じじぃの「世界一高温高圧・腐食に強い・高ニッケル合金油井管!ニッポンの世界No.1企業」

世界初の海底産出成功=愛知沖メタンハイドレート 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=Xz3zR94Umr8
メタンハイドレートの試験採取成功…愛知沖 (追加) 2013年3月12日 YOMIURI ONLINE
経済産業省は12日、愛知県沖約80キロ・メートルの海底地層から天然ガスの一種「メタンハイドレート」の試験採取に成功したと発表した。
海底からのガス採取は世界で初めてという。日本近海には、国内の天然ガス消費量の約100年分に当たるメタンハイドレートがあるとの推計もある。政府は2018年度の商業化を目指しており、安定的な生産の道筋がつけば、豊富な国産エネルギーとして活用することが期待できる。
地球深部探査船「ちきゅう」が同日午前6時前、水深約1000メートルの海底までおろした掘削機を使って、固形状のメタンハイドレートを水と天然ガスに分解し、ガスを取り出して海上まで引き揚げる作業を開始。約4時間後の同10時頃、船尾に設置したバーナーから、ガスの産出を示す炎(フレア)が上がった。
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20130312-OYT1T00555.htm?from=top
住友金属のものづくり 01.シームレスパイプ/油井管 住友金属工業株式会社
鋼のかたまりに孔(あな)を開けながら押し広げていく。板を丸め溶接するパイプとはまったく異なる方法で、継ぎ目のない−溶接部のない−高強度・高品質なシームレスパイプはつくられます。過酷な環境に耐える材料は加工も難しく、高い精度で高能率にシームレスパイプを製造するのは簡単ではありません。住友金属は、世界中の技術者が挑んでは敗れてきたこの難題を克服し、画期的なシームレスパイプ製造方法を開発したのです。石油・天然ガス採掘用の高品質・高級シームレスパイプの分野で、住友金属の技術は世界をリードしています。非常に過酷な環境で使われるハイアロイ(Ni合金ベース)油井管では、世界シェア90%を誇ります。
http://www.sumitomometals.co.jp/fact/01.html
油井管 Google 検索
http://www.google.co.jp/images?hl=ja&rlz=1T4GZAZ_jaJP276JP276&q=%E6%B2%B9%E4%BA%95%E7%AE%A1&sa=X&oi=image_result_group
「めでたさも中くらい」な天然ガス時代 国内鉄鋼大手、大型受注でも「近くて遠い商機」 2012/2/13 日本経済新聞
新日本製鉄住友金属工業は、国際石油開発帝石がオーストラリアで進める液化天然ガスLNG)開発事業「イクシス」向けのパイプライン用鋼材を受注した。それぞれ14万トンずつの大型受注に社内はさぞ沸き立っていると思いきや、関係者の表情に笑顔はない。「めでたさも中くらい」なワケは何なのか。
だが日本勢にとって、結果は必ずしも満足のいくものではなかった。新日鉄、住金が14万トンずつを受注したものの、残る41万トン、比率にして全体の6割相当をユーロパイプが受注したのだ。
ユーロパイプが大きな受注シェアを獲得した理由はずばり、価格だ。ユーロ安で価格競争力を高めたユーロパイプと、超円高で輸出価格を高くせざるを得なかった日本勢。いくら日の丸プロジェクトとはいえ、オペレーターの国際帝石としてはコスト上、有利な方を選択する。メーカー幹部は「もっと受注したかったが、この為替水準じゃとてもかなわない」とあきらめ顔で語る。
日本の鉄鋼メーカーは、パイプラインに使う鋼管や、ガス油田の掘削に使う油井管など、資源・エネルギー分野で世界シェア首位の製品をずらりとそろえる。特に過酷な使用環境に耐える上級グレードでは世界一の実力といっていい。
例えば住金。金属を腐食させる高濃度のCO2や硫化水素にさらされる過酷な環境で使える高ニッケル合金油井管で8割の世界シェアを握る。JFEは高い耐食性を持つクロム含有(13%)油井管で4割の世界シェアを握る。新日鉄は一般的なラインパイプ鋼管規格「X80」と比べて強度が1.5倍ある「X120」の開発と実用化で先行する。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD090K5_Z00C12A2000000/
『ニッポンの「世界No.1」企業』 日経産業新聞/編 日本経済新聞出版社 2012年発行
