じじぃの「未解決ファイル_252_がん治療・免疫チェックポイント阻害剤(ニボルマブ)」

Discovering the PD-1 Checkpoint: Winners of the 2014 William B. Coley Award for Tumor Immunology 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=B532URzuJOU
サイエンスZERO「登場!がん治療を変える新薬 免疫のブレーキを外せ」 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=etokuylfUSw
がん治療が変わる「日本発新免疫法」 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=yH2qV4BjMv0
免疫補助受容体PD-1を欠損させたマウスは自己免疫疾患を発症する

NHKスペシャル 「“がん治療革命”が始まった〜プレシジョン・メディシンの衝撃」 (追加) 2016年11月20日
日本人の2人に1人がかかる病、がん。その治療が根底から変わろうとしている。
進行した大腸がんを患う48歳の男性。再発を繰り返し手術不能だったが、ある薬の投与で腫瘍が大きく縮小。その薬とはなんと皮膚がんの治療薬だ。劇的な効果をあげたのは、がん細胞の遺伝子を解析し適切な薬を投与するプレシジョン・メディシン(精密医療)だ。今、7千人近くの患者が治験に参加。先進地のアメリカの事情とともに可能性と課題を追う。
大腸がんの男性が使っている薬は、免疫チェックポイント阻害剤と分子標的薬。この2つを投与しています。臨床試験を始めて2ヵ月後に検査を受け結果を聞くと、がん細胞の大きさがなんと43%も減っていたのです。
http://www.nhk.or.jp/docudocu/program/46/2586864/index.html
免疫のブレーキPD-1が、自然免疫反応の調節によって免疫難病の発症を抑制することを解明 2013年9月17日
京都大学 本庶佑(ほんじょ たすく) 医学研究科客員教授、竹馬俊介(ちくま しゅんすけ) 同助教、RUI YUXIANG 同大学院生の研究グループは、免疫のブレーキとして働く分子、PD-1を欠損したマウスを用いて、同分子が自己免疫疾患を抑制する新たな機構を明らかにしました。
この研究成果は、米国科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America)の電子版(米国東海岸標準時9月16日)に掲載されました。
http://www.kyoto-u.ac.jp/static/ja/news_data/h/h1/news6/2013/130917_2.htm
15年間諦めなかった小野薬品 がん消滅、新免疫薬 2014/10/24 日本経済新聞
「がん研究、治療を変える革命的なクスリだ」。
慶応義塾大学先端医科学研究所所長の河上裕教授は9月から日本で発売が始まった小野薬の抗PD-1抗体「オプジーボ」(一般名ニボルマブ)をそう評価する。
悪性度が高いメラノーマは5年後の生存率は1割前後という極めて危険ながんだが、米国、日本での臨床試験(治験)では「増殖を抑えるだけでなく、がん細胞がほぼ消えてしまう患者も出た」。
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO78790300T21C14A0X11000/
米国、免疫チェックポイント阻害剤ニボルマブを承認 2014年12月22日 自家がんワクチン
米国FDAは、がん免疫反応を強く促進する抗体医薬、ニボルマブ(商品名:オプジーボ)を悪性黒色腫に対して承認しました。32%の症例で悪性黒色腫が縮小したと報じられています。
ニボルマブは、元々日本で開発された、がん免疫反応を邪魔する反応(免疫チェックポイント)を抑える免疫チェックポイント阻害剤です。
http://www.cell-medicine.com/topics/2014/12/post-316.php
クローズアップ現代 「がん治療が変わる 〜日本発の新・免疫療法〜」 2015年10月27日 NHK
【司会】国谷裕子 【ゲスト】玉田耕治(山口大学教授)
日本人の2人に1人がかかり、3人に1人が命を落とすと言われる「がん」。
このがん治療が、大きな転換点を迎えている。画期的な治療薬、「免疫チェックポイント阻害剤」が登場したのだ。いわゆる免疫療法の一種だが、従来のものとは逆の発想から生まれた。これまでの免疫療法は免疫細胞の攻撃力を高める、いわばアクセルをかける働きが中心だったが、この阻害剤では免疫細胞にかけられた「ブレーキを外す」。他に治療法のなかった患者にも治療効果をあげることに成功した。地道な研究を新薬開発に結びつけたのは1人の日本人研究者だ。効果の持続が長く、幅広い種類のがんに適用できるということで、今や異例のスピードで薬事承認され、世界中で様々ながんへの臨床試験が始まっている。日本で生まれた新薬開発の道のりを紹介しつつ、今後の期待や残された課題に迫る。
