じじぃの「人の生きざま_242_W・フリードマン」

Hubble's Constant 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=Dr-suQ1Y3JY
Zeroing in on Hubble's Constant 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=fsDpNQCPgD0
Wendy Freedman 画像
http://aapt.org/Events/SM05/images/41841735.jpg
宇宙の年齢と始まり
ガモフがビッグバン理論を発表してから半世紀 --- 多くの科学者が、宇宙はいつ始まったのか、その時期を特定しようと、さまざまな方法で研究を行ってきた。アメリカ・カーネギー研究所のウェンディ・フリードマン博士も、その一人である。フリードマン博士は、1999年、宇宙の年齢を特定したと発表して、世界中の専門家の注目を集めた。
http://homepage2.nifty.com/einstein/contents/relativity/contents/column8.html
天体の距離の測定
http://www.kouka.ne.jp/~w1022077/distance1/distance.htm
ハッブルの法則 ウィキペディアWikipedia)より
ハッブルの法則とは、天体が我々から遠ざかる速さとその距離が正比例することを表す法則である。1929年、エドウィン・ハッブルとミルトン・ヒューメイソンによって最初に定式化された。この法則によって、宇宙が膨張しているという事実がわかった。
ハッブル定数の値】
銀河の後退速度は銀河からの光のスペクトルの赤方偏移を調べることによって容易に決定できるが、距離の決定は、現在のところ、様々な算出方法を総合して割り出すしかないため、正確な値を求めることは困難である。そのためハッブル定数は不確定なものとなっている。
2013年には、NASA人工衛星WMAPなどの観測による (69.32 ± 0.80) km/s/Mpcという値が与えられている。
タリー・フィッシャー関係 ウィキペディアWikipedia)より
タリー・フィッシャー関係(Tully-Fisher relation)は、1977年にR. ブレント・タリーとJ. リチャード・フィッシャーが発表した、渦巻銀河の絶対光度(質量に比例する)と速度幅(回転曲線の大きさ)の間の経験論的な関係である。光度とは、単位時間当たりに銀河から放出される光エネルギーの量であり、銀河までの距離が分かっている場合には相対光度から計算できる。速度幅はスペクトル線の偏移とドップラー効果から計算できる。
Wendy Freedman Wikipediaより
Wendy Laurel Freedman (born July 17, 1957) is a Canadian-American astronomer, best known for her measurement of the Hubble Constant, and as director of the Carnegie Observatories in Pasadena, California, and Las Campanas, Chile.
【Hubble Constant】
Freedman's main project, the Hubble Key Project, was put on hold when the Hubble Telescope’s launch was delayed after the space shuttle Challenger exploded. She has stated that, in retrospect, the delay gave the project a chance to improve its computer and other technology, so that it was able to handle the amount of data the project produced. Freedman and colleagues used Hubble to measure Cepheid distances to 24 galaxies between 1994 and 1999. The project's researchers, led by Freedman, published their final result in 2001. The work provided a value of the Hubble constant accurate to 10%, resolving a long-standing, factor-of-two debate.

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宇宙はこう考えられている:ビッグバンからヒッグス粒子まで 青野由利/著 ちくまプリマー新書 2013年発行
宇宙はどのように始まったのか (一部抜粋しています)
ハッブル宇宙望遠鏡が担う重要な観測のひとつが、その名の通り、ハッブル定数の最終決定でした。そして、このプロジェクトを率いたのが、カーネギー研究所のウェンディー・フリードマンだったのです。
フリードマンさんはカナダのトロント生まれで、科学に関心の高い家庭で育ちました。特に、父親が天文好きだったそうです。大学では、最初に生物物理を専攻していましたが、結局は1984年に天文学で博士号を取得します。そして、女性としては初めて米国カーネギー研究所に終身雇用の研究職を得たのです。カーネギー研究所といえば、宇宙膨張を発見した、あのハッブルが所属していた研究所です。その弟子であるサンデージも所属していた天文学分野の名門研究所です。
1990年にハッブル宇宙望遠鏡が打ち上げられ、フリードマンさんのチームは望遠鏡が担う3つの主要観測計画のひとつとして、ハッブル定数を正確に決めるプロジェクトをまかされました。
話を1997年の京都に戻すと、このころはまだ、ハッブル定数がいくつなのか、論争が続いていました。フリードマンのチームは、おとめ座銀河団の中の銀河を観測した結果から、1994年に「ハッブル定数は80」と発表していました。でも、この時はさらにデータが増え、「ハッブル定数は73」と発表しました。一方、別の観測では「ハッブル定数は64」という値を公表した人もいました。
そして、2001年、とうとうハッブル定数が最終的に決まりました。フリードマンさんたちが、72とはじき出したのです。
ハッブル定数の設定には、さまざまな困難がありました。その中でも一番大変だったのは、精密に距離を測ることでした」とフリードマンは論文の中で述べています。そのために、彼らが主として使ったのは、ハッブルその人が使ったのと同じセファイドでした。地上からの観測では、ある程度以上遠くのセファイドの明るさを正確に求めることができません。ハッブル宇宙望遠鏡は、大気にじゃまされることなく遠くのセファイドを観測できるので、精度が10倍も上がったのです。
さらに彼らは、ひとつの方法だけで測るのではなく、さまざまな方法で測定することによって、誤りを少なくする方法をとりました。セファイドによる測定だけでなく、超新星、タリー・フィッシャー関係などを使いました。
これで、宇宙の膨張率がわかり、半世紀以上にわたる論争に決着がついた、と多くの科学者は胸をなでおろしたはずです。