じじぃの「神話伝説_47_グノーシス主義(古代の宗教)」

gnosis hypnosis 動画 Youtube
https://www.youtube.com/watch?v=wdH9elBllfM
グノーシス 闇と光のはざま 動画 Youtube
https://www.youtube.com/watch?v=tPXEcM1hfb0
ユダの福音書Ⅱ〜グノーシス
キリスト教グノーシス
今から2000年前、キリスト教正統派はこう説いた。
「世界は唯一絶対神が創造し、イエスキリストは人間の罪を背負うため降臨した」
一方、キリスト教グノーシス派はそのすべてを否定した。危機感をつのらせた正統派は、強硬手段にでる。グノーシス派を異端として糾弾し、その書をことごとく焼き捨てたのである。
キリスト教の教義は大きく2つある。天地創造の物語と、イエスの言行録だ。天地創造は、正統派の書が「旧約聖書」、グノーシス派の書が「旧約外典」である。一方、イエスの言行録は、正統派が「新約聖書」で、グノーシス派が「新約外典」。
■正統派 Vs グノーシス
つぎに、正統派とグノーシス派の主張の違いをみていこう。
【神について】
正統派によれば、
・この世界を創造したのは、唯一絶対にして全知全能の神である。
・神は、天と地、見ゆるもの、見えざるもの、すべてを創造した。
一方、グノーシス派によれば、
・この世界を創造した神(旧約聖書の神ヤハウェ)は、唯一絶対神ではない。
・全能にはほど遠い、無知で傲慢な劣位の神である。
 (全能の神が、こんな災いだらけの不完全な世界をつくるわけがない)
http://www.benedict.co.jp/Smalltalk/talk-131.htm
キリスト教ユング
父親が牧師であったということで、ユングは、いわゆる“正統派”なキリスト教に子どもの頃から慣れ親しんでいたと言えます。
しかし、最終的に彼は、「グノーシス」という、キリスト教の中では“異端”な思想にのめりこんでいきます。
http://www.j-phyco.com/category5/entry62.html
『仏教が好き!』 河合隼雄x中沢新一 朝日新聞社 2003年発行
ユンググノーシスに注目した理由
中沢――ユングが仏教へ接近していった1つのきっかけは、グノーシスでしょう。
河合――ええ、そうです。
中沢――これが「否定」の問題ともかかわってくるんですけど、グノーシスというのは「否定」の宗教ですよね。
河合――なるほど。
中沢――どのようにして発生したか考えてみても、地中海世界においてはローマが圧政をしいている時代、1、2世紀に生まれていた思想ですよね。当時、ギリシャ・ローマの考え方からすれば、「世界は依存しており肯定すべきもので、真善美に満ちている」わけでしょう。
ところがグノーシスというのは、「真善美に満ちた世界」と言われているものが自分たちにのしかかっていると感じ、それに対して「違うんですよ」と言ったわけですね。そのとき、グノーシスの思想と仏教の思想はかなり接近したんだと思います。
どうしてそういうことがおこっているのかと言えば、1つは、仏教がダイレクトにギリシャへ行っていたという考え方があります。すでに仏教が、ギリシャのなかで、1つの伝統としてあったんだという考え方ですね。のう1つは、「コスモスは、現世は正しいものである。真善美である」という考え方を力を持った人々から押しつけられて、これに反逆しようとした人々が、「違うんです」と言ってグノーシスをつくっていったという考え方です。
グノーシスの先生というのは、シャーマンに近い存在です。ギリシャ哲学の先生は明快なことを言いますが、グノーシスの先生は不気味なんですね(笑)。「否定」ばかりしているし、世の中で「これが当たり前」と言われていることを全部引っ繰り返してしまう。それで「いや、世界はそんなふうにできていない」といういやな言い方をするわけです。みんなが「この世界は素晴らしいじゃないか」と言ってこの世を謳歌しているところで、「いやいや、この世界は実はニセモノの神がつくったんです。ホンモノの神は隠れている。われわれはその隠れた神の知恵を身につけて、この世界に向かって、いや、これは違うぞと言いつづけよう」と言ってしまう、何か空恐ろしい先生なんですね。
ですからグノーシスの人たちのほうが、心理療法家にとってはクライアントに近い。当時の地中海世界のなかでは存在自体がクライアントだったでしょう。だから仏教と直接のつながりはなかったかもしれないけれども、表現としては同じ構造になってしまったんだとも言える。まあ、両方正しいんだと思うんですけど、キリスト教のなかでグノーシスの考え方が、深く棘のように突き刺さってしまい、それが一種の東洋的な「否定」の考え方をしてヨーロッパの精神史のなかでも消えなかったわけですね。
河合――だからユングは、まずグノーシスに注目した。そこからなら自分の考えを言えそうだと、ただ僕の場合はグノーシスから分かれて錬金術に行ってしまったんだけどね。
中沢――ちょっと不気味な側面が強いし。
河合――そう、そう。いずれにしてもこの丗に対して単純な全面肯定にならないところから話が始まるわけですね。「何やら怪しい」とか。