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail_3723.html
サイエンスZERO 「登場!がん治療を変える新薬 免疫のブレーキを外せ」 2015年5月17日 NHK Eテレ
【司会】南沢奈央竹内薫 【ゲスト】玉田耕治 (山口大学医学部 教授)
「がん免疫療法」で、高い効果を上げる新薬「ニボルマブ」が承認されました。がん免疫療法は長く期待されてきましたが、実はこれまで、寿命を延ばすことが科学的に証明されて、日本で薬として承認されたものはなかったのです。この開発には日本人の研究者が深く関わっていました。そして、新薬のポイントは、免疫細胞の「ブレーキ」に注目したこと。どこが画期的だったのか、今後がん治療がどう変わりうるのか、詳しく紹介します。
http://www.nhk.or.jp/zero/contents/dsp505.html
どうでもいい、じじぃの日記。
5/17、NHK EテレサイエンスZERO』で「登場!がん治療を変える新薬 免疫のブレーキを外せ」を観た。
こんなことを言っていた。
PD-1は日本で生まれた
竹内さん、「これまでの免疫療法とは全然違いますね」
本庶佑京都大学大学院医学研究科教授)。日本を代表する免疫学者の一人であり、PD-1の発見から新薬「ニボルマブ」に深く関わってきました。
PD-1の遺伝子は免疫細胞のT細胞で働く遺伝子です。本庶さんがこのPD-1に注目したのには理由がありました。
実験ではT細胞が刺激されたときだけ、このPD-1遺伝子が非常に強く発現していたのです。
本庶教授、「通常はなくても何かいったんことがあるとグワッと出てくるというのは、何か非常に特殊な機能をしていることを推測させる」
この遺伝子の機能を調べるために、PD-1遺伝子が働かないようにしたマウスがつくられました。
生れたのは一見普通のマウス。変化は数ヵ月後にようやく表われました。
これは関節の顕微鏡写真です。右のPD-1が働かないマウスでは組織が乱れています。炎症を起こしているのです。
こちらの例では心臓が肥大しています。すい臓の細胞には黒っぽく見えているT細胞が大量に入り込んでいました。
PD-1が働かないと過剰な免疫反応が起きる。ということはつまり、PD-1に免疫のブレーキという機能があったのです。
本庶教授、「これはそんなに重篤ではない。バカーンと全部やっつけられるのではなくて、非常に弱いコントロールされた制御が行われていることを示している。だからやはりこれはちゃんとやれば臨床応用できるかもしれないと。その辺がひとつのターニングポイントです」
本庶さんは免疫のブレーキ・PD-1を抑えて免疫を活性化できれば、がん治療につながると考えました。
こちらはマウスの肝臓に転移したがんの様子を比較したものです。
PD-1の働きを抑える薬を使ったところ、がんの増殖が抑えられ、寿命も延びていました。免疫のブレーキを外すことががんの治療につながると証明されたのです。
このまま薬の開発に向けて動き出すかにみえました。ところが、
本庶教授、「治療に応用しようということを一生懸命に企業に話をもちかけたが、まったく冷たいというか乗り気になる企業が全くなかったのが実情。(なぜなら)がんの専門家はがんの免疫療法は眉唾モノだと考えていたと思う。僕はがんの専門家ではなかったのでやりたいと思った」
アメリカの科学雑誌論文の映像。
免疫チェックポイント阻害剤が一躍世界中から注目をあびたのは2012年のことでした。ある論文が発表されたのです。
研究ではPD-1を抑える薬を治療の手だてがないがん患者に使いました。
最初は3種類のがん「メラノーマ(悪性黒色腫)」「非小細胞肺がん」「肝臓がん」、そのすべてにこれまでにない効果があったというものでした。なかでも驚きなのはメラノーマについての結果です。
がんの大きさが変わらないか小さくなった患者が続出し、効果が年単位で持続していたのです。これまでの抗がん剤には見られなかったことでした。
この研究を発表したのはアメリカのジョンズ・ホプキンス大学。中心人物の一人であるドリュー・パードール教授はまず候補が40近くあったPD-1を抑える薬を新薬のものに絞りました。
しかし、ここでも研究は簡単には進まなかったと言います。がん研究者も医師たちも誰もが免疫療法に関することを信じていなかったため、患者を臨床試験に呼んでもらうことが大変だったのです。しかし結果は画期的なものでした。
日本でも並行してメラノーマについての臨床試験が進み、2014年7月に新薬ニボルマブは承認されました。
アメリカでは2015年3月にメラノーマに加え、肺がんでも薬として承認されています。
じじぃの感想
「これまでの免疫療法とは全然違いますね」
これは本物かもしれません。