じじぃの「人の生きざま_98_RW・ウィルソン」

ロバート・ウッドロウ・ウィルソン - あのひと検索 SPYSEE
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Penzias, Arno A.; Wilson, Robert Woodrow 写真
http://photos.aip.org/history/Thumbnails/wilson_robert_woodrow_c1.jpg
宇宙論研究の歴史年表
http://www-utap.phys.s.u-tokyo.ac.jp/~suto/myresearch/sinra-bansho05_2-history.pdf
宇宙マイクロ背景放射 東京大学 大学院理学系研究科・理学部
宇宙初期が光で満ちあふれていたことは, 元素の起源という観点からジョージ・ガモフ(G. Gamov)が提唱したビッグバン理論の帰結でもあった。ガモフらはさらに,この熱い時期の名残ともいうべき光子が現在, 絶対温度にして数度から数十度の黒体放射として現在の宇宙を満たしていることまで予言していた。この放射は1965年,ガモフの理論など知らなかった米国ベル研究所のアルノ・ペンジアス(A. A. Penzias)とロバート・ウィルソン(R. W. Wilson)によって観測的に発見された。その後,この分布は絶対温度2.75 Kの完全な黒体放射であることが確認され,今では「宇宙マイクロ波背景放射」(CMB: Cosmic Microwave Background radiation)と呼ばれている。
http://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/story/newsletter/keywords/02/01.html
ロバート・ウッドロウ・ウィルソン フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』 (一部抜粋しています)
ロバート・ウッドロウ・ウィルソン(Robert Woodrow Wilson, 1936年1月10日・ヒューストン - )は、アメリカの天文学者、物理学者。アーノ・ペンジアスとともに宇宙マイクロ波背景放射(CMB)を発見し、ノーベル物理学賞を受賞した。
1964年に宇宙マイクロ波背景放射を偶然発見した業績によって、1978年にウィルソンはペンジアスとともにノーベル物理学賞を受賞した(この年の物理学賞はピョートル・カピッツァとの共同受賞である)。ニュージャージー州ホルムデルのベル研究所にあった新型アンテナを使った研究中に、彼らは空に説明できない電波ノイズ源があることを発見した。このアンテナに付いていた鳩の糞を取り除き、その他考えられる全ての雑音源を特定した後、最終的にこのノイズがCMBであることを突き止めた。この発見はビッグバン理論の重要な確証とされた。
ウィルソンはライス大学で学部時代を過ごし、優等学生の友愛会であるファイ・ベータ・カッパに入っていた。卒業後はカリフォルニア工科大学で学位を取得した。

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『狂騒する宇宙―ダークマターダークエネルギー、エネルギッシュな天文学者 ロバート・P・キルシュナー/著、井川俊彦/訳 共立出版 2004年発行 (一部抜粋しています)
熱くて濃い宇宙
現在われわれの宇宙は、銀河どうしの間隔が開く、という意味で膨張している。それを表すのがハップルの法則である。過去の宇宙の状況を調べるために、チリ、ハワイ、アリゾナなどにある、都会を遠く離れた山の山頂で、巨大な望遠鏡が遥か遠方にある銀河からの光を集めている。だがしかし、もう1つ別の宇宙に関する重要な事柄が、ニュージャージー州で発見された。山頂でもなく繁華街でもない場所で、アーノ・ペンジアスウッドロウ・ウィルソンが、宇宙はビックバンの燃え残りである古い電磁波に満ちていることを発見したのである。
詳しく言うと、1965年アンテナが、空のすべての方角から入ってくる電磁波を捉えたのだ。現在は、これのスペクトルが、ある不透明な物質が温度2.725+-0.001ケルビンで放射するスペクトルに一致することがわかっている。絶対零度より摂氏2.725度だけ高い温度である。現在宇宙は透明なので、遠い銀河から出た光子は、途中で九州されることなくわれわれに届く。われわれが銀河として見る光派、たくさんの星からの光とガスの雲からの光が混ざったものである。それを分析して、銀河やガスの性質を調べているのだ。ところが、ペンジアスとウィルソンが発見した電磁波は、シンプルなものであった。それはすべての方向から来ており。そのスペクトルはただ1つの数値を示していた。温度である。それだけであった。
この低いエネルギーの光子は、宇宙が熱くて不透明だった時代の遺物なのである。宇宙がオーブンのような状態であった時代の名残の品なのだ。電子オーブンのスィッチが入れられると、発熱体が赤外線を放射し、冷たい壁画赤外線を吸収する。それで壁も暖まり、ついには壁からも赤外線が放射される。オーブンの中全体が暖められると、サーモスタットが働いてスイッチが切られる。オーブンの中は赤外線で充満している。パン生地の形を整えてオーブンに入れると、オーブンの中の赤外線のエネルギーを吸収し、パン生地はどんどん焼き上がる。そしておいしいパンが完成する。
パン生地は、オーブンの壁と温度が同じになるまで赤外線のエネルギーを使う。オーブンの中のものは、すべて同じ温度になる。残った光子は、温度を一定に保つのに使われている。この光子のスペクトルは、壁の化学的組成とかパン生地の中のレーズンの種類には関係なく、温度だけで決まる、普通の家庭にあるオーブンでは壁の色が変化することはない。しかし、セラミックの炉や十分に熾きた炭では色の変化がわかる。炭が熾きてくると赤くなる。この色を見て炭の温度を知ることができる。温度が低いときには赤黒い色で、温度が高くなるとオレンジ色となるのだ。宇宙に充満するマイクロ波は、熱いビッグバンで生まれたものである。しかし現在は絶対零度より2.725度高いだけなので、人間の目で見ることはできない。これを探知するのは、ペンジアスとウィルソンが使ったようなアンテナが必要である。
不透明な宇宙もオーブンの中と同じようなものである。すべてが同じ温度なのだ。なぜなら、光子が拘束で動き回るので、すこしでも冷たいところがあればすぐに暖まり、逆に暖かすぎるところは冷えてしまい、同一温度に保たれるのである。ペンジアスとウィルソンは、宇宙が不透明なときに生まれたスペクトルを持つ光子を発見したのだ。計算によると、そのときの宇宙の温度は4000ケルビンであった。
つまり、ニュージャージーで観測された宇宙背景放射は、宇宙が現在よりも1000倍も熱いときに生まれた光子なのである。その光子は、生まれて以来、宇宙の膨張で1000倍も引き延ばされている。初めは目に見える光であったものが、膨張で引き延ばされ、電波望遠鏡でしか見られない形になったのだ。
この光子は、彼らが生まれたときの幼い宇宙の情報を抱えながら、透明に晴れ上がった宇宙を飛び回っているのだ。彼らが生まれたとき、宇宙は1000分の1の大きさであった。密度は10億倍で、温度は1000倍である。こういった、当時の宇宙の情報をわれわれに教えてくれながら、透明な宇宙を飛び回っている。つまりは、オーブンの壁が透明になり、光子がオーブンを飛び出たようなものだ。
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宇宙背景放射は、天文学史上大きな発見である。ビッグバンの概念は、かなり以前に、ジョージ・ガモフと、彼の学生であったハーマン・アルファーにより、元素が誕生した原因として考えられていた。しかし当時、それを実証する探索は行われず、後になって、重い元素は星や超新星で作られることが判明した。ペンジアスとウィルソンは、ビッグバンの証拠を探索していたのではないが、発見したものは非常に重要なものであり、彼らは1978年にノーベル賞を受賞した。

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