じじぃの「人の生きざま_546_ジョージ・ミラー(心理学者)」

マジカルナンバー7 記憶の法則 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=i1ix_zyUZ3s
魔法の数字7の話〜理想的なメニュー数 株式会社アーティス
「7」という数字には、ラッキー7など縁起の良さを感じる人も多いと思いますが、認知心理学上、この数字は人が一度に記憶できる残像のような要素の限界数を示す基準値として知られています。
正しくは、1956年に心理学者であるG.A.ミラー氏が発表した論文の中で、単純に短期記憶として、パッと一瞬に見たときに漠然と残る残像のような薄い情報を保存できる限界値として「マジックナンバー7(±2)」を表しています。つまり、記憶力の高い人でも、短期記憶上は、7+2=9つまでか、少ない人でも、7-2=5つ程度しか、認識できないということです。
http://www.artisj.com/column/021/index.html
ジョージ・ミラー ウィキペディアWikipedia)より
ジョージ・ミラー(George Armitage Miller, 1920年2月3日 - 2012年7月22日)は、アメリカ合衆国の心理学者。プリンストン大学教授。
ロックフェラー大学マサチューセッツ工科大学ハーヴァード大学でも教授をつとめ、オックスフォード大学ではフェローとして研究し、アメリカ心理学会の会長も歴任した。
彼は、短期記憶の容量が7±2であることを発見し、この研究は認知心理学の先駆けのひとつとなった。ユージン・ギャランター、カール・プリブラムとの共著「プランと行動の構造」は認知心理学の誕生を告げるマニフェストとも言われる。
また、概念辞書の先駆けであるWordNetプロジェクトを主導したことによって、言語学、計算言語学自然言語処理オントロジーなどの分野でも著名である。
1991年には、アメリカ国家科学賞を授与されている。
92歳没。

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『心をめぐるパラダイム 人工知能はいかに可能か』 西川泰夫/著 左右社 2015年発行
認知心理学の台頭 (一部抜粋しています)
話し手のしゃべったことを入力情報といい、電線を通して相手に伝わったことを出力情報という。これらの入出力情報が、ぴったり重なれば情報は正しく伝わったことになる。途中で減衰などの妨害を受けた情報は、元の情報に加えて雑音情報が加わったと表現できるだろう。伝達の正確さは、この雑音情報の含まれる程度如何であることになる。このことを表すSN比(signal to noise ratio)という概念がある。雑音が0であれば、入出力情報はぴったり重なり、SN比は高くなる。
では、こうした情報をいかに定義し、どのように計量可能な形で数値化したらよいのだろうか。
例えば、明日の運動会を楽しみにしている子供がいるとしよう。彼が真っ先に知りたいことは明日の空模様である。今でこそ天気予報の精度は上がり、正確な情報が手に入るが、昔はなかなか難しかった。テルテル坊主に明日の天気を託したのである。明日のことは予測不可能、どんな空模様であるかは明日になってみないとわからなかった。こういう時に、あらかじめ天気を確定してくれる情報がもしあれば、その情報価値は高い。つまり、事態が混とんとしていればいるほど、何らかの事柄(この例では明日の天気)を確定できる情報量が多いとみなすことができる。こうした観点から、情報量というものを規定することができる。
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かくして観察可能な行動から遡って、その行動を出力する見えざる過程を、このような情報の流れ図の個々の構成ユニット(要素、単位)に対応させて客観的に究明する道が開かれた。行動論に代わる、認知心理学の台頭である。そのはしりともいえる、実験的研究を紹介しよう。
G・A・ミラーの論文のタイトルにその実験結果が見事に示されている。それは「魔法の数、7±2」という。
この実験は、人をある種の通信路に例えて、その情報伝達容量を計測したものである。入力情報として、エビングハウスになぞらえて、無意味に並んだ何個かの数字列を呈示する。その記銘(記憶)の直後に、記銘した数字をそのまま出力(再生)するように求める。すると正しく出力された数字の個数は、7±2の範囲に収まるとわかった。
このことから人が情報を正しく伝達する可能な情報量は、個数でいうと5〜9程度、情報量に換算するとおよそ2.3ビットから3.2ビットの範囲ということになる。
これを直接記憶範囲、注意の範囲ともいう。この値は、ミラー以外の多くの研究者からも同様な結果が得られている。