じじぃの「人の死にざま_1226_福永・武彦」

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福永武彦『草の花』読書会 東京大学文学研究会公式ブログ
福永武彦は東大仏文科卒の小説家・フランス文学者です。1918年生まれということで、25年生まれの三島由紀夫と同世代というイメージを持ちました。僕たちの両親の世代にはファンの方も多いようです。
 戦後は暫く療養所に入院し、1954年『草の花』で作家としての地位を確立しました。学習院大学で長く教鞭を取っていました。ボードレールの翻訳、また『日本書紀』、『古事記』、『今昔物語集』などの翻訳で有名です。また、堀辰雄全集の編纂にも携わっています。
http://blog.livedoor.jp/bunken_u_tokyo/archives/1587316.html
福永武彦 ウィキペディアWikipedia)』より
福永武彦は、日本の小説家、詩人、フランス文学者。
【略歴】
東京帝国大学の学生であった福永末次郎と日本聖公会の伝道師であったトヨの長男として、福岡県筑紫郡二日市町(現・筑紫野市二日市)に生まれる。東大卒業後に三井銀行に就職した父・末次郎の転勤によって、横浜市佐世保市、福岡市で過ごし、1926年6月、東京に転居する。
1954年の長編小説『草の花』で作家としての地位を確立し、人間心理の深奥をさぐる多くの長編小説を発表した。また、中村真一郎とともに堀辰雄の薫陶を受け、『堀辰雄全集』の編纂にもかかわった。1961年学習院大学教授。フランス文学を中心にヨーロッパの文学動向を論じた。ボードレールなどの翻訳や芸術家を主題にしたエッセイ、古典の現代語訳(『日本書紀』、『古事記』『今昔物語集』)もある。
また、中村真一郎堀田善衛とともに映画『モスラ』の原作となる『発光妖精とモスラ』を執筆、中村真一郎丸谷才一と組んで、西洋推理小説をめぐるエッセイ『深夜の散歩』を刊行し、さらに加田伶太郎の名前で推理小説を書いた。

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『人間臨終図巻 上巻』 山田風太郎著 徳間書店
福永武彦(ふくながたけひこ) (1918 - 1979) 61歳で死亡。 (一部抜粋しています)
「私の病歴を簡単に述べれば、若い頃は結核で前後十年もサナトリウムで呻吟したし、それが癒ってやれやれと思ったら今度は胃が悪くなって今まで六回も入院した。これはどの場合も、出血して病院に担ぎ込まれ、絶対安静の絶食を十日も続けていると、いつのまにか回復して来て、そこでレントゲン検査をしてももう患部がみつからないという、不思議な胃病なのである」
と、昭和48年にみずから記したように、作家福永武彦は、ベッドから離れている期間が珍しい病身の持主であった。両肺結核咽頭結核、腸結核、副睾丸結核、気管支拡張症、心臓神経症胃潰瘍、血清肝炎、痔、そして執拗な湿疹――彼はそれらをみな「僕の財産」だといっていた。
ふつうの食事――果物をふくめて――をとると必ず下血するので、妻の貞子は彼女が工夫した特別の食事を与えた。それは玄米の粉、梅干の裏ごし、ゴマをすったもの、蓮根をすったもの、豆乳、シジミの粉、朝鮮人参の粉、胚芽と屑真珠の粉、といったたぐいのものであった。
その貞子もまた結核と筋肉リューマチに悩まされる身体で、彼女は「鳥は空をはばたき梢(こずえ)をねぐらとし、魚は水の中でその生を営む。私たち夫婦は結婚のはじめから終わりまでを病の中ですごした」といっている。
その生活の中で福永は、音楽を愉しみ、草花を愉しみ、文房具を愉しみ、小説の世界の中でも推理小説を書いて愉しむという、貞子の言葉によれば、「あらゆることを楽しみに変えてゆける技術を身につけていた武彦の生活の1つ1つは、今想い起すと不思議なほど暗い影がない」生活であった。
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昭和54年7月、追分の家でまた下血し、入院する羽目になったが、8月13日午後4時、3人の見舞客が帰ったあと、
「テーコ、ボク、アタマガイタクナッテキタヨ」
というと、顔が紅潮し、この病人のどこからこんな力が出たかと思うほどの強さで妻の手を握りしめると、息絶えた。最後の死因は、おびただしい彼の病歴とは無関係な脳溢血であった。

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