じじぃの「がん幹細胞・悪の親玉(ラスボス)をやっつけろ!サイエンスZERO」

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クローズアップ現代 「がん“根治”の時代は来るか〜“がん幹細胞”研究最前線〜」 (追加) 2013年9月19日 NHK
【キャスター】国谷裕子 【ゲスト】中釜斉(国立がん研究センター 研究所長)
「5年生存率は20年後に80%になるかもしれない。がん幹細胞の発見は大きく寄与するはずだ」(国立がん研究センター研究所長)。
いま、がん幹細胞と呼ばれる特殊な細胞の発見によって、がん治療が大きく変わろうとしている。がん幹細胞とは、あたかも“女王蜂”のように、がん細胞を次々と生み出し腫瘍をつくる、親玉的な細胞だ。しかも、がん幹細胞には抗がん剤が効かない。一度は治ったと思ったのに再発や転移が起きる、その原因もこのがん幹細胞にあるのではないかと言われ始めている。しかし今、最新の研究によってその弱点が明らかになりつつある。4月には、国立がん研究センターで実際の患者を対象にした臨床研究が始まるなど、がん幹細胞をたたく研究が進み始めている。がん治療の根本を変える可能性を秘める「がん幹細胞」との格闘の最前線に迫っていく。
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail_3404.html
ユビキチンリガーゼFbxw7の阻害は白血病幹細胞を静止期から追い出しこれを根絶する 2013年4月 ライフサイエンス
●武石昭一郎・中山敬一(九州大学生体防御医学研究所 分子医科学分野)
白血病幹細胞の静止期への維持におけるFbxw7の役割を明らかにするため,慢性骨髄性白血病マウスモデルの白血病細胞においてFbxw7を遺伝学的に欠損させた.そして,白血病幹細胞の細胞周期の解析を行ったところ,Fbxw7を欠損させることにより静止期にとどまっている白血病幹細胞の割合が減少したことをつきとめた.この結果は,Fbxw7白血病幹細胞を静止期に維持する役割をもつことを示したが,つぎに,この分子機構にc-Mycがかかわっているかどうかを調べた.まず,白血病幹細胞におけるc-Mycのタンパク質量を調べ,Fbxw7を欠損させることにより白血病幹細胞においてc-Mycのタンパク質量が増加していることを確認した.
白血病幹細胞においてFbxw7を欠損させると,この細胞は静止期から追い出され,抗がん剤に感受性を示すようになる.したがって,Fbxw7阻害と抗がん剤を併用することにより白血病幹細胞を根絶させ,治療ののちの再発を抑えることができる.
http://first.lifesciencedb.jp/archives/6867
理研、幹細胞を含むヒト白血病細胞をほぼ死滅させられる低分子化合物を同定 2013/4/19 マイナビニュース
理化学研究所(理研)は4月18日、ヒトの白血病状態を再現した「白血病ヒト化マウス」を用いて、従来の抗がん剤が効きにくい「白血病幹細胞」を含め、ヒト白血病細胞をほぼ死滅させることができる低分子化合物を同定したと発表した。
研究チームが着目したのは、2010年に同定した25種の分子標的の中の1つで、多数の患者の白血病幹細胞に共通して発現し、特に細胞の生存や増殖に関係すると考えられるリン酸化酵素「HCK」だ。リン酸化酵素とはリン酸基をほかのシグナル伝達分子に付加する酵素のことで、一般にシグナル伝達系において、リン酸基の付加はシグナルの伝達を意味している。
そして数万の化合物ライブラリの中から、HCKの酵素活性を最も強く阻害する低分子化合物「RK-20449」を選び、理研が所有する大型放射光施設「SPring-8」などでX線構造解析を行ったところ、HCKとRK-20449が強く結合していることが確認された。
http://news.mynavi.jp/news/2013/04/19/071/index.html
がん幹細胞の撲滅による新しいがん治療法の開発に成功 2013年3月19日 科学技術振興機構JST
・がん細胞の根源であるがん幹細胞はほとんど増殖しない冬眠状態のため、抗がん剤が効かない。
・冬眠の維持に必要なたんぱく質Fbxw7」を無力化すると、がん幹細胞が眠りから覚めて、抗がん剤で死滅することを発見。これを「静止期追い出し療法」と命名
白血病をはじめとする多くのがんの根本治療の実現に期待。
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20130319/
がん幹細胞/がんの製造工場
