じじぃの「GHQのコントロール下にあった国会審議・自衛隊は違憲か?日本国憲法誕生」

日本国憲法誕生 2 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=CEYbrdaI98w

『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』 矢部宏治/著 集英社インターナショナル 2014年発行
GHQのコントロール下にあった国会審議 より
ところがいまだに、
「本当は日本人[民間の憲法研究会など]が書いた草案をGHQが英語に翻訳したのだ」とか、「草案を書いたのがGHQだということは認めるが、その後の国会審議の過程を通じて日本人自身が選びとったものとなったのだ」などと言う人がいます。
帝国議会で何十ヵ所も修正がなされたと聞いている。押しつけられたのは日本政府であって、国民ではない」などと言う人もいます。
気もちはよくわかります。自国の憲法を他国の軍部が書いたなんて、だれだって絶対認めたくないでしょう。私も最初に事実を知ったときは、大きなショックを受けました。
でもそうした意見もまちがいです。なぜならその「帝国議会での修正」のほとんどをおこなった衆議院憲法改正小委員会は、一般議員の傍聴も許されない非公開の形で審議され、その議事録は半世紀近く公開されませんでした。そしてようやく1995年になって公開されたその議事録には、議員たちの議論のなかで何度も速記を止めて、「その筋(GHQ)の意向」について話しあっていた事実が生々しく記されていたのです。(『帝国憲法改正案委員小委員会速記録』現代史料出版)
そもそもGHQ憲法草案を直前の1946年1月には、466人いた衆議院議員(解散中)のうち381人、なんと全体の82パーセントがGHQによって「不適格」と判断され、公職追放されていたのです。彼らは憲法改正を審議した第90回帝国議会(1946年6月20日 - 10月11日)の議員を選んだ、同年4月の総選挙に立候補することができませんでした。(『公職追放論』増田弘/岩波書店
これはマッカーサーが意図的におこなった処置で、新しい憲法を審議するための国会に旧体制派の勢力が残らないよう、徹底して排除していたわけです。
それなのにどうしてそれが、「日本人自身が選びとっともの」などと言えるのでしょうか。

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2007年4月放送 NHKスペシャル日本国憲法誕生』(DVD) より
7月27日、先ず、社会党の鈴木義男が提案します。それは第9条の前に、
 「日本国は平和を愛好し、国際信義を重んずることを国是とする」
趣旨の規定を挿入するというものでした。
鈴木義男、「戦争をしない、軍備をみな捨てるということは、ちょっと、泣き言のような消極的な印象を与えるから、申し出た趣旨なのであります」
戦争の放棄を日本人が自ら、積極的に宣言するようにしたい。鈴木の意見に賛同の声が挙りました。
これを受け、7月29日、芦田委員長が一つの試案を提示しました。芦田は軍備を禁止した第2項の、
「保持してはならない」という表現を自発的なものに変えるため、鈴木の意見を取り入れた、新しい文章を加えました。
 「日本国民は、正義と秩序とを基調とする国際平和を誠実に希求し、陸海空軍その他の戦力を保持せず。国の交戦権を否認することを声明す」
更に、1項と2項を入れ替え、2項の冒頭に、
「前掲の目的を達するため」と言う一文を追加しました。外交官出身の芦田は、戦前、軍部を批判する演説を行うなど、リベラルな政治家として、知られていました。
芦田均、「戦力を保持せず、交戦権を否認する。それを高らかに世界に宣言する」

8月1日、鈴木義男が1項と2項の入れ替えに違和感があり、元の順序の方が良いと指摘しました。それを受けて、進歩党の犬養健が発言します。
犬養健、「委員長が言われた文章は非常に良い文章だ。『前掲の目的を達するため』ということを入れて、1項、2項の仕組みは、そのままにして、それで、何か差し障りが起こりますか」
犬養の主張は芦田が付け加えた文はそのままにして、1項と2項の順序は元通りに戻すというものでした。
その時、芦田委員長が確認のために読み上げた条文は、一箇所だけ、言葉が変わっていました。それまで、「前掲の目的」とされていたものが、「前項の目的」と変わり、そのまま、委員会の修正案として承認されたのです。
芦田はこの時、ここで言う前項の目的とは、第1項冒頭に掲げられた、
 「国際平和の希求」を指すと説明しました。
しかし、芦田の説明とは別の解釈が出来ることに気付いた人物がいました。事務方として、審議に参加していた法制局の佐藤達夫です。
佐藤達夫、「こんな修正をすると、自衛のためには戦力は持てるというふうに司令部が解釈して、こんな修正は許さないと、きっと言うかもしれませんね。と芦田さんに言った覚えがあります。ああ、そんなことは大丈夫だよ。大丈夫だよ。そんな余計なことは心配するな、と言うような顔つきでしたよ」
佐藤が指摘したのは、
「前項の目的」が、第1項の「国際紛争を解決する手段としての戦争の放棄」を指すと読むことも出来る。その結果、それ以外の目的、つまり、自衛のためには戦力を持てると解釈出来るというものでした。
芦田は後に、この解釈と同じく、自衛力をもつことは認められていると主張します。
 「第9条
   日本国民は正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と武力による威嚇、又は武力の行使は国際紛争を解決する手段としては永久にこれを放棄する。
  前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力はこれを保持しない。国の交戦権はこれを認めない」

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どうでもいい、じじぃの日記。
2007年4月放送 NHKスペシャル日本国憲法誕生』DVD版 を観た。
日本国憲法GHQによって作られた草案をベースにしていて、「戦争の放棄」では日本の自衛戦争さえ否定したものだった。
1946年7月から衆議院の帝国憲法改正案委員小委員会で、「第9条」等に対する審議が行われた。
GHQ草案の「いかなる場合にも戦力を保持せず」だったが、審議の中で「国際紛争を解決する手段としての戦争の放棄」に変った。
つまり、憲法9条は「自衛隊」を正当な権利と認めているのである。