じじぃの「21世紀の技術・炭素繊維複合材で変わる世界の飛行機・カーボンファイバー・MRJ!日本発世界技術」

MRJ初飛行!(離陸)名古屋2015.11.11 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=WUwjyWBUC-w
炭素繊維 MRJ Google 検索
http://www.google.co.jp/images?hl=ja&rlz=1T4GZAZ_jaJP276JP276&sa=X&oi=image_result_group&q=%E7%82%AD%E7%B4%A0%E7%B9%8A%E7%B6%AD%20MRJ&tbm=isch
低燃費、低騒音、快適な客室…MRJ、先端技術を投入 (追加) 2015.11.11 産経WEST
三菱航空機MRJは、最先端技術で低燃費を実現し、客室の快適さも追求している。しかし計画が遅れる間に、ライバル社も新型機開発に取り組み、MRJのリードは縮まっている。
90席タイプで全長35.8メートル、全幅19.2メートル。ほかに70席タイプを開発する。米プラット・アンド・ホイットニーの最新鋭エンジンを搭載、小型機市場を二分するエンブラエル(ブラジル)やボンバルディア(カナダ)の従来機より燃費性能を約2割向上した。
機体はスリムで空気抵抗が小さい。騒音も少ないという。空港の着陸料は騒音が少ないほど安くなることが多いため、航空会社は運航コストを削減できる。
http://www.sankei.com/west/news/151111/wst1511110041-n1.html
Aviation Now/航空の現代 2012年7月22日
リージョナルジェット 三菱MRJいよいよ開発着手 2千億円規模の開発プロジェクト
こうした先端技術を集めることにより、MRJは燃費を大幅に減らし、世界最高の経済性と快適性を有するに至った。それに基づき、三菱重工は国内外のエアライン約100社を訪ねて感触を探ったが、MRJが航空事業の競争力と収益力の向上に貢献できる点、総じて高い評価を得たという自信を見せている。そのうえで今後20年間に1,000機の販売を目標として、2011年の初飛行、13年の就航をめざすことにしている。
http://www2g.biglobe.ne.jp/aviation/mrj0805.html
未來世紀ジバング 「世界に羽ばたく!ニッポンの技術② 復活"日の丸"ジェット!」 (追加) 2012年8月20日 テレビ東京
【司会】SHELLY、大浜平太郎 【ゲスト】パックン、宮崎美子田山涼成 【コメンテーター】前間孝則(ノンフィクション作家・元航空エンジニア)
まだまだ強みを持ち、世界に挑む日本の技術を特集するシリーズの第2弾。今回は、50年ぶりの悲願となる国産ジェット旅客機の復活を取り上げる。
YS-11以来の国産ジェットとなるのが、「MRJ(=三菱リージョナルジェット)」。三菱重工グループが総力を上げて開発するジェット旅客機だ。2015年の就航を目指している。機体は、座席数70〜90席と小柄だが、これは、航空産業の成長市場とされる「リージョナルジェット機市場」をターゲットとしている。取材班は、名古屋のかつて"ゼロ戦"が製造された建物の中で極秘に進む、MRJ開発の現場に入り、100分の1ミリにこだわり「燃費の良い」ジェット機づくりに情熱を傾ける技術者たちを取材した。
そして、いかにしてこの国産ジェットを売っていくのか。その最前線、受注合戦の沸騰現場が、ロンドン郊外で開催された「ファンボロー航空ショー」だ。ボーイングエアバスといった巨大メーカーに混じって、売込みを図るMRJ勢。これまで受注では苦戦を続けてきたが、ビッグニュースが舞い込んだ!
