じじぃの「科学・芸術_333_炭素繊維素材」

【Boeing】ボーイング「787」びっくり…!? 東レが「1兆円の炭素繊維」をBoeing社から受注した! 動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=2pjjMFbfjjc
炭素繊維 世界シェア(2007年)

三菱レイヨン炭素繊維プリウス 2017.3.7 SankeiBiz
三菱ケミカルホールディングス子会社の三菱レイヨンは6日、同社の炭素繊維トヨタ自動車の新型ハイブリッド車プリウスPHV」に採用されたと発表した。リアドアの骨格材向けに、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の中間材料「SMC」を供給する。
炭素繊維は、鉄より軽量で強度が高いのが特徴。世界的な燃費規制の強化で自動車の軽量化ニーズが高まるなか、需要拡大が見込まれている。三菱レイヨン炭素繊維は、ほかにも独BMVの電気自動車(EV)「i3」や、日産自動車のスポーツカー「GT-R」に採用されている。また、イタリアの高級スポーツカーメーカー、ランボルギーニとはCFRPの共同開発を検討している。
http://www.sankeibiz.jp/business/news/170307/bsc1703070500002-n1.htm
東レ、米ボーイング社に炭素繊維1.3兆円分を供給 2016.10.20 ビジネスジャーナル
今後、軽量化の“切り札”として、自動車向けの用途が本格化する。20年にかけて電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)の市場に投入され、炭素繊維複合材料の採用車種が高級車を中心に増えることが期待されている。
炭素繊維東レ帝人グループの東邦テナックス三菱レイヨンの日系3社が世界需要の7割を握る。その首位を走るのが東レだ。
http://biz-journal.jp/2016/10/post_16949_2.html
『新しいニッポンの業界地図 みんなが知らない超優良企業』 田宮寛之/著 講談社+α新書 2016年発行
夢の新素材で日本の3社が圧勝 より
炭素繊維とは軽くて、強くて、錆びないという夢の新素材だ。重さは鉄の4分の1だが、強度は10倍もある。熱にも強いだけでなく、成形しやすく、電気を伝えやすい一方で、電磁波遮断性が高い。
炭素繊維協会のHPには「ほとんど段素だけからできている繊維といえます。衣料の原料などでお馴染みのアクリル樹脂や石油、石炭からとれるピッチ等の有機物を繊維化して、その後、特殊な熱処理工程を経て作られる……」と書いてある。
炭素繊維は1970年代からゴルフのシャフト、テニスラケットなどスポーツレジャー向けに使われてきた。優れた素材ではあるが、成形に時間がかかることや価格が高いことから用途が広がらなかった。ところが、ここ数年、航空機や自動車向けが注目されている。
炭素繊維分野では日本企業が圧倒的に強い。東レ東邦テナックス(非上場)、三菱レイヨン(非上場)の3社で世界需要の7割を押さえ、日系メーカーの土壇場だ。
市場第1位の東レが生産した炭素繊維は、2011年にボーイング787の機体構造の50%に採用され大きな話題となった。その後、2014年にはボーイングに1兆円分の炭素繊維を納入する契約を結んだ。
自動車向けでは、2014年にトヨタ自動車が発売した燃料電池MIRAIに同社の炭素繊維が使用されている。燃料電池車などエコカーでは、重量の重い電池が備え付けられるため、重量の軽い炭素繊維を使用することが必要となる。特に欧州では2020年に向けて燃料規制が強化されるため、車内の軽量化は必須。今後、自動車向けにも炭素繊維の売り上げが伸びていく。
さらに、2015年に初飛行に成功して注目されたMRJでは、炭素繊維で尾翼部品を製造し三菱重工業に納入した。
第2位の東邦テナックスは上場企業ではなく、帝人の子会社、東京都千代田区に本社を置く炭素繊維メーカーで、生産高は世界第2位。主力製品である炭素繊維は、風力発電のブレード(羽根)や高圧タンク向けなどの産業用途のほか、欧州エアバス社の超大型旅客機エアバスA380を始めとした航空・宇宙分野向けに出荷されている。
第3位に甘んじていた、三菱レイヨンは2位浮上を狙っている。同社の炭素繊維BMWが製造するBMW i3に採用されたほか、2015年にはエアバス社の新型機用のエンジン部材に採用されたことを発表した。東邦テナックスエアバス向けに実績を積んできたが、同社もエアバスとの関係を強化しようとしている。
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日系3社は40年にわたる赤字に耐えてきた。欧米企業のように短期的な成果を追うのではなく、あきらめずに地道に開発を続けるという日本メーカーの姿勢が今日の成功につながったといえる。