じじぃの「第146回芥川賞・円城塔『道化師の蝶』は普通の小説ではない?あさイチ」

文藝春秋|雑誌|文藝春秋_120301 (追加)
文藝春秋 3月号 芥川賞受賞作品 円城塔 「道化師の蝶」/田中慎弥 「共喰い」
http://www.bunshun.co.jp/mag/bungeishunju/index.htm?cid=toppage
書評家・杉江松恋が読んだ! 第146回芥川賞候補作品、ほんとうに凄いのはこれだ! 2012年1月13日 エキサイトニュース
円城塔「道化師の蝶」収録の「群像」 7月号
http://www.excite.co.jp/News/reviewbook/20120113/E1326388999267.html
円城塔「道化師の蝶」のあらすじ・感想【第146回(2012)芥川賞 NAVER まとめ
出身/北海道札幌市
妻/田辺青蛙(作家)
職業/作家 兼 ウェブエンジニア
http://matome.naver.jp/odai/2132684696138526701
全文掲載:芥川賞選考委員 黒井千次さん 2012年01月18日 NHK「かぶん」ブログ
今回の第146回芥川賞はふだんに比べて大幅に早く、午後7時前後に両賞とも発表されました。対照的な2本の作品の受賞はどのような選考を経て決まったのか。芥川賞の選考委員を25年つとめ、今回で退任される黒井千次さんの記者会見を全文掲載します。
http://www9.nhk.or.jp/kabun-blog/800/106753.html
あさイチ 「書籍決定! 芥川賞直木賞 2012年1月20日 NHK
【司会】井ノ原快彦(タレント)、有働由美子NHKアナ) 【解説委員】柳澤秀雄 【書籍ナビゲーター】中谷文彦アナウンサー 【ゲスト】ロバート・キャンベル円城塔(作家/第146回芥川龍之介賞受賞)
今週の「特選!エンタ」は、「第146回芥川賞直木賞」を特集します。
今年度下半期の伝統ある文学賞の選考が、17日(火)に行われました。「あさイチ」では、おなじみロバート・キャンベルさんをナビゲーターに、今回のノミネート作品を一挙ご紹介。両賞の受賞作と作者の魅力に迫ります。
芥川龍之介賞作品
円城塔 「道化師の蝶」(群像7月号)講談社
田中慎弥 「共喰い」(すばる10月号)集英社
直木三十五賞作品
葉室麟蜩ノ記祥伝社
http://www.nhk.or.jp/asaichi/2012/01/20/02.html
どうでもいい、じじぃの日記。
1/20、『あさイチ』の番組で特集「書籍決定! 芥川賞直木賞」を観た。
大体、こんなことを言っていた。 (手抜きしている)
「特選! エンタ」、今週発表された「第146回芥川賞直木賞」について特集です。
芥川賞直木賞を受賞された3人が、それぞれ自作の本を持って記者会見している映像が出てきた。
本日は注目の芥川賞受賞作家 円城塔さんがスタジオに生出演!します。
キャンベルさん、「芥川賞って不思議な賞ですよね。文芸誌ってほとんどの人がまだ見ていない作品が対象で、それだけ世の中が何かお祭り気分になるんですよね。映画でいえばオスカー賞、まだ封切していないのにノミネートされて賞がある。とっても世界を見てもいろんな賞がありますけど、日本だけの現象なんです」
芥川賞直木賞の候補作品の一覧が出てきた。
中谷さん、「その芥川龍之介賞ですが、こちらは純文学の短編作品の中で優秀な作品に贈られます。主に新進作家が対象なんですが、今回は円城塔さんの『道化師の蝶』、田中慎弥さんの『共喰い』が受賞されました。特に田中さんはストレートな記者会見が話題になりましたが・・・」
キャンベルさん、「田中さんの文章って、すごく静かで筋に正しく丁寧な文章で、それと対照的にそのキャラクターが話題を呼んだんですね」
中谷さん、「一方、直木三十五賞なんですが、こちらは優秀な大衆文芸作品に贈られます。葉室麟の『蜩ノ記』が受賞されました」
中谷さん、(そばの円城さんに)「大阪にお住まいなんですが、受賞が決まってから・・・」
円城さん、「ずっと、帰れずに・・・」
中谷さん、「円城さんは理系なんですね。東北大学理学部で学んで、その後東京大学大学院で博士課程を修了。デビュー5年目、3度目のノミネートで受賞ということです」
有働さん、「とんとんびょうしで決まった気がします」
円城さん、「もと研究者だったので、どうなるか分からない。全然違うとこに行ってしまったので」
