じじぃの「人の生きざま_603_デビッド・ベッカム(サッカー選手)」

【神業】デイヴィッド・ベッカム スーパープレー集 David Beckham 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=wh6Usxrr2wA
David Joseph beckham

デビッド・ベッカム ウィキペディアWikipedia)より
デイヴィッド・ロバート・ジョゼフ・ベッカム OBE(David Robert Joseph Beckham OBE, 1975年5月2日 - )は、イギリス、イングランド出身の元サッカー選手、モデル。ポジションはミッドフィールダー(RSH, CH)。
イングランド代表にも選出されていた。
FIFA最優秀選手賞では2位に2度選出され、2004年に初めて最も収入を得たサッカー選手となり、英国人として初めてUEFAチャンピオンズリーグ100試合出場を達成した。2003年と2004年のGoogleのスポーツ部門で最も多く検索された人物である。そのような高い知名度を持つことから多くの広告に起用され、ファッション・アイコンとしても注目を集めている。

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『なめないでね、わたしのこと』 内館牧子/著 幻冬舎文庫 2004年発行
いつまでベッカム様か (一部抜粋しています)
私はムカッ腹を立てている。本気でムカついている。
まったく、いつまで「ベッカム様」の記事を書いているのだ、女性週刊誌は!
そりぁ私はサッカーに興味がないことは確かだ。ゴールを「カゴ」と言い、ゴールキーパーを「カゴの前に立ってる人」と言い、「ボランチ」を選手名だと思っていたレベルだ。だってIOCの前会長の名はサマランチだったから。ボランチもてっきり人名だと思うのは素直な性格の証拠だ。そのレベルの私ではあっても、女性週刊誌がずーっとベッカム様をやっているのはあまりにも貧しいと思う。
ベッカム様の全愛用品の徹底追跡もあれば、ベッカム様の家族愛の物語もあり、ベッカム夫人の半生記まである。さらにベッカム様はいい匂いがしたとか、ベッカム様がパンツのゴム部分を見せている写真に「ドキッ!」なんぞ書いているものもある。そんなもン見ても私は全然「ドキッ!」なんぞせんわいッ。つくつく世も末だと思ったのは、ベッカム様のブリーフを見ただか触っただかという女たちが誌面に喜色満面で登場していたことである。
美しい顔はベッカム様だけじゃないわよと、ムカッ腹を立てていた矢先、『週刊文春』から電話があった。
「内館さん、このたび文藝春秋からプロレスの本を出しましたね。ぜひ『週刊文春』の『この人のスケジュール表』というコーナーで、その本について話して下さい」
ああ、何と嬉しい依頼であろうか。世はサッカー、サッカー、ベッカムベッカムだというのに、『週刊文春』はマイナーなプロレス本に目を留めてくれたのだ。もっとも、私の女友達は、
文藝春秋から出した本だもの、『週刊文春』としては義理で依頼しただけよ」
と言った。ま……少しはそれも当たっているかもしれないが、私はめげない。ベッカム様や稲……稲なんだったかしら。カゴの中に何点も入れた日本人選手だけど、彼らに匹敵するほど美しい男がプロレス界にはゴロゴロいる。私は『週刊文春』でそれを高らかにぶちあげる使命感に燃え、その依頼をすぐに受けた。
何しろ、私の出したプロレス本のタイトルは、『プロレスラー美男子烈伝』である。私が実際にリングを観たプロレスラーを45人取り上げ、一人一人に漂う「男の美しさ」を論じた力作なのである。もっとも、先の女友達は「怪作」と言ったが、私はめげない。
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「プロレス」と聞くだけで、「野蛮な喧嘩」とか「あんなのショーでしょ」とか言う人もいるが、それはいけない。全然知らないのに、そういうことを言っては女を下げる。それは。大相撲をろくに観もせずに、
「女も土俵にあげろ」
と言う女性政治家や女性知事と同じレベルだ。私だってサッカーの本質について何か言うならば、サッカーを知ってから言う。今の私はトルシェとジーコの区別さえよくつかないのだから、せいぜい「ベッカム様の話はもういい」が許される限度だろう。