じじぃの「神話伝説_135_ホセア(預言者)」

Hosea - Come Back to me 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=FB0TWvag_Ic
ホセア書 ウィキペディアWikipedia)より
『ホセア書』は、旧約聖書文書のひとつ。ユダヤ教では後の預言書に分類され、キリスト教では預言書(十二小預言書)に分類される。伝統的配列では、十二小預言書の最初、『ヨエル書』の前に配置される。

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ユダヤ教の本―旧約聖書が告げるメシア登場の日』 学習研究社 1995年発行
ホセア (一部抜粋しています)
アモス(紀元前8世紀の中ごろの預言者)が鋭い怒りと非難を人々に向けたのに対し、ホセアは愛と憐みを前面に押し出した人物である。アモスが繁栄の時代に預言したのに対し、ホセアはそれに続く混乱と衰退のときにかかっていることが影響していると考えられる。ホセアの名が「ヤハウェの救い」を意味しているのも預言の内容に符号している。ただし、北イスラエル王国に死んだ人ということ以外は家系も職業もまったくわからない。
ある日、彼は神の奇妙な声を聞いた。
「行け、淫行の女をめとり、淫行による子らを受け入れよ。この国は主から離れ、淫行にふけっているからだ」(1・2)
ホセアは淫行の娘ゴメルをめとり子供をもうけた。長男には罪のない犠牲者が殺された地の名、長女には「神が見放した」という意味の名、次男には「神の子ではない」という名がつけられた。これは淫行という言葉に神への背信を象徴させたものと考えられている。本来の神と信仰の形式を忘れて異教の祭祀と偶像崇拝にふけるのは、淫らな性交と同じだというのである。
ただ、ホセア個人の結婚生活とこれらの預言内容をどう見るかについては、研究者の間で説が分かれている。すべてを象徴あるいは比喩と見なす説から、すべてが現実に起きたと考える説まである。現実のドラマだとしてもゴメルの扱いについては、言葉通りの淫行の女と見る説から、神殿娼婦とする説。異教崇拝の女とする説まである。
続いて、「ホセア書」は、イスラエルがひどい罪に汚されているので、滅亡は避けられないことを悲しみと共に告げる。
「呪い、欺き、人殺し、盗み、姦淫がはびこり、流血に流血が続いている。それゆえ、この地は渇き、そこに住む者は皆、衰え果て、野の獣も空の鳥も海の魚までも一掃される」(4・2〜3)
そして、最後に神の愛と慈悲により回復と祝福が来るという預言で結ばれる。
「わたしは背く彼らをいやし、喜んで彼らを愛する。まことに、わたしの怒りは彼らを離れ去った」(14・5)
「ホセア書」の一連の関係については、淫行の妻をめとることを強制されたホセアが苦しみながらも神の心に従うことで、やがて救済に至るといちおうは説明されている。