じじぃの「人の死にざま_1468_寺崎・英成(外交官)」

真珠湾攻撃

寺崎英成著 「昭和天皇独白録」

太陽に架ける橋 「マリコ、グエン、寺崎英成」

プライムニュース 「真珠湾攻撃を検証する “奇襲”の背景と波紋 日米の思惑と誤算とは」 2015年12月8日 BSフジ
【キャスター】秋元優里、反町理 【ゲスト】秦郁彦(現代史家)、柴山哲也(ジャーナリスト)、三浦瑠麗(東京大学政策ビジョン研究センター客員研究員)
日本軍によるハワイへの“奇襲”から8日で74年。この攻撃を機に、日本は太平洋戦争へと突き進んだ。だが、なぜ真珠湾攻撃が行われたのか、なぜ奇襲となったのかなどをめぐり、残された謎も多い。
山本五十六は最後まで対米戦には反対していた。その山本がなぜ先陣をきることになってしまったのか?
柴山哲也、「真珠湾攻撃を発案したのは山本五十六連合艦隊司令長官です。大正11年頃、米国で米西戦争の後ハワイを米国を奪取した。それについて日本が相当抵抗していた。ハワイの日系人が人種差別を受けていたことも頭にあった」
前編:http://www.bsfuji.tv/primenews/movie/index.html?d151208_0
後編:http://www.bsfuji.tv/primenews/movie/index.html?d151208_1
寺崎英成 ウィキペディアWikipedia)より
寺崎 英成(てらさき ひでなり、1900年12月21日 - 1951年8月21日)は、日本の外交官、元・宮内省御用掛。
【来歴・人物】
1900年、貿易商・寺崎三郎の二男として東京に生まれた。兄は、外交官・寺崎太郎。暁星中学より旧制一高を経て東京帝大法学部卒。1927年に外務省入省。1931年、ワシントンD.C.日本大使館在勤中に米国人グエンドレン・ハロルドと結婚。その後、上海、ハバナ、北京など在外勤務を経て、1941年に再びワシントンの日本大使館に赴任。情報担当の一等書記官として、野村吉三郎・来栖三郎両大使を補佐して日米交渉に当たった。日米開戦直前には、親電工作(ルーズベルト大統領から昭和天皇への親書発出工作)に奔走した。
柳田邦男『マリコ』の主人公のモデルであり、この作品は、1981年にNHKでドラマとして放送された(主演の寺崎役は滝田栄)。娘のマリコの家族が寺崎の遺品(保管していた文書類)から、昭和天皇が側近・侍従などを相手に、帝国日本の事情や開戦に至るまで経緯などが、率直に語られた記録(昭和天皇独白録)が、1990年に『文藝春秋』で発表され話題を呼んだ。
【関連書籍】
・寺崎英成・マリコ・テラサキ・ミラー編 『昭和天皇独白録、寺崎英成御用掛日記』(19・91年、文藝春秋、ISBN 4163450505)
・柳田邦男『マリコ』 新潮社 1980年、新潮文庫 1983年
・グエン・テラサキ『太陽にかける橋』 中公文庫

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文藝春秋 2015年1月号
昭和天皇独白録」 【執筆者】マリコ・テラサキ・ミラー 2つの祖国に伝えたいこと (一部抜粋しています)
「独白録」が研究や議論の対象になることについては、私はうれしく思います。政府における情報公開の原則は、例外を作るべきではありません。私たちは、厳正な誠実さを持って、日米両国の歴史を検証すべきでしょう。私たちの共通の利益のためにも。
私がこのようなことを話すとき、それは政府ではなく、国民に対する問いかけです。私たちは政府に真実や透明性を期待することはできません。しかし、政府に対して説明責任を果たすよう求めることはできます。見識ある民衆による悲観的な視線は、健全な統治には欠かせないものです。哲学者、ジョージ・サンタヤーナの言葉を言い換えるならば、
「過去の犯罪について学ぶことを許可されていない者は、同じ過ちを犯すように操作されうる」ということになるからです。
残念なことに日米両国は国家機密を拡大しており、それは民主主義の原則に明らかに反しています。これは私が愛してやまない両国における軍国主義の高まりと歩調を合わせています。私は、この危険で、国家間で互いに競う合うようにして高まる傾向に対して抵抗するよう、すべての人に呼びかけます。
私の両親は、日米の友好関係を育むために障害を捧げました。両国間に始まった戦争は、私の父、寺崎英成にとっては本当に手痛い敗北でした。彼は、日本の占領下の中国に、二度出張しています。彼は日本軍兵士の蛮行に心を痛め、そうした振舞いをめぐって軍の将校とよく衝突したといいます。一般の中国人への扱いのひどさには、私自身も恥ずかしく思いました。私のアメリカ人の母、グエン寺崎もそう感じたようで、回想録『太陽にかける橋』の中で綴っています。
大人になってからは、私はアメリカ軍がベトナムで犯した残虐行為についても同じように心を痛めました。私たちは、こうした出来事が起きなかったかのように振舞うことはできまえん。直視しなければなりません。私の父であれば、日本と周辺国の緊張関係をいたずらに刺激する靖国神社参拝をやめるよう安倍首相に忠告したことでしょう。
軍事ナショナリズムという悩みの種は、再び現実味を帯びてきています。イラクアメリカの侵攻によって破壊され、全域にわたって宗派対立を炎上させるに至りました。修正主義者は、アメリカでも勢いを増しています。ベトナム戦争で米軍が犯した「ソンミ村大虐殺」は「ソンミ村事件」として”名誉変更”がなされました。核恐怖の時代の到来を告げた広島と長崎での理由なき冷酷な行いについて、誠実に向き合おうとするアメリカ人は極わずかです。日本の都市への爆撃について知っている人はさらに少ないでしょう。しかし、日本人は覚えています。日本の軍事主義的修正主義者はこの事実をよくよく考えるべきでしょう。彼らはNHK幹部による最近の発言と靖国神社参拝がなぜ愚かしいのか、洞察することができるようになるはずです。