じじぃの「人の死にざま_1451_李・退渓(儒学者)」

李退渓 梅花詩帖 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=kQ8NMrr-lT4

1000ウォン札の肖像画 李退渓

「cool-hira 朱子学」画像検索
https://search.yahoo.co.jp/image/search?ei=UTF-8&fr=wsr_is&p=cool-hira%20%20%E6%9C%B1%E5%AD%90%E5%AD%A6&aq=-1&oq=

李滉 ウィキペディアWikipedia)より
李 滉(り こう / イ ファン、1501年12月24日 - 1570年12月24日)は李氏朝鮮儒学者。字は景浩(キョンホ)。号は退渓、陶翁、清涼山人、真宝人。李珥(栗谷)と並んで、朝鮮朱子学における二大儒と称される。
【思想】
李退渓の思想は明で盛んになった陽明学を退け、あくまで朱子学を尊重することで、朱子学の提要である「格物致知」の概念や「理気二元論」に基づいて、精緻で稠密な議論を展開する主理説に特色がある。
45歳頃になって『朱子大全』を入手すると、朱子大全の文章に没頭して、収録された朱熹の文章を抜砕して『朱子書節用』を編纂した。理想的な人格者、大儒学者として歴代の李氏朝鮮の国王や儒学者から尊敬を受けた。彼の学問は林羅山山崎闇斎・大塚退野などの日本の朱子学者に大きな影響を与えて、彼の『聖図十図』・『自省録』・『易学啓蒙伝疑』などの著作の大部分が徳川幕府下の江戸時代の日本で復刻されている。

                          • -

『逆説の世界史1 古代エジプト中華帝国の興廃』 井沢元彦/著 小学館 2014年発行
中国文明の力量と停滞 (一部抜粋しています)
世界の中では役人への賄賂が当たり前という国は少なからずある。しかし、そういう国でもファミリー単位で汚職し、不正蓄財をし、さらに海外へ逃亡しようという役人がこれほど多いというのは国、世界広しといえども中国以外はあるまい。
ちょうどこの稿を書いている時点で、中国の首都北京の大気汚染が極めて深刻になったというニュースが世界中に流れている。北京の大気汚染は天候によっては市民が外出すらままならなくなるというひどいものだが、なぜこんなことになったかというと、中国には「公」の感覚が極めて希薄だということがある。要するに、自分やファミリーが儲けるためには、自分の祖国である中国の環境がどんなに悪化しようと関係ない、ということだ。
それよりもまさに温家宝首相のように、自分の母親を資産家にすることの方が重要なのである。確かに欧米にもアジアにも環境を汚す企業経営者は存在する。しかし、彼らとて自分の国が人間が住めない環境になることまでは望むまい。だが、中国人にはそうしたことにまったく無頓着な者がいる。なぜなら自分の国の環境が汚染されれば、海外に逃亡すればいいからだ。国よりもファミリーの方があらゆる点で優先するという朱子学の教えに従うなら、国を失ってもファミリーさえ残れば問題はないということでもある。
おそらくこの辺で、鋭敏な読者の頭脳には2つの疑問が浮かんでいることだろう。
1つは、本当にこの中国の腐敗が朱子学による「孝」を極端に優先する理想に基づくものだと言いきっていいのかどうか、つまり共産主義など他に原因はないのかという点。
もう1つは、この「公」というものが極めて無視される中国でも、将来的に西洋型民主主義が定着すれば腐敗のない社会になるのではないかという、疑問というよりは希望であろう。
実は、この2つの問いに回答を得るための有力なサンプルがある。
それは大韓民国(the Republic of Korea、1948年〜)いわゆる韓国という国の現状である。
まず予備知識を述べたい。韓国という国は中国以上の朱子学国家であることをご存じだろうか? これは韓国人自身が認めていて、むしろ誇りにしていることだ。
李滉(イ・ファン、Yi Hwang、号は李退渓)という人物がいた。韓国人で朝鮮王朝時代の人だ。韓国人で李退渓を知らない人はいないと言っていいだろう。1000ウォン札の肖像にもなっているし、偉大なる朱子学学者として、韓国人は彼をたいへん尊敬している。多くの韓国人は「朱子学朱子によって始められたが、完成させたのは李退渓だ」と主張する。
韓国人の歴史自慢、特に「○○を最初に作ったのは我々韓国人だ」という主張には、うなずけないものが多くある。つまり、歴史的事実とかけ離れているということだ。しかし、「朱子学を完成させたのは李退渓だ」という主張は一理ある。彼によって朱子学がより精緻なものになったことは事実だからだ。
つまり、少なくとも韓国人自身が、ある意味で、中国人よりも朱子学の影響を受けたと自覚しているということでもある。
     ・
一体なぜそんなことになるのか? なぜファミリーがらみの汚職を根絶できないのか? それは「孝」という家族内道徳が公的道徳に優ると考える、朱子学の教えが未だに生きているからなのである。親族の1人が大統領になると、少しでも血のつながった親族は大統領に要求しにやってくる。「我々親族に便宜を与えよ」と。例えば、公共投資に対する利権を与えよ、あるいは、うちの息子を政府の高官として採用せよ、などである。