じじぃの「猛威をふるう薬剤耐性菌・巨大トカゲの唾液を入手せよ!もう抗生物質では治らない」

[ScienceNews2014]薬が効かない!多剤耐性菌のナゾに迫る 動画 Youtube
https://www.youtube.com/watch?v=WNKpokudMoc
カルバペネム耐性腸内細菌

コモドオオトカゲ ( カラパイア HPより)

クローズアップ現代 「治る病気が治らない!? 〜抗生物質クライシス〜」 2015年11月17日 NHK
【司会】国谷裕子 【ゲスト】大曲貴夫(国立国際医療研究センター病院 国際感染症センター長)
細菌感染の治療に欠かせない抗生物質。新薬の開発が滞る中、「最後の切り札」と呼ばれる抗生物質「カルバペネム」まで効かない耐性菌(CRE)が登場し、使える薬がなくなるという危機感が高まっている。
中耳炎では、耐性菌により治りにくい患者が増加。NICUでは、母親が知らずに持っていた耐性菌が母子感染し、新生児が亡くなるケースも起きている。特に警戒されているのが、CREという腸内細菌の耐性菌。腸内に保菌しているだけでは無害だが、血液中に入って炎症を起こすと、使える薬がほとんどなく、世界中で死者が出ている。
http://www.nhk.or.jp/gendai/yotei/index_yotei_3734.html
ワニの血から強力な抗生物質 2008年4月9日 スラド サイエンス
ルイジアナ州McNeese State Universityの研究者らの研究によると、ワニの血中たんぱく質から強力な抗生物質を開発できる可能性があるそうです。この抗生物質によって、重度の火傷や糖尿病による壊疽の治療、また、従来の薬剤が効かない耐性菌に対しても使えるかもしれないとのこと。
http://science.srad.jp/story/08/04/09/0330246/
『もう抗生物質では治らない―猛威をふるう薬剤耐性菌』 マイケル・シュナイアソン、マーク・プロトキン/著、栗木さつき/訳 NHK出版 2003年発行
巨大トカゲの唾液を入手せよ (一部抜粋しています)
コモドオオトカゲはどうだろう?」スチュワートは提案した。
コモドオオトカゲ?」フレデキングはおうむがえしに言った。「いったいぜんたい、そいつはなんだ?」
スチュワートは、その世界最大のトカゲについて説明した。正直な学名はヴァラヌス・コモドエンシスといい、地球上にわずかしか存在しない。ほぼ周期的にヒトをえじきにする大胆不敵な大型の捕食者として有名だ。だが最大のえじきになっているのはヒトではない。成熟したコモドオオトカゲは、900キロの水牛を殺すことで知られている。このオオトカゲは、インドネシアのコモド島、フローレス島、リンチャ島などの島にだけに生息し、1億年も前に海を放浪していた巨大な水中爬虫類モササウルスの子孫である。コモドオオトカゲはよくえじきを追い詰め、むさぼり食うが、抗菌作用のあるペプチドの存在をにおわすような、もっと狡猾な殺害方法もとる。隠密ハンター、オオトカゲは、シカ、カニクイザルなどの哺乳動物を、その生息地で待ち伏せ、クロコダイルのように強力で大きな歯の生えたあごを武器に、通り過ぎる獲物の腹に突進していく。ところがたいてい獲物は傷を負いながら、逃げおおせる。というのも、このオオトカゲは、ほとんどが身長1メートル80センチの太った男性より重く、短距離しか走ることができないからだ。だが、オオトカゲはよく腐った死骸を好んで食べ、あごを有毒な細菌でしたたらせる。このオオトカゲに噛まれてから72時間後には、動物はその細菌によってもらたされた血液の感染症で命を落とす。そうすれば、ようやくご馳走にありつけるとばかりに、ふたたびオオトカゲが重そうに歩いてやってくるだろう。
コモドオオトカゲは致死性の唾液をもち、細菌だらけの腐肉を食べるのに、なぜそうした病原菌のすべてに免疫があるのだろうと、動物学者たちは長いあいだ首をひねってきた。それはなんにしろ、強力なるものであるはずだった。というのも、オオトカゲの歯は進化的な珍事としてとらえられているからだ。かみそりのように鋭く、サメの歯のようにのこぎり状のオオトカゲの歯は、ゴム質でおおわれている。あごがえじきをとらえ、口をさっと閉じれば、歯がゴムを切り裂いてでてくる。そこから、オオトカゲの致死性の唾液が、えじきの血液にはいりこむのだが、オオトカゲ自身は感染しない。
「十中八九」と、スチュワートはしめくくった。「コモドオオトカゲの細菌は、数百万年ものあいだ免疫システムと闘ってきたのだろう。そしてたがいに平衡をとろうと、双方の側がますます強力になってきたのだろう」

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どうでもいい、じじぃの日記。
2015年のノーベル医学・生理学賞に、北里大学特別名誉教授の大村智さんが決まった。
大村さんが微生物から発見・開発した「イベルメクチン」は、家畜動物だけでなく熱帯地方の風土病のオンコセルカ症の予防薬として使用され、世界で3億人の人々が病魔から救われたそうだ。
抗生物質は人間の細胞には作用しないで細菌、または成虫だけを殺す。
大村さんの発見・開発した抗生物質は微生物から見つけたものだったが、毒をもつ魚(フグの肝臓)、昆虫、ヘビやワニ、植物、キノコなどからも発見されているのだそうだ。
もしかしたら、毒屁を放つじじぃからも見つかるかもしれない。