じじぃの「人の死にざま_1401_トマス・ヤング」

RGB HD 動画 YouTube
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Attacus atlas 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=qlNZZir3B-M
ヨナグニサン / Attacus atlas

トマス・ヤング ウィキペディアWikipedia)より
トマス・ヤング(Thomas Young, 1773年6月13日 - 1829年5月10日)は、イギリスの物理学者。
14歳の頃から語学に才能をみせた。
1792年にロンドンで医学の勉強をし、1794年にエディンバラからゲッティンゲンへ移って、1796年に医学の学位を得た。1800年にロンドンで医師を開業する。
1794年、王立協会のフェローに選出される。1801年に王立研究所(英語版)の自然学の教授になり、医学の面では乱視や色の知覚などの研究をした(ヤング=ヘルムホルツの三色説)。また視覚の研究から光学の研究にむかい、光の干渉現象を再発見して(ヤングの実験)光の波動説を主張した。
弾性体力学の基本定数ヤング率に名前を残している。ほかにエネルギー (energy) という用語を最初に用い、その概念を導入した。
音楽では、鍵盤楽器の調律法のひとつであるヤング音律(ヴァロッティ=ヤング音律とも呼ばれる)を1799年に考案し、翌年発表した。これはウェル・テンペラメントの中でも調性の性格がよく表れ、かつ不協和音が最も少ない調律法であり、理想的な音律として評価する専門家もいる。現在でもヴィオラ・ダ・ガンバのフレッティングが容易なためヴァロッティ音律とならんでバロック・アンサンブルで多用されている。
またロゼッタ・ストーンなどのエジプトのヒエログリフの解読を試みたことでも知られる。

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『眼の誕生――カンブリア紀大進化の謎を解く』 アンドリュー・パーカー/著、渡辺政隆、今西康子/訳 草思社 2006年発行
色素 (一部抜粋しています)
ある晩ぼくは、シドニー港のフェリーに乗って帰宅する途中で、ヤングの三原色の理論の正しさを目の当たりにした。港を取り巻く大小さまざまな高層ビルが、こぞってネオンをきらめかせていた。その光が水面に反射するさまは、まるで鏡に映したようだった。ところが、ぼくはおやっと思った。反射光には、ネオンサインにはない色が現れているではないか。ネオンサインを灯したさまざまなビルの反射像が、水面のさざ波によってかき混ぜられていた。赤色と青色のネオンサインが水平線上で重なると、ぼくの眼には紫色の反射光しか見えなかった。
異なる色の絵具をパレット上で混ぜてしまわずに、点描する技法は、19世紀末のフランス印象派の画家たちが好んで用いた手法である。カミーユピサロの「農家」には、農園の門を通る農夫の姿が、田舎の家並みを背景に鮮明に描かれている。ところが近寄って眺めると、何が何だかわからない絵になってしまう。あの家並みはどこへやら、赤、青、黄色の点の集合にしか見えない。再び離れたところから眺めると、赤と青が混じり合い、紫色の煙突が浮かび上がる。離れた距離からでは、眼は赤と青の点を別々には知覚できず、隣り合う赤と青の点がひとつの画素(ピクセル)となって眼に映るのだ。
これと同じような現象は、自然界にも存在する。
ヨナグニサンは、ディナー皿ほどにもなるガである。その巨大な翅(はね)には黄土食と灰色の模様がある。そうした色は、鱗粉の色素に由来している。絵具や服などの色素は、白色光のなかの特定の波長の光だけを吸収する分子である。いったん吸収された波長が眼に届くことはない。太陽光スペクトルに含まれているそれ以外の波長の光は、色素から反射されたり、色素を透過したりする。われわれが眼にするのは、そうした波長の光なのだ。ちなみに動植物のもっとも一般的な色は色素によるものである。それらは色素を含んでいるのだ。
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カラーテレビの画面を間近から見てみよう。スイッチを入れると、青・緑・赤の「点」の集合が見える。そうした個々の点がたえず、別々に、明るさを変化させることによって、画面の映像が移り変わってゆく。ここに、ヤングの三原色の原理がはたらいている。新聞の白黒写真は、白地に黒い点を等間隔に配してできている。ちょうど、ヨナグニサンの翅が、黒と白の鱗粉によって灰色に見えるのと同じ原理である。個々の点の大きさしだいで、その部分の灰色の濃淡が決まってくる。カラーテレビ画面の映像も、多数の点で構成されている。青・緑・赤の3種類の点が、大きさではなく明るさを変えることによって、全体の色調をいかようにも変化させられるのだ。