●飛行機の祭典、その裏で沸騰する航空機ビジネス
開発費が莫大にかかる航空機製造、MRJは1機34億円で、採算ラインは300〜400機と見られている。これから有望なリージョナルジェット機市場だが、取材時は、MRJはまだ130機の受注しか獲得していなかった。ライバルは、すでにこの市場を独占する2強。カナダのボンバルディアと、ブラジルのエンブラエル。リージョナル機の50%が飛ぶ大市場で売り込みをはかる。そのアメリカで、いち早く100機を購入した航空会社があった。「トランス・ステイツ・ホールディングズ(TSH)」。社長のリチャード・リーチ氏は、「燃費効率と快適性が抜群に優れたMRJを導入することで、他社との厳しい競争に勝ち抜ける」と語る。しかし、まだ実績のない新型機を100機も購入するリスクも高い。リーチ氏を決断させたのは、米国MRJの営業マンたちが地道に積み上げてきた信頼関係だった。
そして7月、航空機ビジネスの最大の機会がやってきた。ロンドン郊外で開かれるファンボロー国際航空ショー。その舞台裏で、ボーイングエアバスをはじめとした世界の名立たる航空機メーカーが、最新鋭機の受注合戦を繰り広げる。まだ実機を持たないMRJも、実物大の座席模型を持ち込んで、世界の航空会社にアピールした。各社の大々的な受注発表が繰り広げられるなか、苦戦していたMRJも、緊急会見を開いた。そこで、江川社長の口から飛び出したのは、100機の大型受注を果たしたという知らせだった。
http://www.tv-tokyo.co.jp/zipangu/backnumber/20120820/
炭素繊維 ウィキペディアWikipedia)より
炭素繊維(英: Carbon fiber)とは、アクリル繊維またはピッチ(石油、石炭、コールタールなどの副生成物)を原料に高温で炭化して作った繊維。JIS規格では「有機繊維のプレカーサーを加熱炭素化処理して得られる,質量比で90%以上が炭素で構成される繊維。」と規定されている。アクリル繊維を使った炭素繊維はPAN系(Polyacrylonitrile)、ピッチを使った炭素繊維はピッチ系(PITCH)と区分される。炭素繊維を単独の材料として利用することは少なく、合成樹脂などの母材と組み合わせた複合材料として用いることが主である。炭素繊維を用いた複合材料としては炭素繊維強化プラスチック、炭素繊維強化炭素複合材料などがある
【歴史】
1959年、ユニオン・カーバイドの子会社ナショナル・カーボンがレーヨンから黒鉛にする世界初の炭素繊維を発明した。現在、このレーヨン系は廃れている。
1961年、通商産業省工業技術院大阪工業試験所(現産業技術総合研究所)の進藤昭男によりPAN系炭素繊維が発明される。
1963年、群馬大学の大谷杉郎によりピッチ系炭素繊維が発明される。
1970年代以降、優れた強度を持つ特性から強化プラスチックの補強材や複合材料の素材として使われ始めるようになる。
1980年代以降、製造コストの低減や加工方法の進歩が見られ、ロケットや航空機などの大型輸送機器からテニスラケットや釣り竿、白杖など身近な道具、さらには剣道の竹刀や弓道の弓など武道の分野にまで応用の幅を広げた。
2006年にはPAN系世界最大手の東レボーイング炭素繊維を機体の大部分に利用する世界初の旅客機(ボーイング787)開発のため、炭素繊維を2021年までの16年にわたって供給する長期大型契約を締結し、注目を集めた。
【メーカー】
日本発の技術であり、現在でも世界市場に占める日本企業製品のシェアは高い。
●PAN系メーカー
東レ東邦テナックス三菱レイヨン、Hexcel、Cytech、SGLカーボン
●ピッチ系メーカー
三菱樹脂、クレハ、大阪ガスケミカル、日本グラファイトファイバー
F-2 (航空機) ウィキペディアWikipedia)より
F-2は、F-1の後継として開発された日本・航空自衛隊の戦闘機である。1995年(平成7年)に初飛行を行い、2000年(平成12年)から部隊配備を開始した。
【概要】