苛酷な資源開発にも耐える強いパイプ――住友金属工業  (一部抜粋しています)
●油井管
住友金属工業は「パイプの住金」と称される通り、エネルギー用途の鋼管で世界首位の製品をずらりとそろえる。どれもが苛酷な条件での使用に耐える高級品だ。一貫製鉄所の強みを生かし、材料からの開発、製造、製管、顧客サービスまでを手がける「垂直モデル」が強さの源泉だ。
油井管は油田やガス田を採掘し、原油やガスを採取するのに使う。鋼板を曲げて溶接する鋼管ではなく、ビレットという丸い棒の中央部を径の細い棒で押すようにプレス加工して穴を開けるシームレスパイプが使われる。もっとも、8000メートル近く堀り進むガス田の場合、ふつうのパイプではまるで歯が立たない。高温・高圧に加えて、金属を腐食させる高濃度のCO2や硫化水素にさらされるからだ。
そんな苛酷な条件下で使われるのは、耐食性を高めるため大量のニッケルを配合した高ニッケル合金油井管、単価は「ふつうの炭素鋼の20倍」という最高級品で、住金はこの分野で8割の世界シェアを握る。高ニッケル合金製に次いで高い腐食性を持つクロム含有(13%)の油井管も世界シェア30〜35%と、首位のJFEスチールに次ぐ。同社の2001年3月期の鋼管事業の営業利益は160億円。全社の営業利益の3割弱を稼ぎ出す。
住金がなぜ選ばれるのか。最大の理由は、パイプに経営資源を集中させた総合力の高さにある。特に強みを生かせるのが上工程からの品質のつくり込みだ。
鉄鉱石と石炭から銑鉄をつくり、クロムやニッケルを配合するなどの成分調整を経て、用途ごとに最適な鋼をつくる工程を内製している。タイ場ルの欧州ユーロパイプは半製品を外部から調達している。岩井律哉常務は「上工程から下工程までの技術開発力では世界ナンバーワン」と自負する。主要顧客である資源メジャーから鍛えられ、長期にわたる取引を続けてきた実績も大きい。数千億規模のプロジェクトとなる資源開発に設備故障による失敗は許されない。顧客の要求は厳しいが、それに見合う製品を供給できれば、安定した取引に結びつく。
7月にはサウジアラビアの国営石油会社やサウジアラムコから高合金油井管5500トンの大型受注を獲得するなど、主要各社と長期契約を結んでいる。資源メジャーとの関係は油井管意外にも広がる。厚板を曲げて溶接する大口径の「UOラインパイプ」も肺炎度品を中心に世界のトップグループに入る。海洋建造物を海底につなぎ留める「テンドンパイプ」も世界シェア8割を握る。
発電効率が高くCO2の排出も少ない超々臨界圧ボイラー。日本の重電メーカーのお家芸は高温高圧に耐える住金の材料技術があって実用化した。この分野でも世界シェアが8〜9割と圧倒する。
電機や自動車と同様、鉄鋼業も韓国や中国の台頭がめざましい。だが、ことエネルギー向け鋼管に関しては、「ハイエンド品は実績と高い信頼性が要求されるため、影響はほとんどない」。むしろ、技術力の高いメーカーには追い風が吹く。より苛酷な環境下の開発案件が増え、メーカーに求められる要求水準もさらに高くなるからだ。

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どうでもいい、じじぃの日記。
図書館の中で新刊書コーナーを覗いてみたら、『ニッポンの「世界No.1」企業』という本があった。
本をぱらぱらめくると、「苛酷な資源開発にも耐える強いパイプ――住友金属工業」という題名で、油田やガス田で原油やガスを採取するのに使われている、高ニッケル合金油井管のことが書かれていた。
「そんな苛酷な条件下で使われるのは、耐食性を高めるため大量のニッケルを配合した高ニッケル合金油井管、単価は『ふつうの炭素鋼の20倍』という最高級品で、住金はこの分野で8割の世界シェアを握る」
高ニッケル合金油井管の単価は、ふつうの炭素鋼の20倍だ。
7/18、テレビ東京ワールドビジネスサテライト』で、特集「“世紀の発見”支える日本企業」を観た。そこにはヒッグス粒子の発見に使われた観測装置には、いかに多くの日本企業の製品が関わっているかをやっていた。
「電機や自動車と同様、鉄鋼業も韓国や中国の台頭がめざましい。だが、ことエネルギー向け鋼管に関しては、『ハイエンド品は実績と高い信頼性が要求されるため、影響はほとんどない』。むしろ、技術力の高いメーカーには追い風が吹く。より苛酷な環境下の開発案件が増え、メーカーに求められる要求水準もさらに高くなるからだ」
成熟産業の見本みたいな鉄鋼業でも、単価が高くても、高品位の分野で世界のトップシェアを占めることは可能なのだ。
こういった先端的な技術力では日本は世界でNo.1なのだ。だが、追いかけられてシェアを落とすというのも、ちょっと寂しい気がする。