2008年、佐谷秀行・慶応大学教授は、マウスの正常細胞からがんの親玉ともいえるがん幹細胞を作り出すことに成功した。がんはがん幹細胞が自己複製を繰り返しながら増え続けることが知られている。
がん幹細胞を死滅させることが治療のカギをにぎる。
がん幹細胞は正常な細胞にがん化を促す遺伝子を導入して作る。
マウスの骨髄細胞に『N-myc』と呼ぶがん化に関わる遺伝子を導入。
それをマウスの体内に戻したところ、白血病を発病した。75日目までにすべてのマウスが死んだ。
また、骨髄間質細胞に『C-myc』と呼ぶ遺伝子を入れたところ、肉芽腫を発症し60日以内に死んだ。
これらのマウスからがん細胞だけを100個集め、別のマウスに移植したところ、35日目までに死亡。細胞数が少ないにもかかわらず急速にがんが広がるため、“がん化する能力が高いがん幹細胞ができたと考えられる”(佐谷教授)
http://www.naoru.com/gankansaibou.html
サイエンスZERO がん幹細胞 (2) がん根絶も夢じゃない! がん幹細胞 最新攻略法" 2013年9月15日 NHK Eテレ
【司会】南沢奈央竹内薫中村慶子 【ゲスト】須田年生(慶應義塾大学教授)
新たに見つかった「がん幹細胞」の恐るべき実態と治療法に迫るシリーズ第2回。
白血病から見つかった「がん幹細胞」は、その後、胃がん乳がん、大腸がんなどからも次々発見されている。抗がん剤も効かない驚異の生命力を持っているが、これを根絶しない限り再発や転移が引き起こされるのだ。ところが、がん幹細胞だけが持つ特別なたんぱく質に注目したところ、意外にも「身近な薬」が特効薬となることが判明! ついにがん根絶は実現するのか?
http://www.nhk.or.jp/zero/contents/dsp438.html
サイエンスZERO がん幹細胞 (1) がん再発の謎が解けた! 新発見「がん幹細胞」 2013年9月8日 NHK Eテレ
【司会】南沢奈央竹内薫中村慶子 【ゲスト】赤司浩一(九州大学教授)
治ったはずのがんが、なぜ再発・転移するのか? その長年の謎がついに解明された。
体内に潜み、新たにがん細胞を生み出す元凶、「がん幹細胞」の存在が発見されたのだ。しかも恐るべきことに、がん治療の頼みの綱である抗がん剤放射線も、がん幹細胞には効かないことが分かってきた。なぜなのか? がん幹細胞が初めて見つかった“血液のがん”=白血病を例に、がん幹細胞の驚異的な生存戦略を徹底解剖する。人類はがん幹細胞に打ち勝てるのか!? がんという病気の根幹を握る「がん幹細胞」研究の最前線を2週にわたってご紹介する。
http://www.nhk.or.jp/zero/contents/dsp437.html
プライムニュース 「連続提言企画・医療 いまと明日を考える④ がん治療・臨床最前線 がん幹細胞と最新研究」 2013年5月2日 BSフジ
【キャスター】八木亜希子、反町理 【ゲスト】中山敬一(九州大学生体防御医学研究所教授)、森正樹(大阪大学大学院医学系研究科教授)、立花隆(ジャーナリスト)
日本人の死因の第1位である、がん。現在の治療法の主流は、がん組織の摘出を行う外科療法、抗がん剤などを投与する化学療法、そして放射線療法の3つだ。このほか、免疫療法や温熱療法など様々な治療法が試みられているが、がんの種類や進行度などにより、これらの治療法を組み合わせても十分に治療できないケースも多い。
そんな中、がん細胞を生み出す元であるがん幹細胞に着目した研究が最近、進展をみせている。がん幹細胞の根絶が、転移・再発リスクの低下、延いては、がんの治癒につながるのではないかとの見方もあり、注目が集まっている。
がん幹細胞を始めとする最新のがん研究を紹介し、研究・臨床現場の最前線で活躍する医師らに、新たながん治療法開発に向けての道筋を聞くとともに、自らもがんを患った経験のあるジャーナリストの立花隆氏に、がん研究における問題、がん治療の在り方、がんとどう向き合っていくべきかについて聞く。
前編:http://www.bsfuji.tv/primenews/movie/index.html?d130502_0
後編:http://www.bsfuji.tv/primenews/movie/index.html?d130502_1
どうでもいい、じじぃの日記。
9/8、NHK EテレサイエンスZERO』の番組で「がん幹細胞 (1) がん再発の謎が解けた! 新発見『がん幹細胞』」を観た。
こんなことを言っていた。
【がん幹細胞の弱点を探れ!】
マウスの生存率
 抗がん剤のみ → 60日後、ほとんどゼロになる
 Fbxw7なし + 抗がん剤 → 100日過ぎても80%が生き残る