本機の本開発が始まる以前の「FS-X(次期支援戦闘機)」の段階では国産機開発として計画されていたが、技術的・政治的問題によりアメリカとの共同開発となった。これによりロッキード・マーティン社のF-16多用途戦闘機をベースとし、三菱重工業を主契約企業、ロッキード・マーティンなどを協力企業として開発されることになった。
本機は大型化に伴う重量増軽減の為に、炭素繊維強化複合材による一体構造の主翼を世界で初めて採用している。

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『日本発!世界技術―この会社が経済再生の原動力になる』 溝口敦/著 小学館 2003年発行
米国が断念した”武器”を持つ日の丸戦闘機 カーボンファイバー 三菱重工業 (一部抜粋しています)
炭素繊維(カーボンファイバー)は一般になじみが深い。強く、軽く、弾性があるから、釣り竿やゴルフシャフト、テニスラケットなどにはうってつけで、多小値は張っても(弘法は筆を選ぶ)とばかり、従来素材から乗り換える人が多い。
炭素繊維にはいくつかタイプがあるが、最近圧倒的に多く使われているのがポリアクリルニトリル(PAN)系である。アクリルなど有機高分子繊維を原料に、段階的に1000〜1500℃で熱処理、繊維を引き伸ばして炭化する。炭素繊維1本の太さはわずか数μm(1μmは1000分の1㎜ μm:マイクロメーター)。これを束ね、エポキシ樹脂を含浸(がんしん)して、製品原料にする。
こうしたPAN系炭素繊維による一体成形の主翼を持つのが航空自衛隊支援戦闘機F2である。一時、米ボーイング社なども研究開発につとめたが量産化を断念、実用に結びつけたのは日本だけである。F2は00年9月青森・三沢基地を皮切りに、順次130気が実戦配備されていく。F1の後継機で、最大速度が約マッハ2(時速約2450km)、全備重量が22.1tという高性能の戦闘機である。
この主翼を開発・製造したのが三菱重工業名古屋航空宇宙システム製作所である。同製作所の主幹技師・小笠原和夫氏が78年から一体成形の技術這初に取り組み、実用化にこぎ着けた。
主翼に使っている炭素繊維はPAN系の高強度、中弾性タイプで、引っ張り強さが1㎜2当たり500kg、弾性率が1㎜2当たり30t。非常に強く、弾性があり、夢の材料といっていいと思いますが、これは繊維だけの値です。実際にはエポキシ樹脂を含浸させた炭素繊維を0度、90度、右・左45度に貼って金属のような力に対する等方性を出しています。そのため強度と剛性はアルミ材と同等のレベル、たたしアルミに比べて理論上40%ほど軽くなります。
というのはアルミの比重は2.8、カーボン・エポキシの比重は1.6、その差分が軽くなるんですけど、実際には主翼をカーボン・エポキシの複合材だけでつくるのは難しい。どうしても主翼は燃料タンクやミサイルを抱えるなど、金属部品と組み合わせます。が、それでもアルミと比べおおよそ20%大の軽量化に成功しています」
たった20%といってはならない。飛行機に限らず、空を飛ぶものにとって軽量化は何より重要なのだ。極端な例を持ち出せば、ロケットは全重量の90%が推進材(燃料と酸素)、期待の重さが残り10%、わずか1%がペイロード(観測機材や乗員など)に当てられるにすぎない。である以上、機体重量は可能なかぎり軽くしたい。飛行機の世界で強度を犠牲にすることなく、軽量化20%の達成は脅威の数字である。
「使用するカーボン・エポキシは0.3㎜厚のテープ状になっています。それを180℃の過熱下で加圧して硬化させ、主翼をつくっていく。F2胴体との結合部は厚く、80枚は貼る。逆に翼の先端部は30枚でいいとか、部位部位で受ける力に応じて積層枚数を決めていきます」
もちろん主翼は上面、下面とも緩曲(かんきょく)面だが、内部は障子の桟(さん)のようにケタが走って力を受けている。そのケタ部分もカーボン・エポキシの複合材であるうえ、表面部材との接合はボルト締めでも糊付けでもなく、一体成形している。
