じじぃの「人の生きざま_566_根井・正利(遺伝学者)」

人類の進化

根井正利博士

『頭脳王』日本で最も優れた頭脳が決定! 2015/11/27  日本テレビ
【MC】福澤朗江角マキコ 【解説】竹内薫(サイエンス作家)、篠原菊紀(脳科学者) 【ゲスト】関根勤宮本亜門森公美子久保純子、吉村崇、SHELLY、ホラン千秋
【出場者】
「京大医学部の天才」、「数学オリンピック金」、「東大医学部の異端児」、「京大経済学部首席」、「東大工学部首席」、「慶応医学部の奇才」、「東大のIQ貴公子」、「全国模試総合一位」
いずれも劣らぬ頭脳の持ち主たち。一般人には理解不能な難問をあっさりと解答し、戦いを繰り広げていく。果たして、「頭脳王」の称号を手にするのは誰なのか。
問題
「ヒトとチンパンジーが進化の過程で分れたのは今から何年前か計算して答えなさい」(条件がある)

6.28 x 106年前 (628万年前)
正解者
東大のIQ貴公子 田村正資と京大医学部の天才 井上良の2人
http://dogatch.jp/news/ntv/36420
サイエンスZERO 「ZEROマガジン 第2号 大胆不敵!先端科学の革命児たち」 2014年2月2日 NHK Eテレ より
【司会】南沢奈央竹内薫中村慶子
今回は大胆な発想で先端科学に革命を巻き起こすユニークな研究者たちを特集する。生きた細胞で人形や編み物を作ったり、細胞をひも状に加工して病気の治療に役立てようという驚きの最新技術を南沢奈央が徹底リポート!
さらに「日本版ノーベル賞」ともいわれる京都賞を受賞した83歳の進化生物学者が登場。ダーウィンの進化論を超える、究極の「進化の数式」とは?
ダーウィンを超えた? 83歳 進化生物学者の挑戦】
2013年11月、科学や技術、芸術などの分野で著しい貢献をした人に贈られる「京都賞」の授賞式が行われました。
実はこの賞、日本版ノーベル賞ともいわれるすごい賞なのです。
今回受賞したのはこちらの「進化生物学者」。根井正利博士(83歳)。
根井正利博士の遺伝距離から人とチンパンジーが別れたのは約500万年前と導き出され、ほぼ考古学から推定された年代と一致しました。
根井博士、「進化の実証実験を行うような数学理論をたくさん作りまして・・・」
実はこの方、あのダーウィンの進化論を覆すようなこれまでとは違う進化論を生み出し、進化生物学の世界でその名をとどろかせている人物なんです。
なかでもすごいのが、生物の進化をこんなシンプルな数式1つで解き明かせるという大発見。
根井正利の遺伝距離
 D = -log (Jxy / √JxJy)
スタジオから
中村さん、「根井正利博士はペンシルベニア州立大学の教授として、研究をされています。根井博士のすごいところは論文の引用回数が18万回以上!」
竹内さん、「これはすごいですよ。世界の有名な科学者たちの中でトップクラスです。この式は生物進化のエッセンスを抜き出してきた究極の数式といっていいでしょう」
https://www.nhk.or.jp/zero/contents/dsp454.html
根井正利 ウィキペディアWikipedia)より
根井 正利(ねい まさとし、1931年1月2日 - )は日本の集団遺伝学者・進化生物学者
ペンシルベニア州立大学教授(the Evan Pugh Professor of Biology)・同大学分子進化遺伝学研究所所長。日本遺伝学会、日本人類遺伝学会名誉会員。最先端の分子生物学の知識を考慮しつつ、単独または学生との共同研究により分子進化の分野での新しい統計的理論を開発してきた。それとともに、進化理論に関するいくつかの新しい概念を提唱した。

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分子からみた生物進化 DNAが明かす生物の歴史 宮田隆/著 ブルーバックス 2014年発行
分子系統進化学とは何だろう より
1980年後半以降、分子で系統樹を推定する方法の発達と、それを取り巻く環境の整備によって、分子系統樹が急速に普及した。特に、大きな分類群の間の系統関係や太古の時代の生物進化への応用が盛んに行なわれるようになった。こうした生物の大進化に対して、形態進化の一般的な概念として「単純から複雑へ」という考え方がある。単純で小さな単細胞生物から複雑で大きな多細胞生物への進化がその1例である。
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信頼性が高く、現在よく使われている分子系統樹推定法に、最尤系統樹推定法、略して最尤法がある。この方法は、統計学で開発された最尤法を系統樹推定法に応用したもので、ジョセフ・フェルゼンシュタインが1981年に開発した。最尤法では、塩基あるいはアミノ酸の置換パターンから、可能な樹形ごとにアライメント配列データが実現する尤度を求め、尤度が最大になる樹形を選択する。
この方法は、比較的早い時期に開発されていたが、膨大な計算量になるため、なかなか実用化しなかった。1990年代後半になってようやく、コンピュータの高速化や系統樹推定法のコンピュータソフトウエアの普及などの環境が整備されたことによって利用者が増えた。
まだ最尤法の利用者が少ない時期から、長谷川政美博士はこの方法で系統樹推定を行っていた。特に彼は、推定された系統樹の信頼性に関する統計的検定法を開発し、最尤法の信頼性を高める上で大いに貢献した。
その他、簡便のためによく使われた方法として、ウォルター・フィッチによる最節約法や、根井正利博士と斎藤成也博士による近隣結合法など、いくつかの方法がある。岡田典弘博士は、適用範囲に制約はあるものの、DNAに散在する繰り返し配列を利用して系統樹を推定するユニークな方法を考案し、クジラとカバが近縁であることを示した。