ホーキング 虚時間の宇宙 竹内薫(著) 2005/7 講談社BOOK倶楽部
宇宙に始まりはあったのか?宇宙に終わりはくるのか?
ブラックホールに落ちた物質は、消滅してしまうのか?そして、鍵を握る虚時間とは?全ての物理量が無限大に発散する理論物理学の最大の問題、特異点に挑む車いすのニュートン。
全ての物理量が無限大に発散してしまう、理論物理学最大の問題「特異点」。ビッグバンとブラックホールが特異点であることが、ペンローズとホーキングによって証明された。どちらも、宇宙を研究するには避けて通れない。この難問に「車いすのニュートン」ホーキングが果敢にチャレンジした。
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賭けに負けっぱなしではあるけれど(情報のパラドックス) より
ブラックホールはあらゆる物質やエネルギーや情報を呑み込んでしまう。ブラックホールはやがてホーキング放射により蒸発して消滅する。その際、落ち込んだ情報はどうなるのか? ブラックホールに落ち込んだ情報は2度と元には戻らないのか、それとも、蒸発するときに回収できるのか?
相対論陣営は、いったんブラックホールの奈落の底に落ちてしまった情報は回収不可能で、ブラックホールが蒸発するときに消滅するのだと主張する。
量子論陣営は、ブラックホールをきちんと量子論で扱えば、ブラックホールが蒸発するときに元の情報を回収できると考える。
なぜ、このような亀裂が生じるのかを理解するには、2人の観測者にご登場願わなくてはならない。
ここではサスカインドをあげているもっと劇的な例をみてみよう。
「銀河が丸々1個、10億光年というシュワルツシルト半径をもった巨人ブラックホールに落ち込む様子を想像してみましょう。外部から見ているかぎり、銀河とその中の不幸な住人たちは、プランク温度まで熱せられ、やがては蒸発の際に外部に放出されます。これはすべて地平線で起きる事件です! 一方、落ちてゆく銀河の住人たちは、完全に幸福なまま滑り落ちてゆきます。彼らにとって悪夢は10年後に特異点で起きるにすぎません。しかし、ある種の死後の世界の理論と同様、あちらの世界の住人たちは[こちらの世界にとどまっている]われわれと通信ができないのです」(「スティーブンとの20年にわたる論争」竹内訳)
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外から見ているかぎり、落ち込んでゆく「情報」はブラックホールの表面に張り付いて残っているのだから、やがて、ブラックホールが蒸発するときに、ふたたび外部に放出されて回収可能ということになる。
だが、ブラックホールに自由落下していく観点からは、いったん境界線を越えて中に入ってしまえば、2度と外部宇宙に抜け出すことはできない。
なんとも頭の痛い問題だが、この争いの解決策は、意外なところからやってきた。それは超ひも理論である。超ひも理論は、ホーキングが始めた量子重力をさらに厳密に定型化したものと考えられ、今のところ完全な量子重力理論の有力候補の地位にある。だから、超ひも理論から情報のパラドックス解決の糸口がみつかっても不思議ではないのだ。
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おバカな、じじぃの日記。
ブラックホールの底には何があるのか?
2019年4月、アインシュタインの一般相対性理論に基づいて存在が予言されてから約100年が経ち、ブラックホールの姿がついに捉えられた。
ブラックホールが本当に無限で事象の地平面を越えたものは何であれ逃げられないのだとすれば、ブラックホールの底には理論上、無限量の物質とエネルギーをとどめておけることになる。
「ブラックホールはやがてホーキング放射により蒸発して消滅する。その際、落ち込んだ情報はどうなるのか? ブラックホールに落ち込んだ情報は2度と元には戻らないのか、それとも、蒸発するときに回収できるのか?」
「超ひも理論から情報のパラドックス解決の糸口がみつかっても不思議ではないのだ」
だそうです。 (^^;;