じじぃの「神話伝説_68_ギルガメシュ(シュメール)」

Epic of Gilgamesh and the Great Flood 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=CmJEAw6LUxk
Biblical Flood Vs Epic of Gilgamesh Flood 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=C8iR7p5eSbQ
シュメール文明 「大洪水伝説」

大洪水時代Ⅱ〜ギルガメシュ叙事詩
このギルガメシュ叙事詩の舞台となったのがシュメールだ。紀元前3500年頃、メソポタミアで興った地球最古の都市文明である。ここで、「都市」とことわりがつくのは、「村」ならもっと古いものがあるから。アナトリア高原で見つかった「チャタル ヒュユク」だ。時代はなんと、紀元前8000年。灌漑農耕が行われ、小麦や大麦が栽培されていたという。この頃、古代エジプトでも農耕が始まったが、ナイル川の氾濫にまかせた天水農耕。人工的な灌漑農耕なら、たぶん、チャタルヒュユクが一番古い。
「地球最古の洪水伝説=ノアの方舟
が通説だった。ところが、それをひっくり返したのが「ギルガメシュ叙事詩」。しかも、その発見にいたる歴史は、小説や映画ようにドラマチックだ。
http://www.benedict.co.jp/Smalltalk/talk-143.htm
ギルガメシュ ウィキペディアWikipedia)より
ギルガメシュアッカド語: Gilgamesh)またはビルガメシュ(シュメール語: Bilgamesh)は、古代メソポタミア、シュメール初期王朝時代のウルク第1王朝の伝説的な王(在位:紀元前2600年頃)。
数多くの神話や叙事詩に登場するこの王は実在の人物であったと考えられている。
ギルガメシュ王は死後間もなく神格化され数多くの神話、叙事詩に登場する。そして『ギルガメシュ叙事詩』と呼ばれる一つの説話へとまとめられていった。これは今日最も知られているシュメール文学である。『ギルガメシュ叙事詩』は2000年以上にわたってメソポタミア世界で受け継がれ、様々な言語に翻訳された。
ギルガメシュ叙事詩 ウィキペディアWikipedia)より
主人公のギルガメシュは、紀元前2600年ごろ、シュメールの都市国家ウルクに実在したとされる王であるが、後に伝説化して物語の主人公にされたと考えられる。
19世紀にアッシリア遺跡から発見された遺物の一つで、1853年にホルムズ・ラムサンによって始めて発見され、大英博物館の修復員であるジョージ・スミスが解読を進め、1872年に『聖書』と対比される大洪水の部分を見つけ有名になった。始めのうちは神話と見なされていたが、その文学性に注目が集まり次第に叙事詩とされるようになり、19世紀末には研究がさらに進み、「ギルガメシュ」と読めることを発見しアッシリアギルガメシュであることを発表した。これ以後1900年の独訳を嚆矢に、各国語への翻訳が進み、各地の神話、民話との比較がされている。和訳は矢島文夫により完成し、1965年に山本書店から刊行された。

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メソポタミア文明入門』 中田 一郎/著 岩波ジュニア新書 2007年発行
ギルガメシュ叙事詩 (一部抜粋しています)
ここに登場する「ギルガメシュ叙事詩」は、新アッシリア時代に完成した標準版です。伝説上の英雄ギルガメシュ(シュメール時代はビルガメシュと呼ばれていました)を主人公にした「ギルガメシュと天の牛」「ギルガメシュとフワワ」「ギルガメシュの死」「ギルガメシュとエンキドゥと黄泉の国」「ギルガメシュとアッガ」の5つの短い物語が、既にシュメール時代に知られていました。このうち、最初の2つは古バビロニア時代成立した長大な叙事詩に組み込まれています。これにさらに手が加わって、新アッシリア時代に標準版が完成しました。標準版は、生と死の問題をテーマとした第一級の叙事詩となっています。
さて、ウルクの周壁の建設者ギルガメシュを称える賛歌の後、叙事詩はストーリーに入ります。主人公のギルガメシュは、都市国家ウルクの王でしたが、精力を持て余して日夜ウルクの市民を苦しめていました。これに堪えかねた市民が悲劇の叫び声をあげ、ついに天の至神アヌの聞くところとなります。そしてアヌの計らいでギルガメシュに劣らず勇猛なエンキドゥが創造されます。ギルガメシュにエンキドゥという好敵手を与えることによって、彼の精力を消耗させてしまおうというのがその狙いでした。
エンキドゥは、荒野で獣とむれ遊ぶ怪人として創造されました。やがてウルクの狩人が、獣をとるために仕掛けた罠を壊し、罠にかかった銃を逃がしているエンキドゥにでくわします。エンキドゥは、まるで野獣で、人間も人間が築き上げた文明も知りません。狩人の話を聞いた王ギルガメシュは、エンキドゥを遊女の魅力のとりこにして、ウルクに連れてくるよう命じます。こうして、ギルガメシュとエンキドゥの運命の対決となりました。2人の猛者は激しい格闘を演じますが、勝負がつかないまま2人とも精根を使い果たします。しかし、これが縁でギルガメシュとエンキドゥは無二の親友となりました。
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永遠の生命を求めての旅は、前回の冒険よりはるかに困難なものでした。途中、サソリ人間に出会い、ギルガメシュはその企ての無駄なことを諭されますが、なおも旅を続け、ついに1人の遊女の家にたどり着きます。ギルガメシュは、自分こそウルクの王、かつて怪物フンババを退治した英雄であると告げますが、頬はこけ落ち、ひげが伸びほうだいの姿では、容易に信じてもらえませんでした。彼は、放浪の旅の目的を話し、ウトゥナビシュティムの居場所を尋ねますが、遊女もまた、ギルガメシュの努力の空しいことを悟らせようとします。
ギルガメシュは、遊女からウトゥナビシュティムの船頭ウルシャナビのことを教えられ、彼を探し訪ねて、会うことができました。そして、ウルシャナビのお蔭で、「死の水」を越えて、ウトゥナビシュティムの住むところにたどりつきました。しかし、ウトゥナビシュティムもまた、死の不可解なこと、しかし、死が訪ねることだけは事実であることを語って聞かせます。ギルガメシュは、しかし、納得しません。そこで、ウトゥナビシュティムが語り出すのが有名な「洪水物語」です。ウトゥナビシュティムとその妻は、知恵の神エアのお蔭で洪水による人類絶滅の難を逃れたこと、暴挙を企てた神々もその悲惨さに自らの思慮の無さを悔い、二度とこのような洪水をおこさないと誓ったこと、誓ったこと、そして神々は、ウトゥナビシュティムとその妻の生存を喜び、2人に永遠の生命を与えて神々の仲間に迎え入れたこと、などなど。しかし、ギルガメシュに永遠の生命を与えるために誰が神々の会議を招集するのかと言って、ギルガメシュの願いの叶えられないことを諭しました。ギルガメシュは、ようやく自分の願いの叶えられないことを知って、帰途につきます。その際、ギルガメシュは若返りの薬草の所在を教えてもらい、帰路これを手に入れます。しかし、皮肉なことに、ちょっとした油断からこの薬草さえ失ってしまい、何の収穫も無くウルクへ戻っていきます。