じじぃの「人の死にざま_1225_MP・ブロンスタイン」

130922 NHKスペシャル 神の数式 第2回「宇宙はどこから来たのか〜最後の難問に挑む天才たち〜」 動画 Youku
http://v.youku.com/v_show/id_XNjE0NTgyOTMy.html
3_相対論からビッグバン理論へ 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=1CQvS2peZls
マトベイ・ブロンスタイン

マトベイ・ブロンスタイン ウィキペディアWikipedia)より
マトベイ・ブロンスタイン(Matvei Petrovich Bronstein、1906年12月2日 - 1938年2月18日)は、ソビエト連邦の量子重力理論の物理学者。ヨシフ・スターリンの大粛清により処刑された。妻はリージャ・チュコフスカヤ(ロシア語版)。

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NHKスペシャル 「神の数式 第2回 宇宙はどこから来たのか〜最後の難問に挑む天才たち〜」 2013年9月22日
第2回は、物質の理論を手にした物理学者たちが、もう一つの偉大な理論、広大な宇宙を支配するアインシュタイン一般相対性理論(重力理論)との統合をめざし、その2つを網羅する“神の数式”に迫ろうとする闘いを描く。ミクロの物質から、極大の宇宙の果てまで、ほとんどを数式で表すことに成功した人類だが、どうしても説明できない場所が存在する。それはブラックホールの奥底だ。宇宙空間の超ミクロの点を解き明かすことができれば、宇宙がどのように始まったのか、という究極の難問にも答えることができる。
現在彼らがたどり着いたのは偉大な2つの理論を含む「超弦理論」と呼ばれる最新の数式。しかしその数式が示したのは「物質の根源は点ではなく、“ひも”である。そして、この世は“10次元”でなければならない」という、私たちの常識をはるかにを超えた世界像だった。車いすの天才スティーブン・ホーキング博士ら一流の物理学者たちが、ブラックホールをめぐって議論を闘わせてきた、人類の知のフロンティアを映像化していく。
http://www.nhk.or.jp/special/detail/2013/0922/
9月22日 NHKスペシャル 「神の数式 第2回 宇宙はどこから来たのか〜最後の難問に挑む天才たち〜」より
20世紀が生んだ物理学の巨人アインシュタイン。その名を刻んだ数式が「一般相対性理論」でした。
巨大コンピュータがない時代に遠い宇宙の謎を正確に表すことに成功。宇宙誕生の謎を解き明かすと期待されたのです。
一般相対性理論の式です。
 Rμν - 1/2 Rgμν = kTμν
難しそうと思ったあなた! でも数式の意味は意外と単純なんです。
式の左側には空間のゆがみ。そして右側には物の重さやエネルギーを表す記号が書かれています。
1984年 『ホーキング博士 宇宙を語る』
一般相対性理論が神の数式ではないということに気づいたのは、ある宇宙の研究がきっかけでした。
巨大な星が爆発した後に生まれ、強い重力ですべてを呑み込むブラックホール。その最も深い奥底の部分こそがアインシュタインが見逃した盲点だったのです。つまり、一般相対性理論の式はブラックホールの奥底では通用しないということなのです。
宇宙誕生の謎を解き明かすと期待された一般相対性理論ですが、ブラックホールの奥底だけはどうしても説明ができなかったのです。
ホーキング、「ブラックホールの底ではアインシュタインの理論は通用しませんでした。その問題を解消しないと、宇宙の始まりは分からないのです」
そもそも、宇宙の始まりとブラックホールの底はどう関係しているというのでしょうか?
これまで数式が解き明かしてきたのは、実はビッグバンから10-43秒経った後からの世界。137億年前に生まれたとされる宇宙。誕生のまさにその瞬間だけが人類に残された最後の謎なのです。
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一般相対性理論素粒子の数式。世界で初めて2つを合わせて、宙誕生の謎に迫ろうとしたのが、ロシアの物理学者マトベイ・ブロンスタイン(Matvei Petrovich Bronstein、1906 - 1938)でした。
ブロンスタインは貧しい家に生まれながら、独学で物理学を学び、一般相対性理論素粒子の数式を19歳で完璧に理解していたといいます。
ブロンスタインが挑もうとしたのはブラックホールブラックホールの底の謎に迫る前に、2つの数式が身の回りのミクロの空間で融合することを証明しなくてはなりません。しかし計算してみると分母にゼロ(0)が表れるのです。これは計算不能を意味する無限大です。2つの偉大な理論が1つにすると働かない。これは解決する方法も見つからない難題だったのです。
その結果が意味するのは、つまりこういうことだったのです。私たちの身の回りの空間は実は、ミクロで見ると不安定で無限大を生み出すブラックホールのようなものが満ち溢れているのではないか。
無限大の問題を解くどころか、身の回りにも大量の無限大が溢れているという重大な難問を掘り起こしてしまった、ブロンスタイン。
その頃、ソビエトスターリンの時代となり知識人への弾圧が始まったのです。自由な思想を持つ科学者にもその矛先は向けられました。1937年、ブロンスタインは秘密警察に逮捕され、銃殺されてしまいます。31歳の若さで亡くなりました。
ブロンスタインがもし、殺されていなければ・・・。