なんだか竹の上に和紙を貼り合わせた張りぼてを連想する。運動会で頭からかぶるダルマ――。製作は簡単そうだが、事実は逆である。前記したように米ボーイング社などは断念。日本でも三菱重工だけが20年以上の歳月をかけて成功している。
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カーボン・エポキシによる主翼の製造は素人が見聞きして、理解できる技術である。なにしろ材の帖り合わせなのだ。だが破綻なく翼にまとめ上げていくのが難しい。解析ソフトを使うとはいえ、それこそ伝統芸の職人のように材をだましだまし使い、それなりに「養生」もしてやらないと、材は反乱を起して戦闘機どころではない。
これがロケットや飛行機の胴体をカーボン・エポキシでつくるなら、現実には技術を持つメーカーは三菱重工に限らない。基本的に円筒形をつくればいいからだし、円筒形は形自体が安定している。構造も外界から受ける力も主翼に比べれば単純きわまりない。
「とはいえ、機体が成層圏近くに達すれば、機体を取り巻く大気圧も酸素量も減ります。それでは乗員も乗客もたまらないので、機体内部は0.8〜0.9気圧程度に与圧しています。成層圏近くのように外圧が低くなれば機体の胴は膨らみ、機体が上空に降り立てば、内外の圧力差はなくなり、元に戻ります。だから空港で機体を注意深く見ると、尾翼近くの胴体に斜め45度の角度でしわが寄っているのが分かります。飛行機の胴体も伸び縮むことで部材が披露を起すとか、技術的には大変なんです」
小笠原氏は取りなすようにこう語る。
そういえば、技術面でF2事態が米国防総省を取りなして、日米共同開発になったいきさつがある。F1は三菱重工製で、F2も当初国産を予定していたが、アメリカの横槍で米F16を土台に改造型で行くことで政治決着した。小笠原氏は最後、感慨深げにこう語る。
「76年、カリフォルニア州ロングビーチのダグラス社に立ち寄り、一体成形の試作品を見せられ、さすがにアメリカは進んでいるとびっくりしたものです。日本では理論的にはできるだろうと思われていただけのことを、すでに、実用化に着手している。いつか日本でもと思って、帰国後、研究・開発に当たりましたが、向こうは断念、こちらは成功、思いは複雑です。 幸い日本は複合材の材料技術で世界の最先端を走っています。そういう技術の蓄積があればこそ、私たちはアルミより軽い軽量化を実現できた。次の課題は、価格面でもアルミ構造より安く、低コスト化できないかということです」

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どうでもいい、じじぃの日記。
ぼけっと、『日本発!世界技術―この会社が経済再生の原動力になる』という本を見ていたら、「米国が断念した”武器”を持つ日の丸戦闘機 カーボンファイバー 三菱重工業」というのがあった。
「こうしたPAN系炭素繊維による一体成形の主翼を持つのが航空自衛隊支援戦闘機F2である」
2000年に実戦配備されたF2戦闘機以降の開発はどうなっているのだろうか。
炭素繊維は電波を通してしまう性質があるため、最新戦闘機には必須のステルス性にマイナスなのだそうだ。軽ければいいというもんじゃないらしい。
PAN系炭素繊維は1961年、通商産業省工業技術院大阪工業試験所(現産業技術総合研究所)の進藤昭男氏により、発明された。
4月22日、日本航空は成田とアメリカ・ボストンを結ぶ新規路線を開設し、最新鋭の中型旅客機「ボーイング787」を就航させた。
このボーイング787は全部品の35%が日本製だ。東レ炭素繊維複合材料を使って20%、軽量化し燃費を改善している。
三菱重工業の子会社である三菱航空機で今、日本初の国産ジェット旅客機「MRJ」の開発が進められている。MRJには炭素繊維複合材が30%使われている。
約50年前、日本は国産プロペラ機「YS-11」を開発した。しかし、サポート体制らの不備で長く使われることはなかった。
ボーイング787は準国産機だといわれている。国産ジェット旅客機があっても不思議ではない。
世界一の国産ジェット旅客機も夢ではないのだ。