じじぃの「特異点・君は本当にブラックホールを知っているか?起源図鑑」

「君は本当にブラックホールを知っているか?」後日配信動画

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https://www.youtube.com/watch?v=DfUym6KtV2M

ホーキング博士死去 根源に迫る仮説続々

2018/3/15 産経ニュース
宇宙はなぜ、どのように生まれたのか。
ホーキング氏はこの根源的な問いに挑み、重力や時空に関する一般相対性理論や極微の世界で起きる現象を説明する量子力学を駆使して、アインシュタイン以後の宇宙論の発展に大きく貢献した。
宇宙には大きさがゼロで密度が無限大の「特異点」が存在するという特異点定理を1960年代に発表。相対論では説明できず、量子力学と合わせて理解する必要性を示し衝撃を与えた。これが宇宙の始まりやブラックホールの仕組みの解明につながると主張した。
https://www.sankei.com/article/20180315-LB2AVG2IURPAFD4EARHPCLT2NQ/

『New Scientist 起源図鑑』

レアム・ロートン、ジェニファー・ダニエル/著、佐藤やえ/訳 ディスカヴァー・トゥエンティワン 2017年発行

ブラックホールはどこからやってくる? より

晴れた日の夜、外に出て夜空に射手座を探してみよう。そのずっと先のどこかに、天空の怪物が隠れている。あなたが無事でいられるのは、それがはるか遠くにあるからだ。
その物体とは、超大質量ブラックホール。あなたはそれを見ることはできない。なぜなら、ブラックホールはダストで覆い隠されているし、言うまでもなく真っ黒で、2万7000光年ほども離れているからだ。それでも、私たちの天の川銀河の真ん中にそれがあるということは確かである。

ブラックホールの存在はいかにして認められたか

1915年になると、アルベルト・アインシュタイン一般相対性理論が登場したことにより、再び事態が変わってきた。この理論では、重力とは恒星のような大質量の物体によって生じる「時空のひずみ」であると定義されたのである。
アインシュタイン自身が気づいたわけではなかったが、この理論からはある奇妙な予測が生まれることとなった。そのことをアインシュタインに教えたのは、天文学者カール・シュヴァルツシルト。東部戦線に従事したシュヴァルツシルトは、それを余暇の時間に発見したという。シュヴァルツシルトは、もし十分に小さな空間に十分な質量が集中すれば、時空のひずみは無限になる、ということを示したのだ。

このときに生じるのが「特異点」――つまり、重力がきわめて強大になって、光さえもそこから出られないなる時空の1点である。

アインシュタインもその予測を認めたが、そのような天体が現実に存在するとは思っていなかったという。シュヴァルツシルト塹壕でかかった病気のせいで1916年に亡くなると、彼の特異点のことはやがて忘れられた。それは単なる理論上の存在にすぎないとされたのだ。1939年には、アインシュタインもそれが空論だということを「証明した」とされる論文を発表し、この件はそこまでになった。少なくとも、しばらくの間は――。
1950年代になって、天文学者がラジオ波を使って深部宇宙を探り始めると、クエーサーを始めとする、きわめて遠くにある天体が見つかった。クエーサーは非常に高エネルギーで、一般相対性理論を使わなければ理解できないような天体だ。ここから、きわめて重い天体が新たに物理学的に評価されるようになる。そしてさらに、特異点が存在する可能性があるばかりか、おそらく実在するということを物理学者たちが受け入れるようになったのだ。画期的だったのは、「事象の地平線」という概念だ。これはブラックホールの「表面」にあって、重力があまりに強いため、そこから何一つ逃れられなくなる時空の境界面のことである。
そうして1950年代の終わりにはブラックホールアインシュタインの理論の必然的な帰結であることを、たいていの物理学者が認めていたのである。

ブラックホールはどうやってできる?

太陽のおよそ2倍以上の質量をもつ星は、どれもブラックホールになる運命にある。そのような星には強力な重力場があるため内向きの圧が働くが、星が生きている間は、中心部で起こる核融合反応により、この圧に対抗するエネルギーが生み出されている。ところがやがて反応の燃料が尽きると、もはや内向きの圧に抵抗することができなくなり、星は「重力崩壊」という現象を起こして自らつぶれていく。
こうして直接ブラックホールが形成されることもあるが、そうでない場合は超新星と呼ばれる巨大な爆発を起こし、星の中心部を残して外殻の層が吹き飛ばされる。その星が十分な大きさであれば、星が崩壊するまでそれが続く。重力崩壊によって中心部はますます高密度になり、重力場がきわめて強大になると、光さえも逃れられない帰還不能点を超える、ブラックホールの誕生だ。
ただし、太陽の10万倍以上の質量をもつ超大質量ブラックホールはこのプロセスでは説明できない。
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それにしても面白いのは、ブラックホールの存在が広く受け入れられるようになったにもかかわらず、それを見たことのある人は誰もいないということだ。ごく最近、2つのブラックホールの衝突で発生した重力波が検出されたことでようやく、私たちはブラックホールへの「最接近」を成し遂げた。
いま、ブラックホールを直接画像に収めようとする計画が進んでいる。それが達成された時こそ、その内部に捕えられている光が逃れようのないのと同じように、ブラックホールの存在は逃れようのない事実になるだろう。

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どうでもいい、じじぃの日記。
アインシュタイン一般相対性理論からブラックホールの存在が導き出された。
実は、ブラックホールアインシュタインが言い始めたのではなく、シュヴァルツシルトに指摘されたのだそうだ。
そのブラックホールに何とも不思議な「特異点」があると言い出したのはホーキングだ。
シュヴァルツシルト半径・・・アインシュタイン重力場方程式の解を求め、非常に小さく重い星があったとすると、その星の中心からのある半径の球面内では曲率が無限大になる。
重力の特異点・・・概略的には「重力場が無限大となるような場所」のこと。

一説には、特異点は「量子のかたまり」らしい。

アインシュタイン一般相対性理論シュヴァルツシルト半径 → ホーキングの特異点
ブラックホール特異点は、宇宙最大の謎の1つなのだ。