じじぃの「人の死にざま_1616_ソシュール(言語学者)」

哲学入門53 ソシュール 言語学 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=gt_dJvLKHPk
フェルディナン・ド・ソシュール

ソシュール言語学でいう差異の体系とは 2013/5/29 Yahoo!知恵袋
回答
言語は「世界の分割」です。
言語があるから、私たちは「ネコ」と「イヌ」とを区別できるし、虹が7色であるのを認識できるし、山と河を区別できるので、もし言語がなかったら世界は混沌としてしまいます。
私たちに、世界が多様に見えるのは言語のおかげです。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14107981629
フェルディナン・ド・ソシュール ウィキペディアWikipedia) より
フェルディナン・ド・ソシュール(Ferdinand de Saussure、1857年11月26日 - 1913年2月22日)は、スイスの言語学者言語哲学者。「近代言語学の父」といわれている。
記号論を基礎付け、後の構造主義思想に影響を与えた。言語学者のルイス・イェルムスレウ、ロマーン・ヤーコブソンのほか、クロード・レヴィ=ストロースモーリス・メルロー=ポンティロラン・バルトジャック・ラカンジャン・ボードリヤールジュリア・クリステヴァノーム・チョムスキーなど多くの思想家が、その影響を受けている。

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『本当にわかる現代思想 フシギなくらい見えてくる!』 岡本裕一朗/著 日本実業出版社 2012年発行
現代思想の源流となった7人の思想家 より
まず定番となった3人を考えることにしよう。1960年代のフランスで、しばしば現代思想の源流とされたのが、マルクスニーチェフロイトだ。彼らは「3人の懐疑の巨匠」と呼ばれ、一時期かなりブームにもなった。この3人の本を読んでなければ、現代思想は語れないという雰囲気だった。
しかし、マルクスニーチェフロイトは、それぞれまったく違う分野の思想家たちだ。マルクスは「資本論」を書いて経済学的分析をしたのに対して、ニーチェは「神は死んだ」と語ってニヒリズムを唱えた。またフロイト精神分析学をはじめ、医者として神経症の治療にあたった。
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ここに、ソシュールウェーバーハイデガーウィトゲンシュタインという4人を加えたい。表面的にみれば、ハイデガーを除いて、他の3人は「近代批判」を語っているわけではない。しかし深く読み解くと、彼らの思想は、明らかに近代批判に貫かれている。あるいは、近代を超える発想と呼ぶべきかもしれない。
たとえば、ソシュールウィトゲンシュタインを考えてみよう。この2人に共通している点は何だろうか。リチャード・ローティが有名にした言葉を使えば、2人の考えは「言語論的転回」と表現できるだろう。近代的な発想では、「意識」を中心に議論が展開され、言語はいわば副次的な役割にすぎなかった。ところが、ソシュールウィトゲンシュタインは「言語」を人間理解の中心と考え、近代的な発想を超えていく。この言語論的転回によって、2人は現代思想の開拓者となったのだ。
フェルディナン・ド・ソシュール 構造主義の始祖 より
フェルディナン・ド・ソシュールの「一般言語学講義」は奇妙な書物だ。これは、現代言語学の基礎を築いた記念碑的な書物であるだけでなく、フランスで1960年代から隆盛した構造主義の起点とされている。それなのに、この書物は、ソシュール自身がみずから出版したものではない。ソシュールの死後、弟子たちが彼の講義を編集してできあがったのだ。ソシュール自身は。構造主義の始祖と見なされるなんて、夢にも思っていなかったに違いない。ソシュール言語学のどんな考えが、構造主義につながるのだろうか。
ソシュール言語学を理解するには、対となったいくつかの概念を確認しておかなくてはならない。その1つが、ラングとパロールというカタカナ言葉である。ラングとは、日本語とかフランス語というような、一定の共同体で使われる言語だ。それに対して、パロールというのは、個々人が実践する発話行為と考えていい。私たちは日本語というラングを、パロールによって日々運用している。
もう1つ有名な概念が、シニフィアンシニフィエである。これは直訳すると、「イミするもの」と「イミされるもの」であるが、古くは「能記」と「所記」、最近では「記号表現」と「記号内容」と訳されている。たとえば、目の前にワンワンと吠える動物を指して、<イヌ>と叫ぶとき、音声となったのがシニフィアン(記号表現)であり、それによってイメージされる「犬」がシニフィエ(記号内容)だ。
ソシュール言語学の第1の原理となるのはシニフィアンシニフィエの関係が恣意的である、ということだ。じっさい、<イヌ>という音声と、イメージされる「犬」の間に必然的な関係はない。音声とイメージの結びつきは、社会的な習慣によって形成されたものであって、他の習慣があれば別の結びつきが生まれるであろう。じっさい、英語では<ドッグ>という音声によって「犬」がイメージされる。
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ソシュール言語学の意義は、構造主義の先駆と言うだけではない。それはさらに、近代的な原理そのものを超える視点を提供している。近代的な発想では、中心テーマとなったのは言語ではなく意識であった。言語が問題となるにしても、意識されたものを伝達する道具のような役割しか認められなかった。言語は、モノに貼りつけられるラベルのように考えられてきた。
ところが、ソシュール言語学では、恣意性の原理にもとづいて、世界をどのように切り分けるかが問題となる。世界には、あらかじめ決まった意味があるわけではない。むしろ、言語による切り分けの違いによって、異なる世界が現れるのだ。つまり、意識や知識の形成に対して、言語が深く関与しているわけである。言語は単に伝達のための道具ではなく、世界を理解するための本質的な契機となる。
さらに、言語を差異性の体系と理解することは、要素の独立性から出発する近代的な思考法と決定的に対立する。関係性を重視し、全体的なネットワークに着目した点で、ソシュールはまさしく現代思想の開拓者と言ってよい。