柳澤さん、「何で理系、やめちゃったんですか」
円城さん、「あっ、仕事なかったから」
みんな、爆笑。
円城さん、「年度単位で契約を更新していくんですけど、次の年度の更新ができそうになかったもので。じゃ。小説書こうかなって」
有働さん、「今回の作品は大変難しそうな・・・」
中谷さん、「私も読ましてもらいましたけど、私は内容を紹介できない。難しくて」
有働さん、「それは中谷君だからかもしれない。キャンベルさんさんだったら」
キャンベルさん、「ストーリーを追うことだけが小説の楽しみだと思っている人には、ちょっと取っつきにくいかもしれない。だけどその概念を外して単純に1つづつ場面ごとに展開する奇想天外の発想。重箱というよりラセン階段を登っていくようように、主人公や登場人物がある小説家を書いたのを追っかけて見つけようとするサスペンスの部分があるんですが、それが性別が入れ替わったり、モロッコに吹っ飛んでまた戻ったり、飛行機の中の話であったりと、一直線じゃないんです。ただ、ゆるやかにそれがつながっているというところが非常に面白い。そして僕はすごく楽しく読んだ。なんか、ユーモアをすごく感じた。そのユーモアというのがきっちり書かれている文体とちっちゃかめっちゃか、内容がナンセンスなんです。ある意味で日本のユーモアそのもの。漫才であったり昔の演劇であったり、芝居であったりするのに通じるペーソスをすごく感じた」
中谷さん、「聞いてても分かるようで分からなかったりして」 (笑い)
みんな、「読みたくなる」
中谷さん、「今日、お互い初対面だったが、キャンベルさんが最初の挨拶で『いやぁ、面白かったです』と、その時、円城さんが『初めて言われた』って」
みんな、爆笑。
中谷さん、「選考委員も意見が割れたということです。選考委員の黒井千次さんの受賞発表直後の選評をご覧いただきましょう」
選考委員の黒井千次さんが受賞発表直後の選評を述べている映像が出てきた。
黒井さんの選評、
円城塔の『道化師の蝶』は、これは普通の小説とは違っていてストーリーがあり人物があり場面がありという格好で展開していく、いわゆる、こう読んで楽しかったり面白かったりはらはらしたりする小説ではありません。メタ小説、メタフィジックなフィクションというふうなものではないかという議論も出てきました。メタフィクションという意味も、私は十分作品に即してはつかめなかったですが、一種のフィクション論ではないかと。中身を説明しても難しいですから、中身の説明ははぶきますけれども、とにかく不思議な話が展開していくという小説で。これは、いろいろ難しいところがいっぱいあって、科学・サイエンスの論理というか理屈というか現象というか研究というか、そういうものにも関連しながら、ひとつのフィクションという世界を作り出そうとしたという。不思議なことばかり起きるんですが、それが全体としてどういう関係になっているかは部分部分ではつかめても、結びつけてひとつの構築物としてつかむということが僕にはうまくいきませんでした。もちろんそれがよくわかってそこのところを評価した意見もあったわけですけれども。普通の今までの小説とはちょっと違うのではないかという意見があった。その『違う』んではないかというところの面白さ、その『新しさ』の面白さに注目があり、評価でありました」
円城さん、「お話よりは、読んだときにどう思うのかを積極的に出せればと。不思議な感じで読んでもらえればうれしいです」
キャンベルさん、「普通の物語だとAからB、Cとたどっていくとすれば、そうではなくて、本当に行ったり、戻ったり、違う次元にワープするようなところがあります。何か読んでいて活性化する感じです」
井ノ原さん、「そんなふうに読むというのはいいかもしれませんね」
キャンベルさん、「そうです。難しいというと、何か内向きな印象があると思いますが、そうでなくわりと挑戦するというか、読者に呼びかけているような小説です」
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じじぃの感想
「今日、お互い初対面だったが、キャンベルさんが最初の挨拶で『いやぁ、面白かったです』と、その時、円城さんが『初めて言われた』って」
難解な小説であるらしいことは間違いないようだ。
じじぃは来月発売される『文藝春秋』を楽しみに、待つことにしよう。