じじぃの「チンパンジーが教えてくれる希望の秘密!人間とは何か・想像する力」

人間より記憶力のいいチンパンジー 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?feature=endscreen&NR=1&v=gmDuzNAukmY
アユムがロープにぶら下がり、ふりこのように揺れています 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=zTNH_sHcjbg&feature=related
CBCMBS開局60周年記念 「チンパンジーが教えてくれる希望の秘密」 hicbc.com
http://hicbc.com/tv/chimpanzee/
チンパンジーが教えてくれる希望の秘密 2012年1月3日 TBS
【出演者】俳優 袴田吉彦京都大学霊長類研究所所長 松沢哲郎 【レポーター】CBCアナウンサー 青木まな
人はサルから人類へと進化を遂げた。その過程の解明は少しずつ進みつつある。これまで謎だった、喜怒哀楽から複雑な感情までを抱く「人の心」はどのように形成されていったのかについても研究が進んでいる。
日本の霊長類学は、約60年前から人間の進化の謎をサルの中に求めてきた。そのトップに立つのが、愛知県犬山市にある京都大学霊長類研究所である。ここでは遺伝子の塩基配列が98.8%まで人間と同じチンパンジーを通して「人間の心の進化」に迫る研究が続けられている。とりわけ人間の知性を比較する研究では世界中から注目を集めている。番組では、俳優の袴田吉彦がこの京都大学霊長類研究所を訪ね、最新の研究成果に迫ってゆく。
松沢哲郎所長が率いるグループは、「アイ」と「アユム」というチンパンジーの親子を使って研究を進めている。親子はバラバラに書かれた1から9までの数字の配置を一瞬で記憶できる。人間には到底できない驚くべき能力だ。野生の中で生きるチンパンジーにとって瞬間記憶能力は、生死に関わる非常に重要な能力である。敵が、どこに、どれ位の数いるのか? どこに好物の果物があるのか? これらのことを瞬時に把握しなければならないからだ。かつて人間にも、この瞬間記憶能力が備わっていたという。しかし、「進化」の過程で、ある能力を獲得したことと引き換えに、この瞬間記憶能力は徐々に失っていったと思われる。その「新たに獲得した能力」とは…!?
一方、「レオ」という名のチンパンジーは、病気で下半身が麻痺している。毎日リハビリを続けているが、悲嘆に暮れることも、快方に向かって希望を持つこともないようだ。悲嘆や希望という人間が持つ感情も「新たに獲得した能力」と大きく関わっている。
この「新たに獲得した能力」とは何なのかを、袴田吉彦が分かりやすく、じっくりと紐解いていく。人間が進化の過程で「希望」を持って生きることができるようになった動物であることを証明してゆくドキュメンタリー番組だ。
http://www.tbs.co.jp/program/mbs_chimpanzee.html
どうでもいい、じじぃの日記。
1/3、TBS 「チンパンジーが教えてくれる希望の秘密」を観た。
こんなことを言っていた。
名古屋市東山動植物園にレポーターの青木まなさんがチンパンジーの取材に出かけた。
青木さん、「今日も子どもたちでにぎわっていますねぇ〜」
柵に看板のようなものが取り付かれている。看板の上部には「リキ」という文字とチンパンジーの写真が貼られている。看板に書かれているのは、
「愛称募集の結果、7月24日に東山動植物園で14年ぶりに生まれたチンパンジーの赤ちゃんの愛称が決定しました。『リキ』には名前のように力強く育ってくれることを願っております」
お母さんチンパンジーに抱かれて移動している「リキ」が映像に出てきた。
子どもたち、「リキ〜。リキチャアン〜」
京都大学霊長類研究所の足立幾麿さんが東山動植物園の「パンラボ」について説明する。
足立さん、「『パンラボ』とはチンパンジー舎箱型新施設でチンパンジーのパンとラボラトリー(研究所)のラボを組み合わせたものでチンパンジーを研究する場所です」
青木さん、「具体的にどんな研究が見られるんですか」
足立さん、「簡単に言うと、知性を調べる。彼らがどういうふうに物を見て、考えているのかということを調べます」
京都大学東山動植物園が協力してチンパンジーの知性を研究
ディスプレイ装置にランダムに数字が表示され、それをチンパンジーが指で当てている映像が出てきた。
青木さん、「チンパンジーをかわいいと言ってしまいましたが、カッコいい動物だという気がしましたね」
子どもたち、「頭いい!」
青木さん、「チンパンジーが数字を覚えたり、色を見て漢字を選んだりするのには本当に驚きました」
       ・
俳優の袴田吉彦さんが京都大学霊長類研究所の所長 松沢哲郎先生を訪ねる映像が出てきた。
袴田さんがチンパンジーがやっているディスプレイ装置での数字当て実験を、自分でもやってみた。
