じじぃの「未解決ファイル_257_言語の遺伝子(FOXP2)」

アイとアユム (日本語字幕版) 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=UneaXXgExJU
ブローカ野 (言語中枢)

「知能は5歳児並み」世界一賢いオウム、アレックス死去 2007年09月13日 AFPBB News
アレックスは、ペッパーバーグ博士から100以上の英単語を教え込まれ、「僕は〜をしたい」「僕は〜に行きたい」など、目的語や目的地を入れた簡単な会話をすることができた。また、50の物体、7つの色、5つの形を認識し、数を6つまで数えることもできた。「彼は2歳児の感情と5歳児の知性を持っていた」と同博士は指摘する。
http://www.afpbb.com/articles/-/2282019
NHKスペシャル 「生命大躍進第3集 ついに“知性”が生まれた」 2015年7月5日
【番組ナビゲーター】新垣結衣
最終回の第3回は、私たちの“知性”の誕生の謎に迫る。悠久の生命史の中にあって、文明を持ちうるほど高い“知性”を持った生き物は、私たち人間・ホモサピエンスだけだ。どのような進化の物語の末に、私たちはこの“知性”を獲得できたのだろうか?
石器の道具を比較すると、技術格差が交代劇の原因であったことがわかる。この技術格差をもたらしたさらなる原因は、種として持っている学習能力の違いであったと考えられる。
言語能力に関しては、言語能力に必要なFOXP2という遺伝子の配列がヒトとネアンデルタールでまったく同一であることから、ネアンデルタールは言語能力を持っていたと考えられている。したがって、生存か絶滅かを決定づけたのは学習能力の違いであった。
マウスにヒト型FOXP2遺伝子を導入したら、大脳基底核シナプス可塑性と樹状突起のコネクションが増えたという驚くべき論文が発表された。
http://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20150705
言語の起源 ウィキペディアWikipedia)より
ヒトにおける言語の起源は広範に議論される話題である。それにもかかわらず、究極的な起源やその年代についての合意は得られていない。
物学的研究により、ネアンデルタール人ホモ・サピエンスと同じFOXP2対立遺伝子を持つことが分かった。それゆえ、ホモ・サピエンスのみに突然変異が起こったわけではない。むしろこのことは、この遺伝子上の変化がネアンデルタール人ホモ・サピエンスの分化に先立って起こったということを示唆している。

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『新・進化論が変わる』佐川峻/中原英臣/著 ブルーバックス 2008年発行
言語の遺伝子? FOXP2遺伝子 より
ヒトは言語を駆使し、火を使い、芸術や科学をもっているなどの点で、他の動物と違っている。これらの能力の相違が遺伝子の違いによるものかどうか、すなわち生まれつきの生物学的な違いによるものかどうかは、当然、興味をそそる研究対象となっている。
もしこれらの能力が特定の遺伝子、もしくは遺伝子のセットによるものであれば、その遺伝子をもつ生物はその能力があり、もたないものはその能力がないという、ある意味で非常に単純な結論が得られる。同時に、進化とは遺伝子の変化に他ならないので、その遺伝子が進化のどの時点で出現したのかという問題も生じる。
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ネアンデルタール人の脳の容積は1450立方センチメートルもあり、現生人の平均1350立方センチメートルよりも大きい。脳の大きさは非常に発達していたといえる。
この大きな脳からみて、ネアンデルタール人も言語をもち、文字を書いていた可能性がある。ネアンデルタール人は文字を残していないが、現生人も石や粘土板に文字による記録が残っているのは紀元前3000年ころからだから、残された記録がないからといって、ネアンデルタール人に文字がなかったとはいいきれない。
またネアンデルタール人がしゃべれたかどうかは、残された骨格からだけでは判定することはむずかしい。発声に必要なノドや舌などの柔らかい組織は化石として残らないからである。ただし、舌と喉頭の間にある舌骨がみつかっていることや、頭蓋の構造が比較的長い咽頭が可能な形になっているので、現生人ほどではなくとも、しゃべれたかもしれないという見方もある。
ネアンデルタール人は、私たちの直接の祖先であるクロマニョン人が残したような、各地の洞窟で発見された芸術性の高い絵画や骨などからつくった彫刻、装飾品などは残していない。石器を製作していたが、クロマニョン人のように精巧なものではなかった。
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言語が、進化史上または現在存在している多くの生物の中で、現生人だけの特有な能力によるものだとすれば、どのような遺伝子がこの能力を可能にしているのだろうか。仮に言語に関する遺伝子があったとしても、言語は、理解や発音など多様な能力の組み合わせだから、脳や発音に関係する骨、筋肉などに関係する複数の遺伝子セットのはずで、単一の遺伝子ではありえない。
いくつかあると想像される言語遺伝子の1つとして、最近、注目されているのがFOXP2遺伝子である。この遺伝子はある言語障害に関係があることからその働きが判明した。
カナダの言語学者ゴプニックは、ある特定の家系の人たち30人のうちの16人に言語障害があるという事例を報告している。この障害は、動詞の時制を間違えたり、複数形の使い方に現れたりする。
特定の家系に高頻度に出現するので、遺伝的な要素があることが想像された。そこで障害を起こす原因となっている遺伝子を探す研究が行われ、FOXP2遺伝子であることが突き止められた。この障害をもつ人は、FOXP2遺伝子の塩基配列が正常な人と1ヵ所だけ違っていたのである。これが言語に関する遺伝子の最初の発見となった。
FOXP2遺伝子は、他の遺伝子の働きをコントロールする転写制御遺伝子の1つであることも判明した。転写制御遺伝子は他にいくつもあり、FOX遺伝子ファミリーを形成している。FOXP2遺伝子がヒトだけがもっている遺伝子なら、これを言語遺伝子と呼べるが、じつはこれによく似た遺伝子はネズミももっているのである。
そこでFOXP2遺伝子がどのような働きをしているのか、ネズミで実験された。その結果、生まれる前のごく初期に、胎児の大脳皮質で多く働いていることがわかった。そしてFOXP2遺伝子がうまく働かないと、大脳の発達に障害が生じるのである。ヒトでは、それが言語障害という形で現れると推定される。
先に述べたように単一の言語遺伝子はありえない。またFOXP2遺伝子の異常は、言語障害を引き起こすだけではないこともわかっている。とはいえFOXP2遺伝子は、少なくとも言語に関係している遺伝子であることは確かである。この遺伝子は、ヒト以外の動物では言語以外の機能に関係しているが、進化の過程で他の遺伝子の変化を伴いながら、ヒトではついに言語のある機能を担うに至ったと考えられる。

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どうでもいい、じじぃの日記。
言語遺伝子という遺伝子が見つかったそうである。
「言語遺伝子の1つとして、最近、注目されているのがFOXP2遺伝子である」
人の優れた能力を1つ挙げれば、言語能力だろうか。
オウムのアレックス(2007年に死亡)は、かなり人間と会話ができたそうだ。
いるかや、ゾウにFOXP2遺伝子を組み込めば、人と会話ができるようになるのかなあ。