じじぃの「科学・芸術_270_ひも理論」

『9次元からきた男』予告編 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=B4VNRkbB8RI
高次元世界に関わるひも
(essay-hyoron.com HPより)

『マンガ超ひも理論 我々は4次元の膜に住んでいる』 川合光/著、高橋繁行/画 講談社 2002年発行
中学生から理解できる世界初のマンガ版!!
なんと、「キミがヒモからできている」「宇宙もヒモからできている」!! 最新・究極の物理学「超ひも理論」がマンガで簡単にわかる。この1冊でアインシュタインを超え、ノーベル賞に一歩近づける!!
スーパーストリング劇場 より
「レディス&ジェントルマン スーパーストリング劇場のはじまり、はじまり〜〜」
パチパチ、パチパチパチ。
超ひも理論の発端なる「ヒモ」モデルを初めて考案したのは実は日本人なのです。
その人の名は南部陽一郎。米国国籍の理論物理学者です。

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『なぜこの方程式は解けないか? 天才数学者が見出した「シンメトリー」の秘密』 マリオ・リヴィオ/著、斉藤隆央/訳 早川書房 2007年発行
ひものハーモニー より
歴史家は、一部の社会革命を、あとから見ると間違いだったと指摘したがる。ところが、20世紀に起きたふたつの科学革命は、間違いなく大成功だった。一般相対性理論は、光の天体による屈曲と、ブラックホールというつぶれた物体の存在と、宇宙の膨張を予言し、どれも観測で確かめられている。また量子論は、電気力学によって驚くべき精度で確かめられており、その最高傑作――標準理論――は、既知の素粒子の性質をすべて見事にとらえて予言した。だがここで問題がある。かたや、非常に大きい天文学的スケール(星、銀河、宇宙)で大いに成功している理論があり、かたや、非常に小さい原子以下のスケール(原子、クォーク、光子)でまた成功している理論があるのだ。ふたつのスケールの世界が接することがなかったら、それで問題はないかもしれない。しかし「ビッグバン」――非常に小さく詰め込まれた灼熱の状態――から膨張しだした宇宙では、一般相対性理論量子力学はどこかで必ず交わる。周期表の元素の成り立ちなど、多くの断片的な証拠が、大きなものもかつては小さかったことを示している。さらに、ブラックホールのように、天文と量子の両方の領域にわたるものもある。そのため、アインシュタイン一般相対性理論と電磁気を統一できずに終わったあと、多くの物理学者は、すべてを――一般相対性理論量子力学を――統一しようとかつてなく躍起になった。
さまざまな統一の試みに対し、従来より立ちはだかる最大の障害は、一般相対性理論量子力学が両立しないように見えるという単純な事実だった。量子論の核心をなす考えに不確定性原理があるのを思い出してほしい。どんどん拡大率を上げて位置を浮き止めようとすると、運動量(あるいは速度)の変動がどんどん大きくなる。そして「プランク長さ」という微小な長さを下回ると、滑らかな時空という前提自体が失われてしまう。この長さ(少数第33位に1があるとして、0.000……1センチ)によって、重力を量子力学的に扱わなければならないスケールが決まっている。これより小さなスケールでは、空間は一瞬たりとも変動をやめない「量子の泡」になる。しかし、一般相対性理論には、緩(ゆる)やかに曲がる時空の存在という根本的前提があった。要するに、「きわめて小さなスケールになると、一般相対性理論量子力学の中心概念が相容れずに衝突してしまう」のである。
量子論一般相対性理論を統合する)量子重力理論の現時点における最有力候補は、なんらかのタイプの「ひも理論」のようだ。この革命的な理論によれば、素粒子は、標準模型から考えられるような、内部構造をもたない点状の存在ではなく、振動するひもの微小なループになる。こうしたとてつもなく細い、輪ゴムのようなループは、あまりにも小さすぎて(プランク長さのオーダーで、陽子の約1000億分の1しかない)、現在の実験による分解能では点にしか見えない。ひも理論の中心的考えの素晴らしさは、既知のすべての素粒子を、同じ基本的なひもが見せる振動モードの違いにすぎないとみなすところにある。バイオリンやギターの弦がはじき方によって違う倍音を出すように、基本的なひもがさまざまな振動パターンを生み出し、ひとつひとつのパターンは、電子やクォークなど、それぞれ違う物質粒子に対応する。同じことは、力の運び手にも言える。グルーオンやWおよびZ粒子のようなメッセンジャー粒子は、さらに別の倍音に相当する。簡単に言うと、標準模型のあらゆる物質粒子と力の粒子は、ひもが演奏できるレパートリーの一部なのだ。しかし圧巻なのは、ある形態をした振動するひもが、「グラビトン」(重力子)――重力のメッセンジャーと考えられるもの――と厳密に一致する性質をもつとわかったことである。これにより初めて、自然界の4つの基本的な力が、とりあえずはひとつ屋根の下に収められた。