じじぃの「人の死にざま_1309_シェレシェフスキー」

Solomon Veniaminovich Shereshevskii

ソロモン・シェレシェフスキー 澤口俊之流の天才教育を学ぶ
皆さん、ソロモン・シェレシェフスキーという人をご存じでしょうか。記憶の天才と呼ばれる人です。
この人はノートもメモも取らずに一字一句正確に記憶することができ、一度覚えたことは決して忘れることがなく、0歳からの記憶を死ぬまで保持していたと言われています。
http://www.sampldiet.com/08/0009.html
ソロモン・シェレシェフスキー ウィキペディアWikipedia)より
ソロモン・ヴェニアミノヴィチ・シェレシェフスキー (Solomon Veniaminovich Shereshevskii, 1892年 - 1958年) は、完璧な記憶力の持ち主として「記憶術師シィー」の名で有名になったラトビア出身のユダヤ人。
【人物】
・記憶の天才として知られる。
・ノートやメモなどを取らずに一語一句正確に記憶することができ、またいつでもそれを思い出すことができた。
・シェレシェフスキー自身が、音に味覚や色や線・飛沫のような単純な形を感じたり、文字・数字に色や明暗・質感・形などを感じたりすると語っている。
・よって、その特異な能力は、五感すべてが連結された極度の共感覚の持ち主だった故、すべての事象を視覚像化するなどして印象を強めていた(像的・共感覚的思考)ことに起因するとされている。

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『記憶のしくみ(上) 脳の認知と記憶システム』 ラリー・R・スクワイア、エリック・R・カンデル/著、小西史朗、桐野豊/監修 ブルーバックス 2013年発行
陳述記憶 (一部抜粋しています)
ロシアの神経心理学者であるアレキサンダー・ルリアは、後にステージメモリスト(舞台上で凄い記憶力を見せる芸人)となったD・C・シェレシェフスキーという名前の新聞記者について詳細な研究をおこなった。ルリアは、1920年第の中頃から約30年間、幼いときから本質的に無限の記憶容量を持ったこの男性の非凡な記憶能力を詳細に記録した。シェレシェフスキーは単語や数字、さらには無意味な音節であっても、それらの長いリストを聞いて、聞いている間にそれぞれの項目を心に思い描くために3、4秒間の時間があれば、そのあと間違えずに全リストを復唱することができた。あるときに、一連の文字と数字を、30ぐらいの要素を含む数学の公式としてあたえたところ、彼はその場でその公式を正しく再現し、そしてそれから15年後に正しくそれを再現したというのだ。
シェレシェフスキーが、すべての知覚的印象に応答して付随的に生じる強力な心的イメージを利用することによって、驚くべき記憶能力を発揮することを、ルリアは発見した。たとえば、言葉が視覚的印象を呼び起こしたり、またときには、味覚や触覚をも呼び起こしたりした。ルリアが稀にリストからひとつの項目を抜かす場合、それは、記憶に失敗したからではなく、認識や集中力の不足によるものであった。たとえば、ある場所に、シェレシェフスキーはなぜリストから鉛筆(pencil)と卵(egg)という単語を抜かしてしまったかという理由を述べている。彼が用いているテクニックは、心の中で、いくつかのよく知っている通り道に沿ってそれぞれのイメージを配置し、そしてその道に沿って再び歩くことでイメージを回復するというものである。
「私はフェンスの近くに鉛筆(pencil)のイメージを置いた……。しかし、そのイメージとフェンスが融合してしまったので、通り過ぎてしまった……。同様なことが卵(egg)にも起こった。私は卵を白い壁の前に置いたところ、卵と壁が混じり合ってしまった……。どのようにして、白い壁の前で白い卵を見つけられようか?
 今は、私はイメージをもっと大きくするようにしている。卵(egg)という単語を考えてみよう……。今、私はそれより大きいイメージとし、建物の壁の前に置いて記憶するとき、その場所が、すぐ近くに街灯を置くことによって、照らされるように取り計らう」
彼は驚異的な記憶力という利点を持っているにもかかわらず、多くの深刻な欠点があった。シェレシェフスキーの知覚した出来事の印象の1つ1つがとても鮮明で豊かであったため、出来事間の共通点を抽出することや、一般的な概念を把握して全体像を形成することは困難だった。かなり速いペースで物語を読み聞かされたとき、付随意的に生じるイメージによって妨害される中で、意味を確定しようと苦労するのである。異なるコンテクスト(文脈)や異なる意味を有する言葉や節が出てくる場合には、ときに難しい。暗喩や詩も、彼には理解できない。彼の記憶は、枝葉末節的な細部の山であり、個々のイメージがきわめて強いので、いくつかの互いに関連する経験に共通する規則性に焦点を当てるための組織化をおこなうことができなかった。