じじぃの「脳を使って脳を考える・リカージョンと入れ子構造!単純な脳・複雑な私」

How Recursion Works 動画 YouTube
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仏教の本質 哲学者「中村元 動画 YouTube
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『単純な脳、複雑な「私」』 池谷裕二/著 ブルーバックス 2013年発行
「脳」を使って「脳」を考える――リカージョンと入れ子構造 (一部抜粋しています)
なぜ、僕らが「心」を不思議に感じてしまうのか、その原理について、もう一歩、踏み入ってみよう。フィードバック回路の特殊なタイプである「リカージョン」の効果を考慮すると、その核心が見えてくる。
そもそも、僕らが「脳はどんなしくみなんだろう」と考えるとき、そう、これが連続講義のテーマだよね、でも、この問題について考えるとき、その奇妙な姿勢に気づかない?
ここには自己言及の構造があるでしょ。「脳」を考えるとき、当たり前だけど、自分の「脳」を使って「脳」を考えているよね。このロジックの利点、あるいは落とし穴には、気をつけないといけない。
――――自分で自分を……。
そう、こういう構造を「入れ子構造」と言うね。あるモノの中に同じモノが入っているという構造、英語では「リカージョン(recursion)」と言う。日本語だと「再帰」と訳すのかな。
脳においては、このリカージョンがポイントで、脳は考えるし、その脳をまた脳が考える。つまり「リカージョン=再帰」する。
ロシア人形のマトリョーシカを知ってるかな?
――――人形の中に人形が入っているヤツ。
そう、木製の人形を開けたら、中に自分とそっくりな小型の人形が入っている。その人形を開けるとさらに小型のよく似た人形が出てくる……それが何個も出てくる。あれと似ているね。
通常のフィードバックでは、情報が一旦は外に出て、それが再び自分に戻ってくるんだけど、リカージョンは、出力先がダイレクトに自分自身だよね。直接的フィードバックだ。さて、リカージョンがあると何ができるか。脳がリカージョンできるという能力は、いろいろな側面で役立っている。たとえば僕らは数を数えることができるよね。<数える>という行為はリカージョンだね。わかるかな?
僕らは 1 + 1 = 2 と覚えている。動物でも高等哺乳類ならば 1、2、3、4 という数字の並びを認識できる。でも、彼らは「1は1」「2は2」「3は3」というふうに、数を独立して覚えているようなんだ。本質的な連続性がない。
「3は2の次の数字で、2は1の次の数字」という、繰り込みな相関の中で、「数字」を捉えることができるのはヒトだけみたい。
つまり、リカージョンとして数字を捉えるのはヒトだけだということ。

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どうでもいい、じじぃの日記。
先日、図書館のなかで新刊書コーナーを覗いてみたら、『単純な脳、複雑な「私」』という本があった。
パラパラ、めくってみたら、「リカージョンと入れ子構造」があった。
リカージョンか。懐かしい言葉だ。コンピューターのプログラムにあった。リカージョン=再帰プログラムとは、プログラムの中で自分自身のプログラムを読むことだ。
「木製の人形を開けたら、中に自分とそっくりな小型の人形が入っている。その人形を開けるとさらに小型のよく似た人形が出てくる」
複雑な脳とは、脳が自分の脳を読むことなのかもしれない。そして、無限という存在に気がつき、有限な世界を理解する。そして、人や社会に対して寛容になる。
頭のいい人とはこんな脳を持っている人なのかなあ。