じじぃの「歴史・思想_213_スーパー耐性菌・抗生物質が効かない未来」

Resistance Fighters - Official Trailer

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=jf7emYcYVw4

Streptococcus pyrogens bacteria.

抗生物質が効く時代はあとわずか......医療を追い詰める耐性菌に反撃せよ

2019年7月5日 ニューズウィーク日本版
大腸菌の特異な変異体のせいで体調を崩した患者が4人いる──米コロンビア大学(ニューヨーク)のアービング医療センターがそう発表したのは今年1月のこと。世間では話題にもならなかったが、感染症の専門家の間には衝撃が走った。
だからこそ、コロンビア大学で見つかった大腸菌には慎重に対処しなければならない。ここ10年、20年で、大腸菌は次から次とさまざまな抗生物質への耐性を獲得してきたからだ。
残された唯一の希望はコリスチンという抗生物質だが、あいにく強い副作用があり、腎臓や脳にダメージを与える恐れがあるため、誰にでも投与できるものではない。しかもコロンビア大学で見つかった大腸菌ではmcr-1遺伝子に突然変異があり、なんとコリスチンへの耐性も獲得していた。

「こうなると、もう有効な抗生物質は残っていない」。

そう言ったのはマサチューセッツ総合病院感染症科感染管理部門のエリカ・シェノイ。「これに感染した患者には打つ手がない」
抗生物質の登場前は、小さな切り傷や虫歯、些細な手術でも、感染症による死につながるリスクがあった。ペニシリンに代表される抗生物質のおかげで、そんな状況は一変したのだが、もはや抗生物質が奇跡の特効薬である時代は終わったようだ。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/07/post-12467.php

世界のドキュメンタリー 「不死身のスーパー耐性菌 抗生物質が効かない未来」

20年5月28日 NHK BS1
          原題:Resistance Fighters (ドイツほか 2019年)
各国の医療に脅威となっているのは、新型ウイルスだけではない。
人間がペニシリンを発見して以降、抗生物質に適用できるようバクテリアも進化を続け、病との闘いが危機に直面しているのだ。アメリカの畜産業界が“薬漬け”の飼料を使った結果、新種の耐性菌が世界に広まった例も指摘される。インドの妊婦の間にまん延する耐性菌の報告も。
●不死身のスーパー耐性菌 コリスチン
アメリカCDC(疾病対策センター)は、全米で新型コロナウイルスの感染者が急増する前のことし1月下旬から2月上旬にかけて、すでに人から人への継続的な感染が起きていた可能性があるとする報告書を公表した。
ウイルスの遺伝子を詳しく調べたところ、1月15日に中国・武漢からアメリカに帰国した感染者と同じ系統だったということで、CDCは1月下旬から2月の上旬にかけてすでに人から人への継続的な感染が起きていた可能性があるとした。
一方、同じ時期に発熱などで医療機関を受診した人の数に目立った増加はみられなかった。
CDCは感染拡大を抑えるために、新型コロナウイルスの感染者を発見するため、調査の態勢整備が必要だとした。
変異を続ける未知の細菌が、すぐそこに迫る脅威となっている。薬が効かない未来――耐性菌が世界に広がり、「わずかな傷が命取りになりかねない」と世界の医師は警告する。
各国の医療に脅威となっているのは、新型ウイルスだけではない。人間がペニシリンを発見して以降、抗生物質に適用できるようバクテリアも進化を続け、病との闘いが危機に直面しているのだ。アメリカの畜産業界が“薬漬け”の飼料を使った結果、新種の耐性菌が世界に広まった例も指摘される。インドの妊婦の間にまん延する耐性菌の報告もある。
多剤耐性菌の耐性遺伝子が病原菌に伝達されて生じる多剤耐性菌感染症の増加は医療への大きな脅威です。
なぜなら、感染症を治療するための有効な抗生物質が無ければ、もう治療の手立てがないからです。特に、抗生物質コリスチンは、大腸菌緑膿菌などのグラム陰性桿菌への殺菌作用を持ち、複数の抗菌薬に耐性を持つ多剤耐性菌に対する限られた治療薬の一つで、WHOが極めて重要な抗菌薬と位置付ける「切り札」です。
https://www2.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=001&date=2020-05-27&ch=11&eid=11664&f=253

『ウイルスと感染症

2015年2月10日 ニュートン別冊

感染症と免疫 続出する耐性菌感染

抗生物質がきかない二つの細菌「多剤耐性アシストバクター」と「NDM-1産生多剤耐性菌」の感染例が、世界中であいついで報告されている。これらの「耐性菌」は、病院で出現し、病院で感染を広げやすいという特徴があるという。これらの警戒されている病原菌は、どのようにして誕生し、まんえんするのだろうか?
https://www.newtonpress.co.jp/separate/back_medical-pharmacy/mook_150210_b.html