じじぃの「科学・芸術_189_パリの美術館・ポンピドゥー・センター」

ポンピドゥーセンター 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=EcU0B9lwbPA
Musee d'Orsay Gogh

ポンピドゥー・センター フランス観光 公式サイト
建築家レンゾ・ピアノリチャード・ロジャースによるエスカレーター、エレベーター、配管を全て外に出した斬新な建築がパリの中心地現れたのが1977年。
毎年20近い専門分野別、又はテーマ別の特別展が開催され、スペクタクル、音楽、ダンス、演劇、パフォーマンス、映画といったプログラムも充実しており、異なる分野間の相互作用が追求されています。
http://jp.france.fr/ja/discover/34969
『パリ・フランスを知るための44章』 梅本洋一大里俊晴、木下長宏/著 赤石書店 2012年発行
美術館 ポンピドゥー・センター、新ルーヴルそしてケ・ブランリ (一部抜粋しています)
パリには美術館が、実にたくさんある。ルーヴルやポンピドゥー・センターのような大きな美術館のほかに、クリュニーのような僧院を美術館にした中世美術の専門館、19世紀美術のオルセー美術館やカルナヴァレのような歴史博物館、数え上げれば際限がないし、どれもじっくり訪ねてみたい。訪ねるともう1日があっという間に過ぎていく。
個人の作家を記念した美術館も豊富だ。モネの睡蓮の絵を円形の部屋に嵌めこんだオランジュリー(最近、昔の姿を再建)。ピカソの作品を集めたピカソ美術館。それぞれ、作品そのものを観る楽しみのほかに、その展示の仕方や建物のあり方なども考えさせられたりして楽しめる。ロダン美術館もロダンの旧宅を美術館にして公開したものだ。ドラクロア美術館やギュスターヴ・モロー美術館、ブールデル美術館も、それぞれの画家や彫刻家のアトリエと家をそのまま美術館にして公開している。ピカソロダンの美術館と比べてずっとこぢんまりしているが、小さくてもとても味わいがあり、パリへ行ったら素通りすることはできない。
ルーヴル美術館は、世界でも最大級であるだけでなく、世界最古の美術館のひとつである。ルイ14世をはじめ歴代のフランスの王室のコレクションが、一般に公開される「美術館」としてスタートしたのは、フランス革命(1789年)のときだ。
ルーヴル美術館をめぐる歴史は、世界における美術館の歴史を象徴している。コレクションは増大し整備され、1977年ポンピドゥー・センターができると、20世紀美術のコレクションはそちらに移管された。1879年代に入るとオルセー美術館設立が準備され、ルーヴルにあった19世紀美術館が移された。
ポンピドゥー・センターは、それまで200年にわたって営まれてきた「美術館」のあり方を根本的に変える革命的な現代美術館として登場した。美術館は、神聖な芸術作品を保管し展示公開するところという一般通念を、この正式名「ジョルジュ・ポンピドゥー・芸術文化センター」は打ち破ってみせた。確かに美術館はその中心(地下6階地下2階のうち4階と5階は「近代美術館」)なのだが、3階が図書館(非常に充実している)、1階、2階、地階に各種の展示スペース、シネマテークや子どもアトリエ、現代音楽センター(IRCAM)などのほか、レストランやショップも備えており、その建物の外観と構造がもう誰でも知っているように開放的なのだ。つまり、作品の展示と保管だけではなく、教育、研究、実験、出版、娯楽(飲食・散策を含めた観光行為も)といった日常の延長線上にある活動施設として登場したのである。
石造りのパリの街並みの中に、青や赤にべったり塗られた工場風の建物は当初論議を呼んだが、すでにパリの象徴のような顔をして観光客をいちばん多く集める名所となった(そのプロセスは、ポンピドゥーに観光客動員数を抜かれて2位となったエッフェル塔とよく似ている)。