100分de名著 般若心経 2/4 「世界は"空"である」 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=bn5u3b5SUyo
100分 de 名著 名著19 『般若心経』 2014年9月10日(2013年1月の再放送) NHK Eテレ
【司会】伊集院光、島津有理子 【語り】小野卓司 【ゲスト】佐々木閑(花園大学国際禅学科教授)
●世界は“空”である
世の中は、様々な複雑な要因がからみあいながら、常に移り変わっています。そして世の中の変化のすべてを、人間が完全に予測することはできません。
例えば気候変動にしても、宇宙や気象のメカニズムからある程度のことは予想できます。しかし次の氷河期がいつになるか、はっきりとしたことはいえません。つまり、人間は、何がいつどのような形で起きるかを、正確に知ることは出来ないのです。
古代インドの仏教徒たちは、この不確かな世の中をどうとらえるべきか、様々な考察をめぐらしました。その中から生まれてきたのが「空」の思想です。変化し続ける世の中の背後には、複雑すぎるがゆえに、人智が及ばない何らかの法則がある。その「見えない変化の法則」を「空」と呼んだのです。
「般若心経」は、私たちは「空」のもとで生きているとしています。そして人間が、どのような心構えで人生をおくるべきなのかを語っています。
番組では、日本人の心の原点ともいえる般若心経を読みときながら、「空」の思想を今どのように受けとめるべきかを考え、生きるヒントを探っていきます。
http://www.nhk.or.jp/meicho/famousbook/19_heart-sutra/index.html
どうでもいい、じじぃの日記。
9月10日、NHK Eテレ 『100分 de 名著』 第2回「世界は“空”である」を観た。
こんなことを言っていた。
時を越え、日本人に愛されてきたお経「般若心経」。第2回はその核心に迫ります。
それは「空(くう)」の文字に込められた思想。誰もが息苦しさを抱えている現代。「空」は、生きるヒントを教えてくれます。あらゆる思い込みを取り払い、心がふわっとなるものの見方を探しましょう。前回は「最強の262文字」というテーマでしたが、今日のテーマは中からまた1つの漢字です。
島津アナ、「世界は『空』であるというのが今回のテーマなんですけれども、『空』が分かれば澄み切った目と心で世の中を見ることができるということなんです」
伊集院、「漢字の一文字一文字はちっとも難しくないんですけど、何か響いてくるものがあります」
佐々木、「これは般若心経を代表する中心的な四文字熟語です」
伊集院、「でも色即是空は目にはするのに、ちゃんと書き下した意味を全然僕理解してないですね」
佐々木、「これは覚えていますか? 『受』『想』『行』『識』は前回言いました『五蘊(ごうん)』の残り4つですね。心の中の」
「五蘊」とは・・・人間が持っている5つの要素のこと
仏教では「私」という確固とした存在はなく、5つの集まりによって成り立っていると考えます。その5つの集まりの1つが「色」。肉体を表わし、あとの4つは心の働きを意味します。
佐々木、「私たちは実体を持ってるからそれを物質と呼ぶのですが、その呼んでいるものが概念だからそれも『空』だということになってしまう」
太陽は、朝東から昇り夕方には西に沈みます。すると、月が東から出てその月はまた日々形を変えていきます。満開の桜も僅か10日もすれば風に散ってしまいます。古代インドの仏教徒たちはそれを「空」と名付けたのです。
世界地図上に人や色々な動物、雲などが描かれたボードが出てきた。
佐々木、「ちょっとここのフリップをご覧頂くと、ここにはいろんな現象が絵になって描かれています。例えば雲から雨が降るというこれ1つの現象です。牛が草を食べて成長していくという生命現象がある。火山が火を噴く。これみんな我々の身近にある1つ1つの現象です。おそらく昔の人たちは。しかし、それがやがてその全ての現象の奥にある1つの法則で眺めてみたいという考えが生まれて法則性に全てを集約していくという動きができました。それの究極の形が科学です。自然科学です。例えば、相対性理論があったり、量子力学があったり。じゃあ、果たしてこの働きがどんどん進んでいった時には、『空』は何だと言われた時それは分かりません。説明はできません。しかしながら、全ての現象を統括している1つの大きな法則があるということを我々は感じることができる」
伊集院、「まず漢字の力ってすごいもので『空』って、何かこう空虚とか空間とか何にもないイメージにちょっと捉えてたんですけど、何もないのではなくて人間には到底届かないけれども存在はするみたいなことをまとめて『空』と」
佐々木、「何もないんじゃありません。あるけれども言葉でも表せないし人に伝えることもできない。ただそういうものがあると感じることしかできないような、しかし存在してるそういうものですね」
伊集院、「何でしょう。このワクワクする感じ」
島津アナ、「その私たちがまだ到達できてないけど、きっと何かあるのだろうというところを『空』とインドの人たちは言った」
喫茶店の一コマ。
男性1、「『空即是色』って『色即是空』の反対ですよね?」
男性2、「すべては移ろい行くからこそ美しい。コーヒーに溶けていくミルクは次々と形を変え、褐色の液体の中に白い繊細な模様を描いていきます。その変化するさまが美しいからつい、私はカップの中をじっと覗き込む癖があるのです」
男性3、「(写真を撮りながら)それ、何の話?」
男性2、「般若心経の言葉の意味をこちらの方に」
男性3、「俺も一度サラリーマン時代に読んだことあるよ。おかげで会社辞めてカメラを始めた」
男性1、「そうですか。私も辞めたんです、会社。今日」
男性2、「この世はすべて『空』だって言われたら、吹っ切れるよね」
男性3、「この窓から見える景色も常に変わっているから美しいんだよ。その中で心を奪われる瞬間に何度出会えるか。移ろい行く世界、その刹那に心を奪われてシャッターを切る。それが写真だから面白くて写真始めたんだ。これって『空即是色』だよね?」
男性2、「おっしゃるとおりです」
「空即是色」とは?
写真・・・連続して流れる時間の一部を切りとって捉えてみたいという人の思いの表れ
佐々木、「今のVTRに写真を撮るという話がありましたけれども、これは連続して流れるこの時間の流れを表せない全体の何かあるものを切り取って、人に示したい自分で見てみたい。それが芸術になります。こう考えてみますと人が何かをつくる創造するという働きの裏には必ず何か分からない大きな後ろにある『空』なるものを切り取って自分の手の中に捉えたいという思いがいつもあるように思いますね」
伊集院、「そう思うと、例えば引力というものを人間が知らない時も引力によって人間は立ってるじゃないですか。今日も立ってる。でリンゴは落ちるじゃないですか。ある日ニュートンが『これ引力だ』って発見して『空』の一部を切り取るじゃないですか。でもまだ絶大なる『空』はいっぱいあるんですけど。そうすると万有引力というのは少し前まで『空』だったわけで万有引力があるから立ってられるということは『空即是色』ということ? そういうことになりますね。そうやって考えると何か1つ1つのことがちょっとワクワクするのは分かります」
じじぃの感想
「連続して流れるこの時間の流れを表せない全体の何かあるものを切り取って、人に示したい自分で見てみたい。それが芸術になります」
「空」の一部を切り取って、発見し、感動する。これがワクワク感らしい。
やっぱり、お釈迦さまは違うなあ。