米谷民明
ファインマン・ダイアグラム
超弦理論 ウィキペディア(Wikipedia) より
超弦理論(superstring theory)は、物理学の理論、仮説の1つ。
物質の基本的単位を、大きさが無限に小さな0次元の点粒子ではなく、1次元の拡がりをもつ弦であると考える弦理論に、超対称性という考えを加え、拡張したもの。超ひも理論、スーパーストリング理論とも呼ばれる。
宇宙の姿やその誕生のメカニズムを解き明かし、同時に原子、素粒子、クォークといった微小な物のさらにその先の世界を説明する理論の候補として、世界の先端物理学で活発に研究されている理論である。この理論は現在、理論的な矛盾を除去することには成功しているが、なお不完全な点を指摘する専門家もおり、また実験により検証することが困難であろうとみなされているため、物理学の定説となるまでには至っていない。
米谷民明 ウィキペディア(Wikipedia) より
米谷 民明(よねや たみあき、1947年 - )は、日本の理論物理学者(理学博士)。東京大学名誉教授。
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『大栗先生の超弦理論入門』 大栗博司/著 ブルーバックス 2013年発行
「閉じた弦」は重力を伝える!
開いた弦の振動は、電磁気力を伝える光子が含まれていました。次は、閉じた弦によって現れる粒子です。
開いた弦では図(画像参照)のように、1つの弦が2つに分かれたり、2つの弦が1つになったりしますが、閉じた弦にも同様のプロセスがあります。こうしたプロセスは、1つの弦に着目すると、それが別な弦を放出したり吸収したりしていると見ることもできます。
1974年、当時まだ北海道大学の大学院生だった米谷民明は、ある弦が閉じた弦を放出して、別な弦がそれを吸収すると、どんな現象が起きるのかを調べていました。閉じた弦にもいろいろな振動状態が考えられますが、米谷はその中でもいちばん簡単な振動を考えてみました。このような振動をしている弦の放出と吸収によって、何が起きるのか――。米谷の発見は驚くべきものでした。2つの弦の間に、重力が伝わっていたのです。
電子が光子を放出して、別の電子がその光子を吸収すると、2つの電子の間には電磁気のクーロン力が伝わります。これと同様に、ある弦が振動している閉じた弦を放出して、その弦を別の弦が吸収すると、放出した弦と吸収した弦の間に、両者の質量の積に比例した引力が働くというのが米谷の発見でした。これにより、弦理論が重力を含む理論であることがわかったのです。
電磁場の理論を量子力学と組み合わせると、電磁波の粒である光子が現れるように、重力の理論を量子力学と組み合わせると、重力波の粒である「重力子」が予言されます。そして、電磁気が光子のやりとりによって伝わるように、重力は重力子のやりとりによって伝わると考えられます。