じじぃの「厭な老人・下着をつけたまま排泄するあの人・もう厭だ!厭な小説」

105歳スプリンター 京都の宮崎さん 「最高齢」ギネス認定 105-year-old Miyazaki sets world record in 100 meters 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=o4rrLLESyQU
もう厭だと言われて・・・

京極夏彦の小説「厭な老人」について、全く意味が分かりません。 2010/11/1 Yahoo!知恵袋
回答
「ところかまわず排泄し、下着にもべっとりと汚物をつける老人が家にいる。ボケているのではないかと友人たちはいうが、しかしそうではない。あの人はわざとやっている。わたしが厭がることをして、その様子を見て笑っているのだ。」
途中までは人妻の苦悩ですね。そして我慢も限界、堪忍袋の緒が切れて老人を殺します。この人の小説は、まっすぐ読んでも意味が伝わってこないです。斜めから見ないといけません。
「好きだけど嫌い」、「嫌いだけど好き」こう言う二律背反的な小説を書きます。
物事は表側だけ見ても何も分からない的な感じです。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1349632863
『厭な小説』 京極夏彦/著 祥伝社文庫 2012年発行
厭な老人 (一部抜粋しています)
「厭だ」
つい口に出してしまう。
本当に厭だ。
公然とは口にできない類(たぐ)いのこと――というあたりが余計に厭だった。
そのうえ、それはたとえ口に出さずとも、厭だと思っただけで必ずや罪悪感が喚起される――そうした類いのことでもあった。また日常的に直面し続けなければならぬ類いのことでもあったから、考えずに済ますこともできなかった。
だから私はいつも背徳(うしろめた)くて、そこがまた厭だった。
恒常的に胸に抱いているというのに、人前では言えない――その所為(せい)か、独りになるとつい口に出してしまうのである。
独り言うを言う癖など、まるでなかったのだけれど。
のみならず、私は物に当たるようになっている。厭だ厭だと思って見ると、何を見たって肚(はら)が立つものだ。少しでも巧(うま)く行かないことがあると、もう無性(むしょう)に苛々(いらいら)して、つい乱暴に振舞ってしまう。
洗濯物が物干しに引っ掛かる。
シャツが半分程度裏返っている。
引っ張るとピリッと音がする。
もう頭に来て、無茶苦茶に引っ張る。
取れない。
力ずくで引いても、まるで取れない。
丁寧に扱えばなんのことはないはずなのに。
乱暴にすればする程、物ごとは拗(こじ)れて行く。
解っている。解っているのだけれど――。
頭に血が上っている。
思いきり引く。
バランスを欠いた物干しがぐらりと揺れてそのまま倒れて来る。すっと血の気が引く。
その瞬間――私は冷静な判断力を取り戻す。
慌てて引き起こすが、もう遅い。取り返しがつかない。
拾い上げてみると案の定、くっきりと泥だか埃(ほこり)だかがついている。当然湿っているから払っても叩いても取れるものではない。そのうえ慌てたので、私は何着か踏んでしまっている。サンダルの跡がついている。
ほとんど干し終わっていたから、半分以上は駄目になってしまっただろう。
再び――頭に血が上る。
思い切り物干しを蹴飛ばして、それから洗濯籠(かご)まで蹴飛ばした。

                        • -

どうでもいい、じじぃの日記。
古本屋に寄ってみたら、京極夏彦著 『厭な小説』という本があった。まだ出版されて3年しか経っていない。
目次を開いてみると、
 厭な子供
 厭な老人
 厭な扉
 厭な先祖
 厭な彼女
 厭な家
 厭な小説
と、短編小説のタイトルが続いている。
「厭な老人」か。俺のようなヤツのことなのか。
しかし、たかが洗濯物のことでこんなに書けるものなのか。
続けて読んでいくと、
 それまでだって、下着に汚物が付着しているくらいのことはないわけではなかったのだ。あの人の年齢を考慮するなら、その程度のことは仕方がないだろうとも思う。食べ溢(こぼ)しでもお漏らしでも、多少の粗相(そそう)は已(やむ)を得まい。幼児がいると思えばいいのだ。大量のおむつの洗濯に比べれば楽なことではないか――と、そう思っていた。
 しかし、発見したそれは粗相と呼べるような量ではなかった。濡れたとかついたとかいうような状態ではない。まるで塗りつけたかのようだった。下着をつけたまま排泄し、一定時間を過ごしてから脱いで丸めたとしか思えなかった。
 しかも一度や二度ではなかった。
     ・
 私はもう一度あの人の下着を睨みつけた。
 見ているうちにふつふつと怒りが込みあげて来て、もう一度物干しを蹴った。
 ――もう厭だ。
だって。
「厭な老人」。俺もこんなお粗相をするのかなあ。