドしかありませんが、今後、研究が進めば、免疫系の治療薬が登場してくる可能性は大いにあると思います。

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どうでもいい、じじぃの日記。
今、「免疫チェックポイント阻害剤」(ニボルマブ)が脚光を浴びている。
これまでの免疫療法は免疫細胞の攻撃力を高める、いわばアクセルをかける働きが中心だったが、この阻害剤では免疫細胞にかけられた「ブレーキを外す」働きをする。
がんワクチンなどは免疫細胞の攻撃力を高めるが、がんがなくなるというものではないらしい。
2016年5月号 『文藝春秋』に特集「最新医療に乗り遅れるな がんを消す免疫薬の真実」が載っていた。
「実は1月中旬、『ネイチャーメディスン』という雑誌に、PD-1抗体をネズミのアルツハイマーモデルに投与すると症状が改善したという論文が出たんです」
この薬、もしかして、多くの難病の特効薬だったりして。