じじぃの「人の死にざま_1413_ニキータ・フルシチョフ」

キューバ危機から半世紀、当時を振り返る 動画 Youtube
http://www.youtube.com/watch?v=alSH3QvbTxw
Secret Cold War Bombers of the Americans and Russians (Full Documentary) 動画 Youtube
http://www.youtube.com/watch?v=1BW1Budq2to
ニキータ・フルシチョフ ウィキペディアWikipedia)より
ニキータ・セルゲーエヴィチ・フルシチョフ(1894年4月17日 - 1971年9月11日)は、ソビエト連邦の政治家、同国の第4代最高指導者。ソビエト連邦共産党中央委員会第一書記と閣僚会議議長(首相)を兼務した。民族的にはウクライナ人。
ヨシフ・スターリンの死後、スターリン批判によってその独裁と恐怖政治を世界に暴露し、非スターリン化に基づく、自由化の諸潮流をもたらした。対外的には、アメリカ合衆国を中心とする西側陣営と平和共存を図り、核実験を抑制しようとした。一方で中華人民共和国およびアルバニアと激しく対立し、またハンガリー動乱に際し軍事介入を行うなど社会主義国同士の紛争が目立った。

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『昭和史 戦後篇 1945-1989』 半藤 一利 平凡社 2004年発行
嵐のごとき高度経済成長 (一部抜粋しています)
昭和34年(1959)。海外の話になりますが、1月にキューバ革命が起きて、カストロが首相になります。これは世界の情勢を理解するために非常に大きなことです。どこの国家でも一番のウィーク・ポイントとなるアキレス腱といいますか、突きつけられた匕首(あいくち)というようなものがあります。日本の場合それは朝鮮半島ですが、アメリカにとってはキューバ。そのキューバが革命によって独立国をつくったのです。最初、カストロ政権はアメリカ寄りだと思ってにこにこ応援していたアメリカは、あにはからんや、とんでもないと気づいて幻滅し、「ヤツは共産主義者ではない。ただのファシストだ」とガンガンやりはじめます。が、そんなものはへでもありません。堂々たる共産主義国家の誕生であり、アメリカが常にノド元に匕首を突きつけられる事態となる。世界史の大きな分岐点ともなったといえます。
さらに9月14日、ソ連は初の月ロケットを打ち上げ、見事到着に成功します。そして15日、ソ連フルシチョフ首相がアメリカを訪問し、いいようにアメリカ国民をおちょくります。宇宙の競走でどんどんリードしていますから、ざまみろという感じで言ったセリフが、
「われわれはあなた方を葬(ほうむ)るであろう」
宇宙を制するものがこれからの世界を制すると大きな声で怒鳴った。そうアメリカは受け取ったのですが、実は「共産主義は資本主義より長く生きるであろう、だからあなた方のお葬式を出してあげますよ」の意味だったそうです。しかし「オレたちはリードしているんだ、アメリカなどくそくらえ」と解釈したアイゼンハワー大統領は、「何を言うかっ、クルックチョーフ君」、とやり返します。クルックには「ならず者」の意味があって、フルシチョフはカンカンに怒りました。いずれにしろ、キューバ革命もありますし、米ソ関係はますます険悪化、世界が緊張してゆくのです。アメリカは負けまいと宇宙開発はもちろん、軍事力強化にもより力を注ぐなか、いよいよケネディ大統領が出てくるわけです。
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世界では、あのたいへんなキューバ危機回避のあと、ケネディフルシチョフはお互いに親密感が湧いたのでしょう。8月5日、英国もあわせて部分的核実験停止条約に調印します。角(つの)突き合わすだけではなく、核戦争を起らないかたちでお互いに協調するところは協調し合わなきゃならないと歩み寄り、2人して冷戦状態を収めようとしたのです。これには米ソ両国とも軍事縮小につながるので、軍部をはじめ、猛反対派がたくさんいました。アメリカでは石油資本を握っている人たちも大反対しまし。ケネディは言いました。
「君たちは核爆弾が何発あれば十分だというのだ。相手をたたき潰すのに何メガトン要ると思うのか。もうこれ以上実験しなくても、いまあるだけの核爆弾で、1時間以内に3億人を殺せるんだ」
こうしてあらゆる反対派をおさえ、一方でフルシチョフも軍部や科学者に対して言います。
「君たちは有能な科学者だ。軍人だ。しかし、微妙な駆け引きを要する外交政策は、われわれに任せておいてくれたまえ」
こうして両方が責任の重大さを痛感し、とにかくも自国をおさえたのです。