じじぃの「人の生きざま_567_川崎・敬三(司会・俳優)」

俳優の川崎敬三さん死去 「アフタヌーンショー」で司会 2015年11月24日 朝日新聞デジタル
大映出身の二枚目俳優で「アフタヌーンショー」の司会でも知られた川崎敬三(かわさき・けいぞう、本名陶山恵司〈すやま・やすじ〉)さんが7月21日、川崎市内の病院で死去していたことが分かった。82歳だった。葬儀は近親者で行った。
http://www.asahi.com/articles/ASHCS6J9YHCSUCLV00N.html
追悼 川崎敬三さん1985 お昼OP&ED 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=ekFghxxEz10
川崎敬三

週刊新潮 2015年12月10日号
墓碑銘 流行語を生んだ名司会 川崎敬三さん、長き沈黙の晩年 (一部抜粋しています)
姿を消して半世紀以上の原節子さんには及ばないが、川崎敬三さんもまた、姿を見せなくなって約25年が経つ。それでも記憶に残る俳優だ。
川崎さんはテレビ朝日系列の昼のワイドショー『アフタヌーンショー』の司会者として長く親しまれた。
同番組のレギュラー出演者だった芸能レポーター須藤甚一郎さんは振り返る。
「俳優の山本耕一さんがレポーターとして事件を説明するのですが、絶妙なタイミングで”ちょっと待って下さい、山本さん”と川崎さんが口を挟みます。川崎さんが山本さんの発言を手短にまとめたり、疑問点を指摘する。それを受けての”そぉなんですよ。川崎さん”なのです。臨馬感が増すかけ合いで、斬新でした」
漫才コンビザ・ぼんちがこのやりとりをパロディー化して流行語になったのも、番組人気があってこそだ。
1933年、神奈川県川崎市生まれ。本名は陶山恵司(すやまやすじ)。父親は洋服屋だったが、早逝。川崎さんは学業もそこそこに家族のために働き、進駐軍の雑務や店員など、20回以上も職を転々とした。
54年、大映のニューフェースに合格。山本富士子若尾文子の相手役を務めた。
「主役よりも2番手の二枚目役が実に多い。とぼけた味あいも魅力でした」(映画評論家の白井佳夫さん)
テレビでは江利チエミが演じる65年の『サザエさん』で、マスオさん役を好演、ドラマで重宝される人気者に。『アフタヌーンショー』の司会に就いたのは74年だ。
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85年、暴走族に女子中学生をリンチさせて、その模様を放送した番組ディレクターが逮捕される。出演者はやらせを一切知らなかったが、責任を取り降板すると、生放送中に川崎さんは宣言。
「打ち合わせでも全く触れていませんでした。ふだん、アドリブをなさらないので、突然の発言に局は大騒ぎになりました」(局アナウンサーの佐々木正洋さん)
番組はその2日後に打ち切られた。勧められて翌86年には宮城県古川市(現・大崎市)にあるホテルの社長に就任。実業家に転身したわけではなく、司会を請われると『新アフタヌーンショー』で再登場。やらせから約1年半では評価も厳しく、番組は半年ほどしかもたなかった。
90年のテレビドラマ以降、出演作がなく、この15年ほどは取材にも応じていない。
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7月21日、82歳で逝去。
「お仏壇の引き出しに遺書がありました。平成7年(95年)に書かれたものでした。親戚にも知らせるな、葬儀はするなという内容で、遺志に従いました」(妻の節子さん)
人嫌いか、気ままだったか。節子さんが送った喪中はがきで他界が明らかになった。