じじぃの「人の死にざま_1635_マーシャル・マクルーハン(文明批評家)」

Marshall McLuhan - The World is a Global Village (CBC TV) 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=HeDnPP6ntic
「メディアはメッセージ」 マクルーハンが予言した未来 月刊「事業構想」
「メディアはメッセージ」などの主張を展開し、「メディア」から社会の根底にある原理を読み解いたマクルーハン。インターネット時代を予見したようなその理論は、今なお独自の輝きを放つ。
http://www.projectdesign.jp/201411/mediaventures/001696.php
マーシャル・マクルーハン ウィキペディアWikipedia) より
ハーバート・マーシャルマクルーハン(Herbert Marshall McLuhan, 1911年7月21日 - 1980年12月31日)はカナダ出身の英文学者、文明批評家。メディアに関する理論で知られる。
もともと英文学教授であったが、メディアに関する理論の方が彼を著名にした。現在、メディア研究と呼ばれる分野において重要位置を占める存在のうちの一人とされる。

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『21世紀への遺書』 三石巌/著 立風書房 1994年発行
知――21世紀への相転移 (一部抜粋しています)
20世紀の産物の1つひとつに、メリットとデメリットの両面がある。歴史に責任を感じる人は、そのデメリットを見逃すまいとする。ここにもまた、20世紀人の資格の問題がでてきた。それは個々人の世界の広さの問題に帰着するだろう。20世紀人の世界は、19世紀人の世界よりも広くなければならない。それはウィトゲンシュタインの世界を指し、情報価値構造の広がりを指している。20世紀人の世界が、19世紀人の世界よりも広いという、歴史的な事実があるのではないか。
20世紀の産物の1つであるテレビには、世界を広げるうえで貢献があったという見方があろうが、ウィトゲンシュタインまたは私の世界を広げたとは思えない。現実は、単なる時間泥棒の役割だけしかもたない番組が、圧倒的なのである。
テレビ番組では、スポーツやエンターテイメントが幅をきかせる。そこに登場する人物は、原則として対他存在に属する。これは不条理な人間、あるいは非人間の温床となるのだ。テレビは灰皿製造装置だとサルトルならいっただろう。人気でもっている人間は、人気が落ちれば存在理由を失わざるをえない。
同じ放送メディアでも、ラジオはテレビに比べて脳の機能に依存する度合いが大きい。その意味において、ラジオをホットなメディアとし、テレビをクールなメディアとしたのは、哲学者マクルーハン(1911〜1980)の思想であった。文明の進歩と称する過程のなかで、知的能力への期待を縮小する方向のものが現れたのも、20世紀の特徴である。多くの機器がフールプルーフ(バカチョン)への傾向にあるのも、このたぐいの現象だ。フールプルーフでは、情報処理という大脳過程をハードウェアに肩代わりさせているのである。これは実生活上の利便をねらったものであって、不測の事故の防止に役立つことは期待できても、知的活動のサボタージュを許すことになる。これは、カメラから航空機・原発にまで及ぶ。大脳の負担の軽減という流れも20世紀の意味の1つであろう。