じじぃの「人の生きざま_320_M・シュミット」

マーテン・シュミット - あのひと検索 SPYSEE
http://spysee.jp/%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%83%86%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%9F%E3%83%83%E3%83%88/37183
The Discovery of Quasars - Maarten Schmidt 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=JSDqXGeniEY
最遠方銀河で見る夜明け前の宇宙の姿 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=EmO88d8hzCI
マーテン・シュミット 画像
http://planck.exblog.jp/iv/detail/index.asp?s=19699818&i=201303/20/69/c0194469_5444457.jpg
光がプリズムの中で曲がり、スペクトル線が現れる 画像
http://blog-imgs-18.fc2.com/k/o/u/kouhukujinsei/20070422082746.jpg
Atonic spectra (Japanese)
4-2: 原子のスペクトル
種々のガスを入れた 放電管や、色々な物質で作った電極の間に高電圧をかけて放電させたとき放射される光は、そのガスや物質に特有の線スペクトルを示します。下の写真がその例です。
http://www.kutl.kyushu-u.ac.jp/seminar/MicroWorld/Part4/P42/atomic_spectra.htm
マーテン・シュミット (天文学者) ウィキペディアWikipedia)より
マーテン・シュミット(Maarten Schmidt、1929年12月28日 - )はオランダの天文学者である。クェーサーの水素のスペクトル線の大きな赤方偏移を発見した。
フローニンゲンで生まれた。ライデン大学ヤン・オールトと研究し1956年に学位を得た。1959年にカリフォルニア工科大学で働くためにアメリカ合衆国に移り、銀河の質量の分布と運動力学について研究した後、電波星の光のスペクトルを研究した。1963年に、クエーサー3C 273の水素のスペクトル線が大きな赤方偏移を示すことを発見した。この発見は、3C273が時速44000km(光速の16%)で太陽系から遠ざかっていることを示しており、フレッド・ホイルの定常宇宙論を否定する結果であった。1991年には光速の94.5%で遠ざかるクエーサーをドナルド・シュナイダー、ジェームズ・E・ガンらと発見している。

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『ゼロからわかるブラックホール 時空を歪める暗黒天体が吸い込み、輝き、噴出するメカニズム』 大須賀健/著 ブルーバックス 2011年発行
世紀の大発見「クェーサーの正体は超巨大ブラックホール (一部抜粋しています)
世紀の大発見はオランダ生まれのシュミット(当時はアメリカ在住)によって成し遂げられました。1963年のことです。天文学者を悩ませていたクェーサーの謎が、ついに明らかになったのです。クェーサーは、宇宙のはるか彼方でとてつもない明るさで輝く天体でした。また、クェーサーはきわめてコンパクトであることもわかりました。明るさとコンパクトさをあわせ持つその性質は、巨大な質量を持つブラックホールと、それを取り巻くガス円盤でしか説明がつきません。つまりクェーサーの正体は超巨大ブラックホールであることがわかったのです。
世紀の大発見から、クェーサーの正体が超巨大ブラックホールと考えられるようになるまでを、多少長くなりますが順序立ててじっくり解説します。
天体の性質を調べたり、天体の種類を区別したりするのによく使われるのがスペクトルです。光にはさまざまな波長があり、波長の長いほうから大まかに並べると、電波、赤外線、可視光線、紫外線、X線となります。可視光線をさらに細かく分けると、波長の長いほうが赤い光で短いほうが青や紫の光になります。それぞれの波長での光の強さの分布をスペクトルといいます。
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スペクトルの話をもう一歩進めましょう。スペクトルの解析をすると、その天体を構成する物質の種類を知ることができます。図4-4(光がプリズムの中で曲がり、スペクトル線が現れる・参照)に星からの光をプリズムに通した例を示しました。虹色の模様が現れています。
ここで重要なことがあります。虹色の模様をよく見ると、途中に黒い影が縦線となって現れるのです。これはスペクトル線と呼ばれています。スペクトル線がどの波長に現れるかは物質の種類で決まっています。たとえば水素なら波長656ナノメートルや486ナノメートルのところにスペクトル線が現れます。水素に限らず、酸素や炭素も、そのほかの物質も、それぞれ特有の波長にスペクトル線を作ります。つまり、探査機を飛ばしてその星まで直接行かなくても、スペクトル線の波長を調べればその星の材料がわかるのです。
ところが、グリーンスタインが調べたクェーサーのスペクトル線は、恒星とはまったく異なる波長に現れました。そのスペクトル線の位置は、地球女王にある物質で説明できるものではありませんでした。この結果をそのまま解釈すると、クェーサーは未知の物質でできた天体であるという信じ難い結論に達します。本当に通常の星とはまったく異なる物質でできた新種の星なのか、それとも何かトリックがあるのか。これが天文学者たちの悩みの種となったのです。
クェーサーの奇妙なスペクトル線を眺めていたシュミットは、ついに気がつきました。通常の星で見られるスペクトル線を赤い側(波長の長い側)にずらすと、クェーサーのスペクトル線とみごとに一致したのです。実際の観測データはこんなに単純ではありませんし、シュミットが使ったのは黒い影として現れるスペクトル線(吸収線)ではなく、明るい線として現れるスペクトル線(輝線)でしたが、原理は同じです。
スペクトル線が赤い側にすれる現象を「赤方偏移」と呼びます。クェーサーの奇妙なスペクトル線が赤方偏移で理解できる――これこそがシュミットの世紀の大発見なのです。しかし、なぜたったこれだけのことが世紀の大発見なのでしょうか?
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クェーサーは大きな赤方偏移を示す天体でした。大きな赤方偏移の理由は、超高速で遠ざかっていることです。超高速で遠ざかることは、クェーサーが宇宙のはるか遠方に存在することを意味します。見た目の明るさと距離の関係から、クェーサーは膨大な明るさで輝く天体であることが判明しました。また、クェーサーがコンパクトな天体であることは、明るさの変動時間が短いことからわかります。膨大な明るさとコンパクトさから、クェーサーの正体が超巨大ブラックホールと、それを取り巻くガス円盤であるという結論に至ったのです。