じじぃの「ブリヂストン美術館で開催中のカイユボット展に行ってきた・モネの睡蓮!絵画の進化論」

WATER LILIES - MONET - VIRTUAL GALLERY Agaigio For Strings 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=Jdj84IVwv7w
ART&MUSIC - Monet, Tchaikovsky (1) 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=10QA4Z1QQlo
ブリヂストン美術館で開催中の「カイユボット展」に行ってきました。

ブリヂストン美術館「カイユボット展」サイト
ブリヂストン美術館のコレクションは、主に印象派から近代、現代美術です。「カイユボット展」でもブリヂストン美術館所有のマネ、モネ、ルノアールセザンヌなどが一緒に展示されていました。
モネ作 「睡蓮」。

  
『絵画の「進化論」 写真の登場と絵画の変容』 小田茂一/著 青弓社 2008年発行
「水」を分節したモネ (一部抜粋しています)
滑らかな薄描きの「筆致」でかたちを表現する。15世紀以来、描くこととは筆の後を残さない柔らかさによって画面を構成することであった。そんなスムーズな質感で、神聖さ、美しさ、説得力などといった要素を画布に盛り込んでいった。これが、ヨーロッパ絵画の伝統からみた価値のある描写法であった。しかし19世紀後半になると、それとは正反対に、数えることができる明瞭な一筆一筆によって描こうとする画家たちが出現した。「筆触」という単位を画面の構成要素とする絵画の誕生である。
モネは、かたちが定まらない水や大気といった対称の、光のなかの一瞬の表情に関心をもった。そして、忠実に画面に写し取ろうと、その見え方を突き詰めていくなかで、伝統の手法では意図どおりに表現しきれないものを感じた。モネは、この限界を打ち破ろうと試みた。モネがとった方法、「筆触」による表現は絵画に変革をもたらし、その内容を根底から変えていくきっかけとなった。アカデミズムが支配するサロン(官展)へ出品する作品の構想を求めてパリ郊外セーヌ湖畔の夏の行楽地ラ・グルヌイエールでピエール=オーギュスト・ルノアール(1841 - 1919)と画架を並べて描いたときの水面の描写としてこの新しい「水」の表現は始まった。
     ・
水面描写への新機軸となる手法を発見し、ひそかに試み始めることを通じてモネは、それから4年後には、画面全体が大気と水面で覆われている記念碑的作品『印象 日の出』(1873年)へと至ったのである。その後モネは、色彩を細かく分節化して描くこの手法によって、生涯にわたって水面や大気とそれに接する事物の姿を捉え続けていくことになった。
イギリスの美術史家ケネス・クラーク(1903 - 83)は、「モネの技法は性質の題材にのみふさわしく、しかもその題材の範囲は狭く限られていた。彼は水に映える太陽と雪に映える太陽さえあれば、プリズム的ヴィジョンとか光をきらめかす筆触を存分に買う役させることができたのである」と記した。
ケネス・クラークは、モネが新しい表現を特殊な題材だけに限定して実現しているというのである。しかしモネの描写法は、一瞬時の光を反映して揺らぐ水面を「筆触」によってとどめようとした描写に始まり、積み藁へ、睡蓮やカテドラルの壁面へと、さまざまな事物を大気の層を通して可視化する一貫した表現になっている。そして晩年に向けては、画面全体を水面が埋め尽くし、フォーヴィスムを思わせる大胆な筆触による『睡蓮 柳の反映』(1916 - 19年)、あるいは、展示壁面全体を水面で覆い尽くすオランジュリー美術館(パリ)の睡蓮の「連作」などに見られるように、しだれ柳も、太鼓橋も、バラの小道も何もかもが抽象的にも見える作品へと深化していったのである。その豊饒な色彩を放つ画面は、見る者にある種の安らぎを覚えさせてくれる。
そしてさらに、モネの筆触の手法は、スーラ、ゴッホへと受け継がれ、特殊な性質の題材だけに適用される手法にとどまらず、すべての事物の描写方法へと敷衍(ふえん)されることになった。そして、20世紀絵画の表現スタイルの根幹をかたちづくったのである。

                        • -

どうでもいい、じじぃの日記。
先日(24日)、日本橋にあるブリヂストン美術館で開催中の「カイユボット展」を観に行ってきた。
カイユボットは名前も今まで知らなかったのだが、一緒に当時の印象派の画家たちの絵も見られるからだ。
カイユボットの作品で、パリの街並が描かれたのがいくつかあったが、絵に描かれたパリと現代のパリ(写真で見る)はほとんど同じようだった。
大好きなモネの「睡蓮」の絵が2つほど展示されていた。
「睡蓮」の花が東洋的な花なのか、この絵を見たら、安らぎを覚えた。
たまには、こんな1日もいいものです。