じじぃの「人の死にざま_755_F・ツビッキー」

Dark Matter 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=9y3i2tJwl1w&feature=related
クローズアップ現代 「ダークマター 見えない暗黒物質を探せ」 2010年9月13日 NHK
【スタジオゲスト】ジャーナリスト 立花隆 【キャスター】国谷裕子
いま日本をはじめ世界中の科学者たちが「ダークマター暗黒物質)」と呼ばれる、奇妙な物質の発見にしのぎを削っている。なんと、長年科学が研究対象としてきた「物質」は、実は宇宙を形作る物質のごく一部に過ぎないという“薄気味悪い事実”が明らかになってきたというのだ。例えば、銀河の渦巻きの形も、この宇宙に私たちが知っている物質以外の見えない大量の物質がないと、どうしても説明できないという。この夏日本では、岐阜県奥飛騨の山中のトンネル内に作った実験施設「XMASS」で、ダークマター発見をめざした壮大なプロジェクトが動き出した。はたして謎の物質「ダークマター」を見つけ出すことはできるのか。番組では宇宙の謎に挑む科学の最前線を見つめる。
初めてダークマターの存在に気がついたのは、今からおよそ80年前、アメリカの天文学者フリッツ・ツビッキー(スイス人)が銀河の集まり、銀河団を観測していたときのことでした。
銀河団では一つ一つの星が互いに引力を及ぼしながら動いています。ツビッキーはその銀河の動きを見て、ひとつの疑問を持ちました。ある銀河の星のスピードが予測より20倍も速かったのです。ツビッキーは銀河団の中により強い引力の源になる見えない物質が大量に存在するはずだと考えたのです。
http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/2935/index.html
フリッツ・ツビッキー ウィキペディアWikipedia) より
フリッツ・ツビッキー(Fritz Zwicky 、1898年2月14日 - 1974年2月8日)はアメリカで活躍したスイス国籍の天文学者である。ウォルター・バーデとともに超新星の研究のパイオニアである。
スイス人の両親のもとで、ブルガリアのヴァルナに生まれた。チューリッヒ連邦工科大学で学んだ。1925年にアメリカのカリフォルニア工科大学に移り、その後、スイス国籍のままアメリカで活動した。
1930年代にウォルター・バーデとともに超新星中性子星に移行する過程であること、超新星宇宙線の発生源であることを示唆する論文を発表した。パロマー天文台超新星探索用のシュミット望遠鏡を設置させるのに成功し、100個以上の超新星を発見した。1961年から銀河のカタログ(CGCG)を作成した。
変わり者で知られ、周囲の研究者に罵詈雑言を浴びせるのが常で、お気に入りの罵倒語は「球形のろくでなし」(どこからみてもろくでなし)だったという。

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『狂騒する宇宙―ダークマターダークエネルギー、エネルギッシュな天文学者 ロバート・P・キルシュナー/著、井川俊彦/訳 共立出版 2004年発行 (一部抜粋しています)
いろいろな爆発
1930年代、フリッツ・ツビッキーとウォルター・バーデは超新星の近代的な研究を始めた。ツビッキーは、カリフォルニア・パサディナのカリフォルニア工科大学カルテック)、バーデは、そこから1マイル離れたカーネギー研究所のウィルソン山天文台のサンタ・バーバラ研究室におり、共同研究を始めたのである。彼らは新星と区別するために「超新星」という名前を考えた。新星は白色矮星の表面の爆発であり、白色矮星自身が壊れるものではなく、明るさは超新星の1万分の1しかない。超新星は新星に比べてはるかに規模の大きな爆発で、われわれの銀河系で発見することは希であるが、他の多くの銀河で煩雑に発見される。バーデとツビッキーは、このことをアメリ物理学会のきちんとした研究会で発表する予定でいたが、それよりも先、1934年1月19日にロサンジュルス・タイムズが漫画にしてセンセーショナルに取り上げてしまった。
超新星はツビッキーの突出した洞察の第1のものであろう。(第2は銀河系の中のダークマターである)。超新星ダークマターは、長いこと天文学上の派手な話題として世間に通用している。フリッツは1974年に死亡した。学位を取るのに約5年かかる。つまり今日まで5世代の天文学者たちが、彼の人柄を知らず伝説だけを聞いているのだ。私は、彼とカルテックのロビンソン・ラボの地下2階で会ったことがあるが、実際にフリッツを見たことのある世代にとっては、人をいらいらさせる彼の性格を記憶の彼方に押しやるのは、かなり時間のかかることだ。それでも業績は業績である。ツビッキーの業績が突出したものであることは間違いない。
中性子星が重力崩壊して超新星爆発となる、という理論は、バーデとツビッキーが考えだしたものである。この後、ツビッキーはパロマ天文台に18インチのシュミット・カメラを作り、自分の理論を実証し始めた。現在、ある種の超新星は、中性子星への重力崩壊で作られることが確かめられており、ツビッキーの洞察が正しかったことがわかっている。
宇宙は膨張する
赤方偏移を速度で表わすことは多いが、それは普通の意味の速度ではない。赤方偏移は、宇宙の中で銀河が運動しているのを表す速度ではないのだ。それは、銀河から放射された光がわれわれに届く間に生じる空間の膨張を表しているのである。
ところで、もう1つ考えなければならない差異が存在する。もし、銀河が同じ距離だけ離れていれば、赤方偏移は同じになるはずである。だがしかし、銀河間の局所的な重力関係で、われわれから離れたり、近づいたりする運動もある。銀河群のなかでの銀河の運動は宇宙空間に存在する物質で作られた重力が銀河に影響を与えていることを示している。これが、ツビッキーが初めてダークマターを推測した理由なのである。

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