じじぃの「人の死にざま_1030_A・オデイ」

SING SING SING ~ Anita O'Day 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=rLXbn3-fRQI&feature=fvwrel
OLD DEVIL MOON (Tribute to O'Day, allowed) 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=945RMkklnzw&feature=fvwrel
Anita O'Day - Tea For Two - Tokyo (1963) 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=xKqFe-nYU7A&feature=related
アニタ・オデイ
http://www.geocities.jp/takes_bar/jazz_oday.html
Anita O'Day Wikipedia より
Anita O'Day (October 18, 1919 - November 23, 2006) was an American jazz singer.
Born Anita Belle Colton, O'Day was admired for her sense of rhythm and dynamics, and her early big band appearances shattered the traditional image of the "girl singer". Refusing to pander to any female stereotype, O'Day presented herself as a "hip" jazz musician, wearing a band jacket and skirt as opposed to an evening gown. She changed her surname from Colton to O'Day, pig Latin for "dough," slang for money.

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『村上ソングズ』 村上春樹/著、和田誠/著 中央公論社 2007年発行
孤独は井戸 (一部抜粋しています)
アニタ・オデイの『アット・ミスター・ケリーズ』というアルバムで、この曲を知った。1958年にシカゴのクラブ「ミスター・ケリーズ」で吹き込まれた実況盤だ。この時期のアニタはまさに脂が乗りきっていて、何をやらせてもとにかく素晴らしい。いかにも玄人好みの難しそうな曲なのだが、彼女は見事に、苦もなく歌いきっている。でもどうしてかはわからないのだが、アニタ以外の歌手がこの曲を歌っているのを、一度として耳にしたことがない。あるいは僕が知らないところで誰かが取り上げているのかもしれないけれど、まあ、超マイナーな曲と言い切って差し支えないだろう。
作曲者はジャズ・ピアニストのジョー・オーバニー。40年代に、西海岸でチャーリー・バーカーと共演したことで知られている。
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アニタ・オデイは不遇のオーバニーを伴奏ピアニストとして用いていた時期もあり、そういういきさつもあって、この曲を知り、取り上げることになったのかもしれない。作詞は奥さんのアイリーン・オーバニー。
歌の内容は「私の人生はついこのあいだまで真っ暗だったけど、あなたに会えてぱっと明るいものになった」というもので、いちおうはハッピーエンドになっている。しかし歌詞を読めばわかるように、全体としてみれば、決して明るい色調の歌ではない。それはたぶん「真っ暗」であった時期の精神風景を描写した部分が、あまりにも見事にリアリスティックであり、また奇妙に直截的であるからだろう。鬱病みたいなものを実際にくぐり抜けてきた人じゃないと、ここまで詳細に「魂の暗黒」のイメージをマッピングすることはできないのではないかと、という気がするくらいだ。そこには純文学的な香りさえ、かすかに漂っている。まるでムンク「叫び」の音楽版みたいだ。
それに比べると、救済されてからの部分は、むしろとってつけたみたいで、味気なくさえ感じられる。何度も聴いていると、単純に「よかったね」とはだんだん言えなくなってくる。余計なことかもしれないけど、「一寸先は、また闇かもしれないよ」みたいなことまで言いたくなってくる。そういうリアルな陰鬱さのゆえに、この曲はあまり人気が出なかったのかもしれない。たしかにナイトクラブで「孤独は井戸だ。不幸せが住む着く深くて暗い穴」だみたいな歌を切々と歌われたら、酔いも一辺に覚めてしまうかもしれない。まとまる話もまとまらないかもしれない。
僕は無類の「井戸好き」なので、当然ながらこの曲は大好きなのだが、井戸のことはさておき、とても味わい深い曲なので、是非一度耳を傾けていただきたい。きっと心に響くはずです。

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アニタ・オデイ Google 検索
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