袴田さん、「あんなに大差で負けるとは思わなかった」
松沢先生、「チンパンジーが優れているという、記憶の一分野があるということ。実は、共通の祖先はチンパンジーと同じようにできていて、その能力がチンパンジーの方には残って、人間は簡単に言うと別の方法で頭を使うようになったので、こういった瞬間的な記憶の能力というのは捨ててしまった」
袴田さん、「人間が瞬間的な記憶する能力を捨てて、得たものは何なんですか」
松沢先生、「ちょっと、『パンダ』をかいてください」
袴田さんがホワイトボードに白黒のパンダの絵を描き始めた。その後、松沢先生はホワイトボードに文字で「パンダ」と書いた。
松沢先生、「『パンダ』をかいてくださいと言ったんだから『パンダ』って書けばいいじゃない」
袴田さん、(笑って)「えっ。ハッハッハ」
松沢先生、「パンダ見たでしょ、パンダ見たよ、というワイワイドキドキする気持ちと一緒に奥さん、子どもに、友達にパンダ見たよ。一緒に見にいこう。そういうことだとパンダという言葉だと出ますよね。人間はお互いがお互いを支え合うように、お互いが協力して暮していくように進化してきた。自分が見たもの、経験した物を相手と分かち合う。その時に言葉はとても重要だった。ここでポイントになるのは、脳の容量。進化の過程では決まっている。何か新しい機能を手に入れようとすると、手持ちの何かを捨てないといけない。チンパンジーが持っているような進化の記憶を進化の過程で失って、引き換えに言葉の能力を手に入れた。そのように考えています」
僕たちは言葉で感動を分かち合う。言葉で助けを求め、知識を蓄え、家族や友達との絆を深めていく。そうだ。人間ってそういう生き物なんだ。「アイ」ちゃん、ありがとう。君たち親子が大切なことを思い出させてくれた。あしたはもっと深く君たちのことを知りたいな。
       ・
最後は4時間目。
ディスプレイ装置の脇に半円球のボールのようなものが置かれている映像が出てきた。
あれ、今までとは何か違う。今度の先生は大学院の学生さん。視覚と運動について研究する兼子さん。
兼子さん、「トラックボールで画面の点を動かし、ターゲットに当てる。マウスのような装置ですけど、これを使って画面に出ているカーソルをターゲットに持っていく」
黄色がスタート。緑がゴール。紫のマークは特別な装置で作った「アユム」の視線(見ている場所)。白い点を動かして、ゴールを目指すとき、目はどこを見ているのか記録する。
アユム君、上手だなあ。
チンパンジーは人間にとても似ている、でも同じじゃない。ふう〜ん。
チンパンジーの瞬間的な記憶力、一瞬で見きわめる力はアフリカの森で身を守るのに必要だ。僕たちの祖先はその力を封印して言葉を手に入れた。その先に何があるのだろう。
松沢先生が作業服に着替えた。
松沢先生、「アイちゃん、手伝って」
アイの前に白黒の塗り絵のような絵が置かれた。絵はチンパンジーの顔だが、目は片目しか描かれていない。
アイは塗り絵のような紙の上に無造作に線を引き始める。一体、これは。
松沢先生がアイが描いた絵に、これが言葉の先にある人間のもう1つの能力を示しているという。
       ・
病気になったチンパンジー「レオ」のVTRが流れる。
下半身が麻痺状態になった。リハビリをしていても、健康なチンパンジーと同じ動作をする。
       ・
そして、僕はすばらしい答を見つけた。
袴田さん、「レオは何であんなにあきらめないのかと、率直な感想を受けたんですけど」
松沢先生、「まったく同じ感想を持ちました。どうしてこの子、絶望しないんだろう。その次に思ったのが自分が研究者として見てきたことと、つながるものがあると思いました。たとえば、こういう絵(塗り絵)を見たとき、まず、どこに目が行きますか?」
袴田さん、「目がない」
松沢先生、「実際、人間の3歳を越えた子だったら、ほぼここに目を描き入れますよ。おメメがない、なんて言いながら。だけど、チンパンジーにやってもらうと、何もないところに目を描き入れたというチンパンジーは一人もいなかった。要はチンパンジーは目の前にあるものを見て、目がある。人間は目の前にあるところから出発して、ないものを考える」
袴田さん、「想像力ということですか?」
松沢先生、「想像する力、それが人間をして人間たらしめている。要はレオ、そしてチンパンジー一般は今、ここの世界に生きている。今日、ここ。このまま寝込んでしまったらどうなるんだろう。という今、目の前にない遠い先のことで悩んだりしない。でも、人間は想像する力があるから絶望してしまう。でも、同じ想像する力があるから、たとえ今、ここの世界が悲惨なことも、きっと明るい未来がある、将来があるという希望を持つことができる」
袴田さん、「そうですよ。人間誰しもが希望を持てる生き物ということですよね」
松沢先生、「そうです。人間誰しもが、全ての人間が希望を持てる。それがチンパンジーが教えてくれた人間の心だと思います」