じじぃの「神話伝説_118_ヨセフ (旧約聖書・ヤコブの子)」

The Greatest Adventure - Stories From The Bible - Joseph & His Brothers 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=lqsgab_GhTc
  ヘブライ民族

ヨセフ (ヤコブの子) ウィキペディアWikipedia)より
ヨセフ(Joseph)は、『旧約聖書』の「創世記」に登場する、イスラエル人を大飢饉から救った人物。
ユダヤ人の祖ヤコブの子で、母はラケル。同母弟にベニヤミン、異母兄にルベン、シメオン、レビ、ユダ、イッサカル、ゼブルン、ダン、ナフタリ、ガド、アシェルが、異母姉にディナがいる。妻アセナトとの間にエフライムとマナセの2男を儲ける。

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『世界を動かすユダヤ教の秘密―マルコポーロを廃刊に追い込む圧力とは何か』 小石泉/著 第一企画出版 1995年発行
ここがイスラエルユダヤの違い (一部抜粋しています)
イサクは聖書の中でそれほど活躍していない。彼はいかにも2代目のぼんぼんであらゆるものに父アブラハムの祝福を受けている。イサクの、妻リベカとの嫁取りの話は美しい一幅の絵のようである。イサクにはエソウとヤコブと言う双子の兄弟が生まれる。エソウは兄だったが信仰の事には関心がなく、野原を駆け巡って狩りをすることにうつつを抜かしていた。一方、弟のヤコブは双子の弟の自分があらゆる面で兄の公人を拝するのが面白くない。当時の社会では長男は特別な地位にあった。神の祝福も格段に違うと考えられていた。ヤコブは何とかして兄から長男の権利をわが物としようとする。そして策略を持って、老齢となり目が悪くなった父イサクから長男の祝福をだましとるのである。
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ヤコブの子のうちヨセフはヤコブの最愛の妻ラケルが産まず女だったが癒されて生んだ子であった事から、ヤコブに特別に愛され、そのために兄たちの妬みを買い、奴隷として売られてしまった。ヨセフはエジプトに連れて行かれ、そこでエジプトの王ファラオの夢を言い当てる能力で宰相まで昇りつめる。現代ですら多くの国家の権力者は占い師や呪術師に頼る。まして3000年前のエジプトでヨセフの超能力は国家も支配するものであったが、もちろんこれはイスラエルの神の与えた賜物(カリスマ)であった。この時、エジプトを支配していたのは純粋なエジプト人ではなく北方から侵略してきたヒクソス人であったこともヨセフに幸いした。間もなく中東一帯に飢饉が起こった。ヨセフの夢判断はその飢饉のことだったから、十分に準備していたエジプトだけが食料に困らなかった。そのため兄たちはエジプトに食料を買いに来る。ここでヨセフは劇的に兄たちと会い、父と兄たちをエジプトのゴセンに地に呼び寄せる。イスラエル人はこの地で繁栄する。しかし、この繁栄は長くは続かなかった。間もなく異民族ヒクソスはエジプト人に滅ぼされ、支配階級だったイスラエル人は一転して奴隷となってしまった。それから約300年アンイスラエルエジプト人の圧制の下に呻吟することとなる。
とまあ、かいつまんで話してみると、なんとまあ波乱万丈、まるでどんな劇作家も考えつくないような絢爛たるストーリーではないか。これが本当にあったことなのだから、ユダヤ人の神様も大変にドラマチックな方である。しかし、物語はさらに豪華に展開する。実際、これほどスケールの大きな筋立てを、もし、考えた人がいたとしたら、それは正に大天才中の天才に違いない。さて、そこからあのモーセによるエジプト脱出のスペクタクルとなる。この辺はあのセシル・B・デミルの『十戒』でご存知だろう。
ところでこのヨセフはエジプトで死ぬのだが、彼を愛した父ヤコブは、ヨセフの出世にも動かされたのであろう、ヨセフの子エフライムとマナセを自分の子とする。孫を昇格させたわけである。そうするとイスラエルは13部族になる。しかし、この内レビ族は神殿に仕える祭司部族として抜けるので、12部族となる。
ヨセフはその出世は兄弟一だったが、父の家系を継ぐことはなかった。家系を継いだのは四男ユダである。その点は順序に従ったのだろうか。しかし、このヨセフの子エフライムの部族は後にユダに対するイスラエルの指導的役割を担う事になり、イスラエルはまたエフライムの家とも呼ばれるようになる。
ヨセフその人は聖書の中で唯一と言っていいほど欠点の書かれていない人であり、父に愛された子であり、兄弟の妬みで苦しみを受け、ついには当時の世界の頂点にまで昇り、兄弟たちがその足の下にひざまずき、窮状を救われ、繁栄の地を与えるという、不思議な人物である。ここからヨセフもイエス・キリストの雛形とされる。