12_1宇宙マイクロ波観測衛星COBE. 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=oVNenDGNwyk
12_2宇宙マイクロ波観測衛星COBE. 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=D9vZpowb7D4
ジョン・C・マザー 画像
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/8/88/John-C-Mather.jpg
ジョン・C・マザー ウィキペディア(Wikipedia)より
ジョン・クロムウェル・マザー(John Cromwell Mather、1946年8月7日・ロアノーク - )はアメリカ合衆国の天体物理学者であり宇宙論学者である。
マザーはメリーランド州のNASAゴダード宇宙飛行センターの上級天体物理学者で、メリーランド大学の準教授である。マザーは黒体形状の発見と宇宙マイクロ波背景放射の異方性の発見や人工衛星COBE(宇宙背景放射探査機)でビッグバン理論を具体化するのを助けた業績でジョージ・F・スムートとともに2006年ノーベル物理学賞受賞者に選ばれた。
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『現代科学の大発明・大発見50』 大宮信光/著 サイエンス・アイ新書 2012年発行
宇宙背景放射にゆらぎを発見 マザー、スムート (一部抜粋しています)
宇宙はいったい膨張しているのかいないのか。この問題に最終的に答えをだしたのが、1989年に打ち上げられた観測衛星(COBE・コービー)がもたらした発見である。チームのリーダーであるNASAゴダード宇宙飛行センターのジョン・マザー上級研究員とカリフォルニア大学バークレー校のジョージ・スムート教授は2006年にノーベル物理学賞受賞が授与された。これによって宇宙は約137億年前に、ビッグバンと呼ばれる大爆発で始まったとする理論が最終的に認められた。彼らが観測したのは「宇宙マイクロ波背景放射」あるいは「宇宙背景輻射」と呼ばれる宇宙創成期の熱の名残りである。スムートは、この熱の名残りの分布に銀河などが生成されるわずかな異方性(むら)があることを突きとめた。ビッグバン理論ではこの異方性が成長して現在の宇宙を形づくる銀河などのもととなったとされ、スムートの分析結果はビッグバン理論を強力に裏づけるものであった。
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しかし、宇宙マイクロ波背景放射は地上の観測機器で観測するのが非常に難しいため、信憑性も乏しいという反論も成り立つ。大気中に多い水蒸気はマイクロ波を吸収するからだ。定常宇宙のほうが正しいのではないかという議論も、観測データもだされた。そこで宇宙論的観測を目的とする初めての人工衛星が1989年に打ち上げられた。それが冒頭で紹介したコービーである。コービーの目標は宇宙マイクロ波背景放射を観測し、われわれの宇宙の時空の形を理解する助けとなるような測定データを得ることであった。そしてNASAが1974年に行った公募に応じた提案のうち、3件が受け入れられた。その成果がノーベル物理学賞を受賞したわけだが、共同受賞した1人、マザーは天体物理学者で、コービーの開発・推進を提唱。みずからも1000人以上の調査員、技術者などの大規模なチームを率いて全体を統括し、コービーが観測した極超短波背景輻射の黒体放射を発見する中心的な役割もになった。
共同受賞したスムートは物理学者で、コービーによる観測でマザーとともに主導的な役割を果たし、宇宙背景輻射が完全になめらかで均一ではなく、わずかながら異方性(ゆらぎ)があることを発見した。ビッグバン理論ではこの異方性が成長して現在の宇宙を形づくる銀河などのタネになったとされているが、スムートの分析結果はこの理論を強力にバックアップするものとなった。