じじぃの「神話伝説_153_アーミッシュ(キリスト教集団)」

Living with the Amish 1 of 6 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=eoXG3__vL8A
アーミッシュ

パリ同時多発テロで妻を亡くした男性 テロに勝つために「私は憎まない」 015年11月19日 Huffingtonpost
11月13日に起こった同時多発テロで、パリ在住のアントワーヌ・レイリスさんは妻を亡くした。3日後の16日、彼はFacebookにこう書き込んだ。
「あなたたちの願い通りに憎しみを抱いたりはしません」
http://www.huffingtonpost.jp/2015/11/18/husband-of-paris-attack-sends-message_n_8589032.html
アーミッシュ ウィキペディアWikipedia)より
アーミッシュ(英語: Amish、ドイツ語: Amische)とは、アメリカ合衆国ペンシルベニア州・中西部などやカナダ・オンタリオ州などに居住するドイツ系移民(ペンシルベニア・ダッチも含まれる)の宗教集団である。
移民当時の生活様式を保持し、農耕や牧畜によって自給自足生活をしていることで知られる。原郷はスイス、アルザス、シュワーベンなど。人口は20万人以上いるとされている。

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キリスト教と戦争 「愛と平和」を説きつつ戦う論理』 石川明人/著 中公新書 2016年発行
キリスト教徒が抱える葛藤と矛盾 (一部抜粋しています)
2006年の秋、アメリカの小さな村にある学校に、銃を持った男が押し入った。拳銃、ショットガン、ライフル、そして大量の弾丸を持った彼は、少女らを監禁し、5人を射殺、5人に重傷を負わせ、自ららもその場で自殺した。
静かな田舎の学校で起きたこの惨事は、衝撃的な事件として報道された。しかし、事件そのものよりも、さらに人々を驚かせたものがある。それは、その被害者遺族や近隣住民たちの反応であった。殺された少女の家族らは、事件後すぐに「私たちは殺人を赦します」と言ったからである。それだけでなく、彼らは自殺した犯人の家族たちをも気遣い、ともに悲しみと苦悩を分かち合って、金銭的な援助までしたのであった。
このニュースは、アメリカのみならず世界各国に報道された。悲しみと怒りのなかにいるはずの被害者遺族たちが、犯人を赦し、犯人の家族をも思いやったということは、キリスト教的な愛の実践として、国内外の多くの人々を感動させたのである。
この事件が起きたのは、ペンシルベニア州のニッケルマインズという場所である。そこは「アーミッシュ」と呼ばれるプロテスタントキリスト教徒たちが住んでいる地域で、被害者を含め、近隣住民のほとんどはアーミッシュであった。アーミッシュび生活は、やや独特である。彼らは自動車もテレビも所有せず、公共の電線から電気をひくこともしない。インターネットも利用しないし、移動や運搬には現在でも場所を用いている。ただし、それには安全上の配慮からバッテリー式のライトを付けているなど、文明の利器を一切拒絶するのではなく、選択的に取り入れている、というのが実態である。
だが、このアーミッシュのこの事件に関しては、そうした点は直接的には重要ではない。ここで注目すべきは、彼らの絶対平和主義の姿勢である。それは大人たちだけでなく、子供たちにも徹底的に教育されているものであった。彼らは小さい頃から、自分にどんな害悪がおよぼされようとも、相手を赦すことが大切だと教えられているのである。この事件で犯人の男が教室に立てこもった時も、一番年上の少女は年下の子を守るために「私を最初に撃って」と言い、殺されたのであった。
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平和のためには、確かに「赦し」が必要だ。しかし、現実問題として、私たちの誰もが人を赦せるようになれるとは限らない。仮に地球上の多くの人がアーミッシュのように振る舞ったとしても、それで本当に、この世から戦争やテロはなくなり、平和になるのか。本当に「正義」が実現し、それが維持できるのかも、定かではない。そもそも、何をもってして「赦し」とするかについて、キリスト教徒の間でも理解はさまざまである。
キリスト教諸派は、いずれも平和主義を自称している。しかし、はっきり言って、現実のキリスト教徒の大半は、絶対平和主義者ではないし、純粋な非暴力主義者でもない。アーミッシュのこのエピソードに多くの人々が驚き、感動したのは、キリスト教文化圏でさえそれが珍しいものであり、普通ではありえない姿勢だったからに他ならない。