じじぃの「人生とは織物に似ている・ゆらゆら椰子の実一つ!ラスト・ソング」

唱歌 ・ 椰子の実 "YASHINOMI" 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=zxT7q-AfJy8
H&M "The Breakup" - a story about garment life-cycle 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=41htZRvz9Gg
人生とは織物によく似ている

『ラスト・ソング』 佐藤由美子/著 ポプラ社 2014年発行
悲しみとの向きあい方――”椰子の実” より
グリーフ――聞きなじみのない言葉かもしれないが、この言葉はホスピスにおいては避けて通れないものである。
「グリーフ」とは、直訳すれば「深い悲しみ」や「悲嘆」を意味する言葉で、大切な人を失ったときに起こる身体上・精神上の変化を指す。死別はもちろんのこと、離婚などによって大切な人との関係が失われてしまうとき、引越しで慣れ親しんだ場所から離れるとき、職をなくしたとき、愛するペットが死んだときなど、さまざまな状況で私たちはグリーフを経験する。そして、グリーフとは喪失に対する自然な反応なのだ。
しかし、当たり前のことだが、このグリーフというものはつらく、厳しいものである。ホスピスは、日常的に誰かにとっての大切な命が失われていく場である。患者さん本人、患者さんのご家族、そして患者さんのお世話をしてきたスタッフ。みんなグリーフを体験することになる。
私たちはこの「死別」というある意味で最もつらいグリーフと、どのように向きあっていけばいいのだろうか。
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 名も知らぬ遠き島より
 流れ寄る椰子の実一つ
 故郷の岸を離れて
 汝(なれ)はそも波に幾月(いくつき)
 旧(もと)の木は生いや茂れる
 枝はなお影をやなせる
 われもまた渚(なぎさ)を枕
 孤身(ひとりみ)の浮寝(うきね)の旅ぞ
人生最後の旅――”Over the Rainbow より
音楽療法には、「回想法」というものがある。これは、末期の患者さんとのセッションにおいて、非常に重要な役割を果たす。
「回想」とは簡単に言えば、自らの人生をふり返って内省することだ。回想の過程では、さまざまな思い出やそれにともなった感情があらわれる。これは、死に直面した人にとっては自然な現象だ。
では、なぜこの回想に音楽を使用するのだろう。
このような経験はないだろうか。昔好きだった音楽を聴くと、当時の出来事や、そのとき感じた気持ちが鮮明によみがえる――。このように、音楽は私たちの記憶を自然に刺激してくれるのである。この力を利用して、患者さんの回想の過程をサポートすることを「音楽回想法」という。
考えてみれば、人生とは織物によく似ている。さまざまな経験や思い出という、一本一本色の異なる糸をつむいでいくことで、人生というかたちづくられていく。あるときは見惚れるほどにあざやかな色あいで、またあるときは暗く冷たい、落ち着きのある色調で。
いわば回想とは、このようにして織られた布を少し離れたところから眺めるようなものだ。織っているときには気づかなかった模様が見えてきたり、未完成の部分に気づいたりする。人は、回想によって自分の人生の意味を理解したり、やり残したことに気づいたりできるのだ。

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どうでもいい、じじぃの日記。
図書館の中で新刊書コーナーを覗いてみたら、佐藤由美子 著『ラスト・ソング』という本があった。
「考えてみれば、人生とは織物によく似ている。さまざまな経験や思い出という、一本一本色の異なる糸をつむいでいくことで、人生というかたちづくられていく」
人生とは一人一人違う織物を織ることである、とはいい表現だなあ。
ラストソング。『椰子の実』。
♪ 名も知らぬ遠き島より・・・
魂の軌跡。死んで、ふらふら、ゆらゆら、どこに行くの。