Fbxw7」を詳しく調べると、このFbxw7細胞分裂をうながす「c-Myc」をかたっぱしから壊してしまう働きがあることが分かりました。これでがん幹細胞にはc-Mycが無かったのです。つまり、Fbxw7を奪ってしまえばc-Mycは壊されず、がん細胞が分裂して増え始めることになります。こうすれば抗がん剤が効くはずです。
実際に中山敬一さん(九州大学 生体防御医学研究所)たちは遺伝子操作でFbxw7を無くした白血病マウスに抗がん剤を投与してみました。すると、通常は抗がん剤を与えても60日ほどでほとんど死んでしまうのに、Fbxw7を無くしたマウスは100日経っても8割が生き延びるという結果になりました。
つまり、がん幹細胞でも細胞分裂さえ始めさせることができれば、抗がん剤が効くことが分かったのです。
HCK・・・がん幹細胞にのみある酵素。この酵素が働かなくなるような化合物(RK-20449)を探し出した。
固形がん(乳がん・大腸がん)でも、がん幹細胞が見つかっている。
がん幹細胞はがんの転移・再発に深く関わっていることがわかったのである。
南沢さん、「がんのラスボスがいたのね!」
じじいの感想
がんのラスボス(悪の親玉)が見つかったのだそうだ。
9/15、NHK Eテレ サイエンスZERO 「がん幹細胞 (2) がん根絶も夢じゃない! がん幹細胞 最新攻略法」を観た。
スルファサラジン・・・潰瘍性大腸炎や関節リウマチの治療薬
スルファサラジンは20年前から使われている薬だ。この薬が別の胃がんなどに効くのか? マウスに与えたところ驚きの結果が。
20週目までは与えたのと、与えないのではほとんど変わりません。ところが、30週目で何も与えていないマウスの方だけ、突然胃がんが大きくなりました。一方、スルファサラジンを与えた方はがんが大きくなっていません。がんの成長を抑えたのです(転移もしない)。
佐谷秀行・慶応大学教授、「私たちがこのスルファサラジンがCD44(大腸がんなどのがん幹細胞腫瘍マーカー)を発現しているがん幹細胞に対して、効果があることを見い出したのは20年前ですが、それからすでに臨床試験が始まっているので、非常に早かったと思っています」
既存のスルファサラジンという薬を使って、活性酸素の働きによりがん細胞を死滅させることができるのだそうです。
追記
9/19、NHK クローズアップ現代 「がん“根治”の時代は来るか〜“がん幹細胞”研究最前線〜」を観た。
千葉県・柏市にある国立がん研究センター東病院の建物の映像が出てきた。
ある薬ががん幹細胞に効くかもしれない。
頭に毛糸の帽子を被った老人(女性)が診察室に入ってきた。
実際の患者でその安全性と効果を確かめる臨床研究が始まっています。参加したのは現在の治療法では効果が期待できなくなった胃がんの患者です。
胃がんの患者が錠剤を飲み込んでいる映像が出てきた。
飲んでいるのはリウマチの治療で既に使われている薬です。
この臨床研究を行っている佐谷秀行教授です。佐谷さんが注目したのはがん幹細胞の表面にある特殊なポンプです。がん幹細胞はこのポンプに栄養を吸い込んで外部からのストレスに対抗する力を身につけています。佐谷さんはこのポンプの入口にフタをしてしまえば、がん幹細胞を弱体化できるのではないかと考えました。
そこで、海外の論文を調べ、ポンプのフタになる物質を探したところ、リウマチの薬にその効果があることが分かったのです。佐谷さんはマウスにこの薬を投与しました。
赤い色の血液が流れているような画像が出てきた。
赤色に染まっているのががん幹細胞が集まっている場所です。
投与から4週間後、ほとんどが消えていました。
佐谷教授、「このマウスの実験では私たちが想像した以上に、がん幹細胞を抑制する作用があったようです」
臨床研究が始まって5ヵ月の9月2日、これまで出た結果を検討する会議が開かれました。
投薬前と投薬後の画像が出てきた。投薬後は投薬前のと比べて見た目では5分の1程度に縮小している。
胃がん患者の結果です。緑色のところががん幹細胞です。薬の投与から2週間後、胃がんの組織を採取し調べると、投与前と比べて減っていることが分かりました。
この薬ががん幹細胞に本当に効くのか? 佐谷さんたちは今後、さらに患者の数を増やして慎重に研究していくことにしています。
佐谷教授、「がん幹細胞の数が減少傾向にあるというのが見えてきました。次のステップに進むことができます」
スタジオから
国谷さん、「今、VTRで見たリウマチの薬を使った治療ですけど、今現在は安全と効果を確かめる臨床研究の段階です。今は一般の患者の方々が申し込んでも新たに参加することはできないということです」
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